サイエンス

「健康に最適な1日あたりのコーヒー摂取量」をアメリカ心臓協会が発表


コーヒーや緑茶などに含まれているカフェインは世界で最も広く消費されている向精神物質のひとつであり、さまざまな健康状態にも影響を与えます。新たに、心血管系の医学研究への資金提供や健康的な生活についての啓蒙活動を行うアメリカの非営利団体・アメリカ心臓協会(American Heart Association)が、「健康に最適な1日あたりのコーヒー摂取量」についての声明を発表しました。

Caffeine and Cardiovascular Disease: A Scientific Statement From the American Heart Association | Circulation
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIR.0000000000001454

Coffee and heart health: How many cups of caffeinated coffee are safe to drink each day? | American Heart Association
https://newsroom.heart.org/news/coffee-and-heart-health-how-many-cups-of-caffeinated-coffee-are-safe-to-drink-each-day

American Heart Association Reveals The Optimal Daily Cups of Coffee For Your Health : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/new-review-from-american-heart-association-reveals-the-optimal-daily-cups-of-coffee-for-your-health

カフェインには覚醒作用や解熱鎮痛作用などがありますが、摂取しすぎると健康に悪影響が及ぶことが知られています。また、短時間で多量のカフェインを摂取すると動悸(どうき)や吐き気、不整脈などを伴う急性カフェイン中毒になるケースもあります。

アメリカ心臓協会は、血圧・コレステロール値・代謝性疾患・心血管リスクなどとカフェインの関係について調査した一連の研究結果を分析し、健康に最適な「1日あたりのコーヒー(カフェイン)摂取量」を調べました。

その結果、アメリカ心臓協会は「最新の研究結果に基づくと、1日あたり最大400mgのカフェイン摂取、つまり砂糖・甘味料・香料・添加物を含まない通常のブラックコーヒー(8オンスカップ、約237ml)を1日3~5杯まで摂取することは、ほとんどの成人にとって安全であると考えられています」「砂糖・香料・クリームなどを加えずにカフェイン入りのコーヒーを摂取することは、2型糖尿病・心臓病・脳卒中・心不全・一部の不整脈のリスク低下と関連しています」と結論付けました。


人間が摂取したカフェインは肝臓で代謝され、ほとんどの人では摂取から1時間以内に血中濃度がピークに達します。しかし、カフェインの代謝速度は遺伝・代謝・年齢のほか、過去のカフェイン摂取量によっても異なります。カフェインを豊富に含む飲料を定期的に摂取すると、カフェイン耐性が高まるケースがあるほか、同量のカフェインによる覚醒効果にも個人差があります。アメリカ心臓協会はカフェインが健康に及ぼす影響について、以下のようにまとめています。

・血圧への影響
血圧が正常な人では1日に1~3杯のコーヒーを飲むと高血圧のリスクが高まる一方、1日3杯以上飲むとリスクが低下します。しかし、エナジードリンクのように高濃度のカフェインを含有する飲料を飲むと、特に高血圧の人では血圧が著しく上昇するとのことです。

・2型糖尿病への影響
習慣的なコーヒー摂取と2型糖尿病のリスク低下には、一貫した関連性が示されています。1日3杯以上のコーヒーを飲む女性では飲まない女性に比べて2型糖尿病リスクが27%低いとの研究結果や、1日にコーヒーを5杯以上飲む人では2型糖尿病リスクが30%低いという研究結果が報告されています。

・コレステロールへの影響
無作為化臨床試験のデータによると、カフェイン入りコーヒーとカフェインレスコーヒーの両方に含まれる成分であるカフェストールは、悪玉コレステロール値の上昇と関連しているとの結果が示されています。なお、カフェストールはろ過されていないエスプレッソやフレンチプレスに含まれており、ペーパードリップでろ過されているコーヒーやインスタントコーヒーにはほとんど含まれていません。

・心血管疾患への影響
30件の研究を対象としたメタアナリシスでは、1日あたり最大3.5杯のコーヒー摂取が冠動脈疾患のリスクを約10%低下させることに関連付けられています。また、別の研究では1日に最大5杯のコーヒーを飲むことは冠動脈疾患のリスク低下と関連しており、最適な量は1日2~3杯であることも示されています。また、 1日に2~4杯のカフェイン入りコーヒーを飲むことは、心臓病・心不全・脳卒中のリスク低下と関連付けられているとのことです。


また、カフェインの摂取源にも注意を払う必要があります。コーヒーや紅茶にはカフェイン以外にも、健康にいい抗酸化物質やその他の化合物が多量に含まれています。一方、エナジードリンクにはカフェインだけでなく糖分やその他の不健康な成分も多量に含まれており、カフェイン摂取量だけを見れば同じでも、健康に与える影響が異なる可能性があると指摘されています。

声明執筆グループの代表であるカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部のグレゴリー・マーカス教授は、「研究によると、カフェインの摂取は一部の人にとって心血管系の健康に有益な効果をもたらす可能性があるものの、安全なカフェイン摂取には万人に当てはまる方法はないことを覚えておくことが重要です」「自分の体がカフェインにどのように反応するかに注意を払い、自分にとって何が適切かを医療チームと相談することが大切です」と述べました。

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in サイエンス,   , Posted by log1h_ik

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