メモ

電子書籍など購入したはずなのに「所有」していない場合は著作権侵害しても盗んだことにはならないという主張


電子書籍などのデジタルコンテンツは、一見購入して所有できているように見えても実際には配信プラットフォーム側に後からコンテンツを削除する権利があり、事実上「いつでも視聴できる権利をレンタルしている状態」になってしまっています。そうした現状において、重要な作品を保存するためにユーザー側が著作権を侵害してローカルにダウンロードする行為は「正義」であるという主張が登場しています。

There Is No Piracy Without Ownership - Aftermath
https://aftermath.site/there-is-no-piracy-without-ownership


Pluralistic: “If buying isn’t owning, piracy isn’t stealing” (08 Dec 2023) – Pluralistic: Daily links from Cory Doctorow
https://pluralistic.net/2023/12/08/playstationed/


2023年12月3日にPlayStationが「12月31日付けで1300本のデジタルコンテンツを削除する」とユーザーに通知しました。削除されたコンテンツを新たに購入できないのは当然ですが、既に購入済みだったユーザーのライブラリからもコンテンツを削除すると発表されており、特に返金などの対応も予定されていないためユーザーからの反発が起きています。

PlayStationが購入済みのデジタルコンテンツ1300本をユーザーのデジタルライブラリから削除 - GIGAZINE


かつてはカートリッジやレコード、DVDなどの物理的なメディアを購入してコンテンツを楽しむことが一般的でしたが、インターネットの発展に伴いコンテンツの流通方法が「永久に借りるという形態のストリーミング」や「コンテンツそのものではなくライセンスを購入するというデジタル購入」に移り変わっており、ユーザーが好きなコンテンツへアクセスする権利をコンテンツの著作権の保有者にいつでも差し止められてしまう危険が発生するようになりました。

ユーザー側の権利である「メディアの所有権」という概念が時代とともに変化しているため、コンテンツ提供側の権利である「著作権」についても時代に合わせて変化していく必要があるとゲーム系メディア「Aftermath」の共同創設者であるルーク・プランケットさんは述べています。


DVDやゲームディスク、カートリッジ、アルバムなどを違法にコピーした場合や、お金を払わずに電子版をダウンロードする行為は明確に海賊行為です。かつてはこのように海賊行為が非常に明確でしたが、現代では例えばプレイステーションの事件のように「購入したのに所有権がなく、確かに購入したはずだったのに手元から消えてしまう」という状況が発生しています。

こうした状況においてユーザーがコンテンツを守るためには手元にダウンロードするしかありません。プランケットさんは、購入したデジタルコンテンツを手元にダウンロードして保存する行為については、海賊行為ではないと判定するべきだと主張しています。

この話題を扱ったソーシャルニュースサイト「Hacker News」のコメント欄には「購入したはずのコンテンツを削除する詐欺師からコンテンツを取り戻すのは正義だ」と海賊行為を肯定するコメントや「社会契約があまりにも壊れているので海賊行為が横行しても不思議ではない」というコメントが寄せられました。

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