メモ

ポルノ動画メーカーが1万人超の違法ダウンロード犯に訴状を送り付け年間数十億円を回収、ただし「IPアドレスを元に住所を割り出して金銭を要求するのは雑すぎるし脅迫に近い」という指摘も


インターネット上ではポルノ動画の違法ダウンロードが長年にわたって横行しています。ポルノ動画メーカーのStrike 3 Holdingsは2017年以降に1万件超えの訴状を違法ダウンロード犯に送りつけており、年間数十億円を回収していると報じられています。一方でStrike 3 Holdingsの手法には「違法ダウンロード犯の特定手段が雑すぎる」という指摘も寄せられています。

Hiltzik: This porn company profits by shaming porn consumers - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/business/story/2023-12-12/column-this-porn-company-makes-millions-by-shaming-porn-consumers

インターネット上にはポルノ動画を違法に共有するコミュニティが存在しており、数多くの人々がポルノ動画を違法ダウンロードしているとされています。Strike 3 Holdingsは2017年以降に「被告がBitTorrent経由でポルノ動画を違法ダウンロードした」と主張する訴状を1万2440件以上提出しているとのこと。Strike 3 Holdingsは2023年に限っても3311件の訴状を提出しており、多いときには1日で60件の訴状を提出することもあります。


Strike 3 Holdingsが提出した訴状のほとんどは裁判に発展せず、被告が数千~数万ドル(数十万~数百万円)の和解金を支払って解決しています。被告が和解金を支払うのは「裁判に発展した際にポルノ動画を違法ダウンロードした人物として実名が公開されるのを嫌うため」と推測されています。

Googleで「Strike 3 Holdings」という語句で検索すると、Strike 3 Holdingsから訴状を受け取った人を対象にした法律事務所のページが大量にヒットします。このことからもStrike 3 Holdingsがいかに大量に訴状を提出しているかが伺えます。


弁護士のジョセフ・クリス・エドモンドソン氏はStrike 3 Holdingsが和解金だけで年間1500万~2000万ドル(約22億~30億円)の利益を得ていると推定し、和解金による利益が製品から得られる利益を超えている可能性があると指摘しています。

ポルノ動画メーカーが違法ダウンロード犯を提訴することには何の問題もありませんが、無実の人物を違法ダウンロード犯と誤認した場合は話が変わってきます。Strike 3 Holdingsがコネチカット州で起こした裁判では判事が「問題となっているコンテンツの性質を考慮すると、被告は訴状に心当たりがなかったとしても身元情報の一般公開を防ぐために和解を強制されてしまう可能性がある」と指摘しており、被告が無実であっても和解金を支払ってしまう可能性を問題視しています。

また、Strike 3 HoldingsはIPアドレスを根拠に違法ダウンロード犯を特定していますが、エドモンドソン氏は「複数人が暮らす家や集合住宅では多くの人がインターネット接続を共有しているため、IPアドレスから個人を特定するのは困難です」と指摘し、Strike 3 Holdingsの個人特定手法が雑すぎることを非難しています。実際にエドモンドソン氏はStrike 3 Holdingsが起こした訴訟に被告の弁護士として挑み、「Strike 3 HoldingsはIPアドレスから個人を特定することはできない」と主張して勝訴しています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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