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「YouTube TVはケーブルテレビより600ドル安い」という広告の配信停止にGoogleが合意


「ケーブルテレビより年間600ドル(約9万円)安い金額でYouTube TVに加入できる」との広告で自社のサービスを宣伝していたGoogleに対し、当該広告の主張を取り下げるよう勧告が言い渡されました。Googleはこれに従い、広告を修正または中止することを明らかにしています。

NARB Recommends Google Discontinue Claim that YouTube TV Service is “$600 Less Than Cable”
https://bbbprograms.org/media-center/dd/narb-google-youtube-tv

YouTube TV, which costs $73 a month, agrees to end “$600 less than cable” ads | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/10/youtube-tv-which-costs-73-a-month-agrees-to-end-600-less-than-cable-ads/

Googleはアメリカ国内限定のサブスクリプションテレビサービス「YouTube TV」を展開しています。これは月額72.99ドル(約1万1000円)でFOXやNBCなどのテレビ番組を視聴できるサービスで、スポーツやニュース番組をライブまたはオンデマンドで楽しむことができます。


GoogleはYouTube TVを「ケーブルテレビより600ドル安い」と宣伝していたのですが、これに対しケーブルテレビを運営するCharterが「不正確な数字である」として異議を申し立て、全米広告監視機構(NAD)に判断を委ねました。

Charterは「せいぜい年間219ドル(約3万3000円)安くなるだけだ」と主張し、Googleは「市場調査会社のデータに基づく正確なものだ」と反論していたのですが、これについてNADは「YouTube TVとケーブルテレビの価格はより正確に比較されなければならない」との意見を示し、Charterに有利な判断を下しました。

NADによると、Googleは「セットトップボックス」などの周辺機器も含めたケーブルテレビの価格を基準としていて、セットトップボックスを必要としないオプションを提供するCharterのようなプロバイダーとは単純に価格を比較することができないとのこと。

さらに、YouTube TVと他のケーブルテレビが展開するサービスの質はまったく異なるという点も、単純比較に適さない要因であるとみなされました。例えば、一部のケーブルテレビは地元スポーツチームの試合を放送しますが、YouTube TVは放送しません。


NADは、「ケーブルテレビと比較するような広告を出すと、視聴者は『YouTube TVはケーブルテレビとまったく同じチャンネルを放送しているのだな』と信じてしまう。こう考えるのが合理的である」との判断を示し、広告配信を中止するよう勧告しました。

Googleは「視聴者は異なるサービスの違いについて明確に理解しているはずだ」と反論し、全米広告審査委員会(NARB)に上訴していたのですが、2023年10月11日、NARBがGoogleの主張を退ける判断を下しました。


NARBはNADの判断に同意し、やはり単純比較は不適切であるとの見方を示しています。GoogleはNARBの判断に従う意向を明らかにして、「広告の主張を修正または中止するつもりだ」と発表しました。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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