「壊れにくいSSDはどれ?」3144台のSSDを管理するBackBlazeが「メーカー・モデル別統計データ2023年中間レビューSSD版」を公開
クラウドストレージサービスを展開するBackBlazeは、自社で管理するHDDやSDDの故障状況をまとめたレポートを定期的に公開しています。2023年9月26日には、SSDの故障状況をモデル別にまとめたレポートの2023年中間報告版が公開されました。
The SSD Edition: 2023 Drive Stats Mid-Year Review
https://www.backblaze.com/blog/ssd-edition-2023-mid-year-drive-stats-review/
BackBlazeは2023年6月30日時点で3144台のSSDをクラウドストレージサーバーのブートドライブとして運用しています。各SSDは「システムの起動」「ログファイルや一時ファイルの保存」などに使われており、サーバーの活動状況に応じて読み取り、書き込み、削除が毎日実行されています。
2023年第1四半期(1月~3月)のSSD故障状況をまとめた表が以下。Crucialの「CT250MX500SSD1」が2台、Micronの「MTFDDAV240TCB」が1台、Seagateの「SSDSCKKB240GZR」が1台、Seagateの「ZA250CM10003」が1台、Western Digitalの「WD Blue SA510 2.5」が1台、Western Digitalの「WDS250G2B0A」が1台故障しました。このうちSeagateの「SSDSCKKB240GZR」は829.55%というが非常に大きな年換算故障率(AFR)を記録していますが、これは「『SSDSCKKB240GZR』を2台稼働させたら、2台中1台が稼働開始直後に故障した」という条件がそろったことで大きな値がでただけとのこと。BackBlazeはSSDの故障しやすさを正しく評価するには少なくとも同一モデルを100台用意して合計1万日稼働させる必要があると指摘しています。
2023年第2四半期(4月~6月)のSSD故障状況をまとめた表が以下。Crucial「CT250MX500SSD1」が2台、Seagateの「ZA250CM10002」が2台、Western Digitalの「WDS250G2B0A」が4台故障しました。
以下のグラフは、SSDメーカー別の年換算故障率(AFR)をまとめたもので、青色のバーは全期間のAFR、赤色のバーは直近60日間のAFRを示しています。BackBlazeはMicronの直近60日間のAFRが顕著に高いことに着目し、「グラフの背後にあるデータをもっと掘り下げる必要がある」と指摘しています。
2018年10月1日~2023年6月30日までのSSDの故障状況をまとめた表が以下。一見すると表から故障しやすいSSDを判断できるように思えますが、「稼働台数が少ないSSD」「稼働期間が短いSSD」など信頼度の低いデータも含まれているため、この表をもとに故障しやすいSSDを判断することはできません。
BackBlazeは信頼区間が1%以内に収まるデータを「SSDの故障しやすさを判断するのに適したデータ」だと考えているとのこと。信頼区間が1%以内に収まるデータだけに絞って作成した表が以下。Dellの「DELLBOSS VD」は年換算故障率(AFR)が0%で非常に壊れにくいSSDと言えるようです。ただし、DELLBOSS VDは一般ユーザー向けのSSDではないため入手は困難です。
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