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ロシアによる「ウクライナがウソをついている」というフェイクニュースが爆増中


公益を目的としたアメリカの非営利報道機関のProPublicaが、新たに「ロシア側が『ウクライナ側のウソを暴く』というフェイクニュースを多数投稿している」と報告しました。これらのニュースは「ウクライナ側がウソをついている」という内容ですが、実際には「『ウクライナがウソをついている』とロシアがウソをついている」という構図です。

In the Ukraine Conflict, Fake Fact-Checks Are Being Used to Spread Disinformation — ProPublica
https://www.propublica.org/article/in-the-ukraine-conflict-fake-fact-checks-are-being-used-to-spread-disinformation

2022年3月4日、ウクライナの親ロシア派勢力・ドネツク人民共和国の幹部であるダニール・ベスソノフ氏が「ウクライナがどのようにしてフェイクニュースを作成しているか」というツイートを投稿しました。このツイートは上下に同じ映像を並べたもので、上側の映像には「ロシアがハリコフを侵略した際の映像だとウクライナが報じたもの」、下側の映像には「2017年に武器庫で起きた爆発火災」というキャプションが付けられており、ロシアのウクライナ侵攻に対してウクライナ側は過去の事故映像を用いたフェイクニュースを流布しているという内容でした。

Как делаются украинские фейки. pic.twitter.com/yKhlQG4rBr

— DaniilBezsonov (@DaniilBezsonov)


この主張は論旨が非常に明確で、筋がハッキリと通っているように見えます。しかしProPublicaによると、「そもそもウクライナがこの映像を今回の侵攻ものとして報じたという証拠がほぼない」とのこと。つまり、上述の「ウクライナ側のフェイクニュースを暴く」という投稿は、実際には「『ウクライナ側がフェイクニュースを報じている』とするフェイクニュース」ということです。


ProPublicaがアメリカ・クレムソン大学の研究チームと共同で行った調査によると、このような「ウクライナのフェイクニュースを暴く」と称するムービーは少なくとも12本存在し、秘匿性の高さからロシア・ウクライナで急速にユーザー数を伸ばすメッセージアプリ・Telegramの親ロシア派チャンネル全体で100万再生もされているとのこと。

このようなムービーがロシア側のフェイクと断定できる理由については、「メタデータ」の存在があります。メタデータには作成日時や編集日時、編集に用いられたソフトウェアの種類などの情報が格納されており、全く同一のムービーを2つ並べて『ウクライナの報道は過去にもあった』と主張するムービーが少なくとも2本確認されているそうです。

ProPublicaによると、ロシア側が行っている作戦は、このようなフェイクムービーをSNSに投稿して話題を集めておき、「このような映像がSNSで話題を集めています」と国営テレビで報じることとのこと。実際に、2022年3月9日にはロシア大使館が同種の主張を行うツイートを投稿していますが、これはTwitterによってフェイクニュースと認定されています。

ロシア大使館による「ウクライナのマリウポリ病院爆撃の画像はニセモノだ」というツイートをTwitterがポリシー違反と判断して削除 - GIGAZINE


国内においてロシアのプロパガンダはさらに苛烈で、ロシア国営テレビが「ウクライナにおける『特別作戦』は順調に進んでいる」「ロシアが民間人を砲撃しているというウクライナ側の報道はロシアの国際的地位を毀損するためのフェイクニュースキャンペーン」などの報道が行われているとのこと。

とはいえ、実際にウクライナ寄りの報道の中にもフェイクニュースが存在しています。例えばウクライナ空軍のエース「キエフの幽霊」がロシア機6機を撃墜したという映像は、シミュレーションによるものだと判明しています。

ロシア機6機を撃墜したというウクライナ軍のエース「キエフの幽霊」の撃墜映像はシミュレーション - GIGAZINE

by Tech. Sgt. Charles Vaughn

上記のニュースはSNSによって拡散されたものであるため、ウクライナ側が報じたとは断定できません。しかし、いずれにせよロシア側とウクライナ側の双方のプロパガンダが過熱しているとProPublicaは主張しています。

そして、ProPublicaが問題視しているのがロシア政府によるプロパガンダです。ロシア政府は「ウクライナは生物兵器を開発している」「ウクライナの生物兵器開発にはアメリカが関与している」というプロパガンダを繰り返しており、2022年3月11日にはロシアの常任理事国権限によって国連安全保障理事会で会合が開かれる事態にまで発展しています。

ロシアが米の生物兵器疑惑主張、11日に安保理会合=外交筋 | ロイター

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in メモ, Posted by log1k_iy

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