ネパールが「調和を乱す」としてTikTokを禁止する
2023年11月11日、ネパール政府がソーシャルメディアアプリの「TikTok」を禁止することを決定しました。禁止措置の引き金になった直接の原因は明かされていませんが、ネパールのナラヤン・プラカシュ・サウド外相は「社会の調和を乱すものを規制する必要があった」と説明しています。
Nepal bans TikTok and says it disrupts social harmony | AP News
https://apnews.com/article/nepal-tiktok-ban-social-media-854846a42ef566fa296ddaacd0099447
Nepal bans China’s TikTok for ‘disturbing social harmony’, in move critics say will stifle free speech | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/asia/south-asia/article/3241399/nepal-ban-chinas-tiktok-disturbing-social-harmony-move-critics-say-will-stifle-free-speech
ネパール政府はTikTokについて「直ちに禁止される」と話しています。政府は国民への説明責任をTikTokに果たさせるため、ネパールに連絡事務所を開設するようTikTok側に求めているとのこと。
サウド外相は「政府はTikTokを禁止することを決定しました。社会の調和や親善を乱し、わいせつなものを流しているソーシャルメディアプラットフォームの使用を規制する必要があったためです」と話しました。
この決定が公表されてから数時間後、TikTokでは禁止に関する動画が数千回再生されたと伝えられています。AP通信などがTikTokにコメントを求めていますが、返答はないとのこと。
ネパール会議派のガガン・タパ党首は「政府の意図は表現の自由を抑圧することにあるようだ」と決定に懐疑的。「ソーシャルメディアを乱用する人々を阻止する規制は必要だが、規制の名の下にソーシャルメディアを閉鎖するのは完全に間違っています」との意見をXに投稿しました。
地元メディアの報道によると、ネパールでは過去4年間にTikTok関連のサイバー犯罪事件が1600件以上発生しているとのこと。TikTokはFacebook、WhatsApp、Instagramに後塵を拝していますが、若年層における成長率は競合他社を大きく上回っています。マーケティング会社のWe Are Socialによると、TikTokは世界で6番目に利用されているソーシャル・プラットフォームです。一方、若者への精神的影響や、中国への情報流出の懸念から、TikTokを禁止する地域もあります。
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