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SSDの故障率をまとめた統計データ「メーカー・モデル別統計データ2022年版」をBackBlazeが公開


長期間にわたって多数のHDDとSSDを自社データセンターで運用しているBackblazeは、毎年四半期ごとにどのメーカーのHDDが故障しやすいかをまとめた統計データを公開しています。そんなBackblazeが、SSD関連の統計データをまとめた「メーカー・モデル別統計データ2022年版」を公開しました。

The SSD Edition: 2022 Drive Stats Review
https://www.backblaze.com/blog/ssd-edition-2022-drive-stats-review/


Backblazeは2018年第4四半期からストレージサーバーのブートドライブとしてSSDを利用するようになりました。以後、すべての新しいサーバーとHDDブートドライブに障害が発生したサーバーではSSDが利用されています。2022年12月31日の時点で、ストレージサーバーのブートドライブとしてBackblazeで使用されているSSDの数は2906台で、13種類のSSDが運用されていました。

以下は2022年に運用していたSSDの詳細なデータです。運用している2906台のSSDのうち、1104台はSeagate「ZA250CM10003」です。故障発生件数は8件で、故障率は0.73%でした。同じくSeagateの「ZA250CM10002」は554台運用され、故障発生件数は11件、故障率は1.98%と比較的高い故障率でした。またCrucial「CT250MX500SSD1」は488台の運用で故障数は3件、故障率は1.04%でした。Micron「MTFDDAV240TCB」は89台、PCleスロットに取り付けられたM.2 SSDは106台、WDC「WDS250G2B0A」は89台の運用で、それぞれ故障発生件数は1件でした。なお、その他のモデルで故障は発生しませんでしたが、Backblazeは「これらのモデルは運用が開始されてから1万日未満と日が浅いため、故障率について信頼できる予測を行う十分なデータがありません」と述べています。


以下は2020年から2022年までの3年間のデータです。2020年は累計28万1798日稼働で故障率は0.39%でしたが、2021年は稼働日数が62万7843日に増え、故障率は1.05%に増加しました。一方で2022年は93万4441日稼働と2021年よりも増加したにもかかわらず、故障率は0.98%と微減しました。2021年の故障率が43.22%と高かったCrucial「CT250MX500SSD1」について、BackBlazeは「2021年にいくつか初期の障害が発生しましたが、2022年になってうまく回復しました」と振り返っています。また、2022年にはSeagate「ZA250CM10003」や「ZA500GM10001」「ZA250NM110」、WDC「WD Blue SA510 2.5」を導入し、2022年12月31日の時点で故障は発生していませんが、故障率の高さを判断するためには運用日数が不足しているとのこと。


以下はSSDの月別平均温度です。月平均6万7724件の測定があり、SSD温度は34.4℃から35.4℃の間と、比較的安定した温度で推移しました。


以下はSSDの温度別測定数です。平均温度は39.4℃、中央値は35℃、最頻値は35℃でした。また、BackBlazeは故障したSSDに関しても温度測定を行いましたが、故障発生件数が25件と少数のため、公表されていません。


2018年第4四半期から2022年12月31日までの故障発生の累計を示した表が以下。累計故障率は2021年末時点で1.04%でしたが、2022年末時点で0.89%と微減しています。また、BackBlazeは運用開始から日が浅いモデルを含めたすべてのSSDの信頼区間が1.0%以下になることを望んでおり、この基準を満たしたSSDはM.2規格のDell「DELLBOSS VD」の0.00%やSeagate「ZA250CM10003」の0.66%、同じくSeagate「ZA250CM10002」の0.96%の3モデルだけです。


なお、今回の統計で使用されたデータセットは以下のページから確認できます。

Backblaze Hard Drive Stats
https://www.backblaze.com/b2/hard-drive-test-data.html

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in ハードウェア, Posted by log1r_ut

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