ウェブ開発の未来を左右するかもしれない大規模アンケート「State of HTML 2023」がスタート
ウェブ開発者を対象にHTMLの使用状況について調査するアンケートプロジェクト「State of HTML」が開始しました。このプロジェクトはGoogleとニジボックスによる協賛を得ており、ブラウザ開発におけるロードマップの優先順位にも影響を与えるとのことです。
State of HTML
https://stateofhtml.com/ja-JP/
State of HTML 2023 now open! • Lea Verou
https://lea.verou.me/blog/2023/state-of-html-2023/
ウェブ開発において、HTMLはJavaScriptやCSSと並んでよく使われる言語であり、さらにさまざまなウェブサービスやウェブページの基盤として機能しています。World Wide Webの国際標準化団体・World Wide Web Consortium(W3C)によって標準化されるHTMLは1989年にティム・バーナーズ=リーによって考案されてから改定が重ねられ、さまざまな要素や機能が追加されています。
State of HTMLは、W3Cの参加者でコンピューター科学者であるレア・ヴェロウ氏が主導するプロジェクトです。ヴェロウ氏は「私たちは、調査するのに十分な機能がHTMLにあるかどうか不安を抱きながらこのプロジェクトを進めましたが、フタを開けてみるとその逆であることがすぐにわかりました。トレードオフをはかりにかけ、何をカットするかを決定するため、私たちは開発者コミュニティだけでなく、ブラウザや標準化団体、コミュニティグループなどに相談しました」とコメントしています。
State of HTMLでは全部で131問もの質問が用意されており、その内容の多くがHTMLの機能でも最先端にあたるものについてだそうです。ヴェロウ氏は「絶対に!一度で完璧に記入する必要はありません。アカウントを作成すれば、アンケートの公開期間中であればいつでも回答を編集でき、複数のデバイスで回答を分割することができます」と注意を促しました。
また、中にはJavaScriptに関する質問もあるとのことで、ヴェロウ氏は「多くのJavaScript APIは本質的にHTMLと関連しています。そのため、HTMLを動的に操作するために使用されるAPIや、ウェブコンポーネントAPI、ウェブアプリを開発するために使用されるAPIについての質問を盛り込んでいます」と述べています。
言語は英語だけではなく日本語やスペイン語、ドイツ語、フランス語など多くの言語に対応していますが、翻訳はコミュニティによって取り組まれているため、完全ではないとのこと。記事作成時点だと日本語は回答部分のみが翻訳されている状態でした。
State of HTMLの結果はHTMLの開発を進める上で参考にされるとのことで、ヴェロウ氏は「ブラウザーベンダーが開発ロードマップに優先順位を付けて、互換性の向上に取り組むのにも役立つため、時間をかけて慎重に回答することは10倍の利益をもたらす可能性があります」と述べています。
なお、State of HTMLのアンケートには以下のページからアクセスできます。
State of HTML
https://stateofhtml.com/ja-JP/
本記事に関連するフォーラムをGIGAZINE公式Discordサーバーに設置しました。誰でも自由に書き込めるので、どしどしコメントしてください!
• Discord | "HTMLの未来を左右するアンケート「State of HTML 2023」回答した?" | GIGAZINE(ギガジン)
https://discord.com/channels/1037961069903216680/1156198811572641863
・関連記事
HTMLだけでスマートフォンのカメラにアクセスするクールな方法 - GIGAZINE
閲覧中のウェブページ全体を単一のhtmlファイルとしてダウンロード&注釈付けも可能な「SingleFile」レビュー - GIGAZINE
ホワイトハウス公式サイトのHTMLソースに隠しメッセージが発見される - GIGAZINE
HTML/CSSで絵を描く猛者が作品を公開中 - GIGAZINE
無料でAES256で暗号化された静的HTMLページを簡単に作成できる「StatiCrypt」 - GIGAZINE
HTMLとCSSで3D空間を作成、カメラを動かして空間内を動き回ることも可能にした「CSS FPS」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ