メモ

ロシアがイライジャ・ウッドやマイク・タイソンらをだまして反ウクライナのプロパガンダ動画を作成


ロシアはウクライナに対して、軍事力での侵攻と合わせて広範なサイバー攻撃を行っています。その一環として、俳優のイライジャ・ウッド氏をはじめとした有名人をだまして動画を撮影し、プロパガンダに利用していることがわかっています。

Russian influence and cyber operations adapt for long haul and exploit war fatigue - Microsoft On the Issues
https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2023/12/07/russia-ukraine-digital-threat-celebrity-cameo-mtac/


Celebrities tricked into recording videos made into anti-Ukraine propaganda
https://www.nbcnews.com/tech/misinformation/celebrities-tricked-cameo-videos-russia-ukraine-propoganda-elijah-wood-rcna128331

Elijah Wood, other actors unwittingly caught up in Russia propaganda effort - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/cameo-russian-propaganda-putin-zelensky-microsoft-report/

Microsoftの報告によると、被害を受けたのは俳優のイライジャ・ウッド氏、プリシラ・プレスリー氏、ディーン・ノリス氏、ケイト・フランネリー氏、ジョン・C・マッギンリー氏、ミュージシャンのシャヴォ・オダジアン氏、元ボクシングチャンピオンのマイク・タイソン氏。

工作員は、ユーザーが有名人にお金を払って個人的に短い動画を撮影してもらえるサービス「Cameo」を使用し、「薬物を乱用しているウラジーミル(Vladimir)氏に、周囲に助けを求めるよう忠告する動画」を入手。素材にメディアのロゴや絵文字、リンクなどを追加した上で、「ウクライナのゼレンスキー大統領が薬物中毒に苦しんでいる」かのように見せかける映像に加工してSNSで拡散しました。ウラジーミルはスラブ系民族によくある名前で、ウクライナではゼレンスキー大統領の名前である「ウォロディミル」などの形で使われます。

NBCニュースによれば、当該動画はロシアでFacebookに相当するSNSのVKやTelegramに繰り返しアップロードされており、拡散にあたって、「元動画はInstagramにアップロードされたもの」という誤った説明がなされているそうです。


さらに、VKやTelegramにアップロードされた動画をもとに、国営通信社のRIA Novosti、Sputnik、Russia-24などが報道を行い、まるでセレブたちがゼレンスキー大統領に助けを求めるように言っているかのような偽情報を広めているとのこと。

「ゼレンスキー大統領が薬物中毒」というのはロシアが長年SNSで拡散しているプロパガンダで、この映像のもとになった素材をCameoで見ることはできません。

ウッド氏の代理人は映像の元素材がCameoでリクエストを受けたものであることを認めた上で、「ゼレンスキー大統領に向けて送ることを意図したものではなく、ロシアやウクライナ、戦争ともまったく関係ないものです」とコメント。プレスリー氏の代理人も同様のコメントを述べています。

また、フランネリー氏の代理人は「ケイトは100%ウクライナを支持しており、大変腹立たしく思っています」とコメント。

Cameoで撮影した動画を音声なしで「ゼレンスキー大統領にリハビリ施設に行くように勧めた」というミュージックビデオ風の動画に加工されたタイソン氏は、代理人を通じて「出回っている動画は偽物です。マイク・タイソンは情報の提供や、そのようなコンテンツの作成に一切関与していません」とのコメントを発表しました。

この事態を受けて、ウッド氏とタイソン氏は一時的にCameoでのリクエスト受付を停止しています。

なお、Cameoの広報担当者は、コンテンツ作成者をだましてサービスを利用することはガイドライン違反であると指摘し、「Cameoでは通常、違反だとわかった場合、問題のあるコンテンツを削除し、購入者のアカウントを停止する措置を講じます」と述べたとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ロシアのウクライナ侵攻に関する正しい情報をロシア人に無作為に送るためのウェブサイトが登場、ロシア政府の情報統制に対抗 - GIGAZINE

ロシアによる「ウクライナがウソをついている」というフェイクニュースが爆増中 - GIGAZINE

ロシアで起きている真実よりも「ロシアの残虐行為を否定する真偽不明の情報」の方がFacebookでは人気があることが明らかに - GIGAZINE

YouTubeやTwitterはウクライナに対してロシアが流すプロパガンダの削除要請を無視しているとの指摘 - GIGAZINE

ロシアのウクライナ侵攻に関するフェイクニュースが増加するもTwitterのファクトチェック機能「Birdwatch」は役に立っていない - GIGAZINE

in メモ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.