トヨタの車両工場が稼働を停止した原因は作業用ディスクの容量不足
2023年8月末にトヨタ自動車の生産指示システムに不具合が発生し、国内工場の稼働が停止した問題で、原因は「サーバーの定期保守作業中に作業用ディスクの容量が不足したこと」だったことが報告されています。
先月の生産指示システムの不具合について | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/39732550.html
Toyota says filled disk storage halted Japan-based factories
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/toyota-says-filled-disk-storage-halted-japan-based-factories/
2023年8月29日朝、トヨタの生産指示システムに不具合が発生し、国内の14工場28ラインのうち、12工場25ラインが停止。夕方には残っていた2工場3ラインも停止して、国内にあるトヨタの車両工場すべての稼働が停止する事態となりました。
トヨタ自動車の国内14の車両工場すべてが稼働を停止、復旧のめど立たず 30日以降は検討中 (23/08/29 17:52) - YouTube
当初からトヨタは「サイバー攻撃ではないとみられる」との認識を示していましたが、改めて、「ディスク容量不足」が原因であったことを明らかにしています。
トヨタの報告によると、2023年8月27日に部品の発注処理を行うサーバーの定期保守作業を実施した際、データベースのデータ削除と整理を行うにあたって用いた作業用ディスクの容量が不足していたため、作業途中でエラーが発生したとのこと。メインサーバーとバックアップが同一システムで動いていたため、バックアップも同様のエラーで停止してしまい、工場全体も停止せざるを得ない状態になりました。
トヨタは再現検証によって問題の原因を特定できたこと、また、容量の大きいサーバーにデータを移すことで問題を解消したことを報告しています。
なお、IT系ニュースサイトのBleeping Computerは、トヨタでは2023年5月にデータベースの設定ミスによって10年にわたり顧客の車両位置情報が誰でもアクセスできる状態になっていたり、アプリのAPIやサプライヤーのポータルに欠陥があって機密データに不正アクセスできる状態になっていたりと、2023年はITシステムのセキュリティとデータ管理の面でよく問題に見舞われる年になっていると指摘しています。
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