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ロシアで起きている真実よりも「ロシアの残虐行為を否定する真偽不明の情報」の方がFacebookでは人気があることが明らかに


Facebookではロシアで起きている真実をありのまま投稿したコンテンツよりも、ロシアの残虐行為を否定するようなコンテンツの方が人気があると、人権の保護や過激主義・偽情報の取り締まりを推進する非営利団体のISDが報じています。

On Facebook, Content Denying Russian Atrocities in Bucha is More Popular than the Truth - ISD
https://www.isdglobal.org/digital_dispatches/on-facebook-content-denying-russian-atrocities-in-bucha-is-more-popular-than-the-truth/

ロシアがウクライナへ侵攻してから、インターネット上にはロシアによるウクライナでの残虐行為の数々をおさめた動画や写真が投稿されるようになりました。国際メディアがロシア軍のウクライナでの残虐行為の数々を大々的に報じたことで、ロシアは国際社会からますます孤立することとなったわけですが、これに対抗すべくロシアの国営メディアは「ロシアの残虐行為を否定するような偽情報」を流布しています。

ロシアによる「ウクライナがウソをついている」というフェイクニュースが爆増中 - GIGAZINE


このようなロシアによるフェイクニュースが実際にどのような影響をおよぼしたのかについて、ISDは2022年3月30日にロシアがウクライナのブチャへ侵攻してから、世界の20か国でFacebookに投稿されたコンテンツを分析するという調査を行いました。なお、調査対象となった20か国はオーストリア、キプロス、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、イギリス、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、アメリカ、ベネズエラです。

ISDは調査にソーシャルメディアモニタリングプラットフォームのCrowdTangleを利用。分析されたのは対象となる20か国で2022年3月30日から4月6日までの7日間でFacebookに投稿された、さまざまな言語で記された「Bucha(ブチャ)」という単語を含む投稿のうち、最も多く共有された投稿トップ10のみ。つまり、20か国分の200件の投稿のみが分析対象となったわけです。

その後、ISDは分析対象となった200件の投稿が「ロシア側メディアによる親ロシアのニュース」か「西側諸国の主要メディアが報じた正しい情報」かなどを調査。なお、ロシア側メディアによる明示的な偏見が見つからなかった場合であっても、報道内容が正しいものと確認できなかった場合は「親ロシアのニュース」に分類されています。

分析された200件の投稿のち、44件が「親ロシアのニュース」に分類され、このうち6件はロシアの国営メディアまたはロシア大使館に関連付けられたページに投稿されたものであったことが明らかになっています。また、44件の投稿のうち6つはロシアの国営メディアが投稿したもので、ベネズエラでは最も共有された投稿トップ10のうち3つがロシアの国営メディアによるものでした。以下は「ブチャ」を含む投稿のうち、ベネズエラで最も共有されたもの。


なお、44件の投稿が共有された国の内訳は以下の通り。


分析された投稿のうち55件(27.5%)は、西側諸国のメディアが報じるブチャで撮影された写真の正当性に疑問を投げかける内容でした。また、ブチャで行われた残虐行為について疑問を投げかける55件の投稿は、ブチャでの残虐行為を事実として扱う投稿よりも共有数がかなり多いこともわかっています。55件の投稿は合計で20万8416回シェアされているのに対し、残りの145件の投稿は合計で17万2063回しかシェアされていません。


分析された投稿のほとんどにはファクトチェックラベルが含まれておらず、ソースを参照するラベルが含まれている投稿はわずか2件のみ。また、この2件もFacebookが部分的または全体的にロシア政府の管理下にあると考えている出版社のものでした。


ISDは「ブチャで起きた虐殺の余波として、Facebook上でさまざまな情報戦争が巻き起こったことを目の当たりにしました。ファクトチェック、目撃者や生存者へのインタビュー、キーウ郊外で起きた残虐行為に対する現地レポートが広く報じられたにもかかわらず、Facebook上で最も多くシェアされたのは信ぴょう性に疑問がもたれるような投稿ばかりでした。これは、ブロガーや偽情報ページ、代替メディアが親ロシアの情報を増幅し、ソーシャルメディア上での情報戦争に関する言説を形作るうえで大きな成功を収めていることを示しています」と報じています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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