人型ロボットを年間1万台生産できる世界初の人型ロボット大量生産工場が建設される

二足歩行ロボ「Digit」の開発などで知られるアメリカのベンチャー企業「Agility Robotics」が、2023年後半にアメリカ・オレゴン州で人型ロボットの稼働を始めることを発表しました。Agility Roboticsによると、年間1万台以上の人型ロボットが生産可能とのことです。

Opening RoboFab: World’s First Factory for Humanoid Robots  — Agility Robotics
https://agilityrobotics.com/news/2023/opening-robofab-worlds-first-factory-for-humanoid-robotsnbsp

Announcing RoboFab, World's First Factory for Humanoid Robots - YouTube

Agility Robotics is opening a humanoid robot factory
https://www.cnbc.com/2023/09/18/agility-robotics-is-opening-a-humanoid-robot-factory-.html

Agility Robotics will mass-produce humanoid warehouse robots in new Oregon factory – GeekWire
https://www.geekwire.com/2023/agility-robotics-will-mass-produce-humanoid-warehouse-robots-in-new-oregon-factory/

2023年後半から稼働が開始される予定のAgility Roboticsの新工場「RoboFab」について、Agility Roboticsの創設者兼CEOであるダミオン・シェルトン氏は「RoboFabの開業は、商用人型ロボットを大量生産するという、ロボット工学の歴史上極めて重要なターニングポイントです」と述べています。

RoboFabでは、同社の二足歩行人型ロボット「Digit」が生産される予定です。DigitはAgility Roboticsとフォードが共同開発したロボットで、荷物を持ったままの階段の上下や荷物の積み卸し、狭いスペースでしゃがむなどの動作が可能。Digitの詳細は以下の記事で確認できます。

「完全無人宅配」実現に向け玄関まで荷物を運ぶ二足歩行ロボ「Digit」をフォードが発表 - GIGAZINE

Agility Roboticsのアインドレア・キャンベルCOOによると、RoboFabが最大効率で稼働した場合、工場で製造できるロボットの数は年間で最大1万台に上るとのこと。また、工場では500人以上の従業員が働くとともに、材料や部品の運搬にDigitが導入されています。

キャンベル氏は「世界初の人型ロボット工場であるRoboFabは、いつの日か自動車と同じように人型ロボットが当たり前に存在する先駆けの役割を果たす可能性があります」と述べています。

RoboFabで製造された人型ロボットは、2024年から一部の顧客への発送を開始し、2025年から一般販売が行われる予定です。シェルトン氏は同社の人型ロボットについて「Digitのような人型ロボットが、従業員のけがや燃え尽き症候群を防ぎ、離職率の上昇や労働力不足など、現代の労働環境におけるさまざまな問題を解決してくれることを目標として開発を進めています」と報告しています。