マクドナルドのソースをめぐる口論で16歳の少女が刺殺される

日本ではマクドナルドの略称が「マック」か「マクド」かで出身地の異なる人同士で言い合いになることがありますが、マクドナルド発祥地のアメリカで「ソースをめぐり10代の若者が殺人を犯す」という事件が起きました。

Teen stabbed to death in McDonald's fight | wusa9.com
https://www.wusa9.com/article/news/crime/teen-stabbed-death-mcdonalds-14th-street-u-street-nw/65-d98f2a2e-8f76-4138-a72f-1c322d56abd6

16-year-old girl stabbed to death by another teen during McDonald's sauce dispute - CBS Sacramento
https://www.cbsnews.com/sacramento/news/mcdonalds-stabbing-sauce-naima-liggon-washington-dc-waldorf-maryland/

アメリカ・ワシントンD.C.のノースウェストで、2023年8月27日(日)の早朝にマクドナルドの外で16歳の少女が刺されて死亡したと発表しました。地元警察によると、27日2時10分頃に16歳の少女が刺し傷を負って病院に来院したと通報があり、その後、少女は死亡したそうです。

地元警察は捜査の結果、被害者の少女はマクドナルドの外に停められた車の中で別の10代の少女との喧嘩中に刃物で刺されたことが明らかになったと発表しました。なお、事件があったのはノースウェストの「14th Street NW」と「S St NW」の交差点にあるマクドナルドでした。


その後、被害者がメリーランド州ウォルドルフ出身のナイマ・リゴン氏であることが特定されています。地元警察によると、リゴン氏は友人と一緒にマクドナルドへ行き、メニューを注文し、事件の起きた車に乗ったそうです。その際、リゴン氏らは購入したソースをめぐり口論になり、刺殺事件が起きた模様。

リゴン氏が通っていたウォルドルフにあるトーマス・ストーン高校のシャニフ・パール校長は、生徒・保護者・教員に向けて「今、我々の学校コミュニティは悲痛で悲劇的な時を過ごしています。これは校長として決して伝えたくないニュースであり、新学期が始まる前日にこのようなことを伝えなければいけないのは残念です」と、事件に関するメッセージを伝えました。なお、トーマス・ストーン高校は今回の事件によ生徒への影響を鑑み、カウンセラーやスタッフを追加で配置する予定です。

そして事件が発生した27日午後、ウォルドルフ出身の匿名の16歳の少女が逮捕され、第二級殺人罪で起訴されました。警察によると、逮捕時少女はナイフを所持していたそうです。翌日の28日(月)、法廷で逮捕された少女は「刺したのは正当防衛であり、喧嘩中にリゴンと別の人物に地面に叩きつけられた」と主張しています。これに対して、裁判所は裁判が終わるまで少女を少年院に留置するよう命じました。

リゴン氏の遺族は以下の声明を発表しています。

「ナイマは美しく、賢く、面白く、人生を愛するユニークな少女でした。彼女は多くの人に愛され、尊敬されていました。ナイマは音楽と芸術、バスケットボールが大好きで、美容師を目指していました。ナイマはクリスピークリームドーナツに採用されたばかりで、運転免許を取得するための準備を進めているところでした。」

「この無意味な喪失の影響は我々の家族、友人、コミュニティに影響を与えています。ナイマはプロムや卒業式を経験することは決してありません。彼女が大学を卒業したり、結婚したり、子どもを産んだりすることはできません。」

「子どもの親御さんへのメッセージがあるとしたら、「子どもたちに愛を持って接してください」ということです。子どもが玄関から出ていくとき、愛をしっかりと伝えてください。いつ子どもたちと会うのが最後になるのかわかりません。私たちはナイマを愛していますし、彼女がいなくなることを信じられないほどさみしく感じるでしょう。彼女は私たちの心に永続的な痕跡を残しました。私たち家族とナイマの友人たち、そして命を落とした若い女性のご家族のために祈ります。」

なお、ワシントンD.C.警察の犯罪統計によると、同地区での殺人事件発生率は前年同期比で26％増となっており、8月末時点で2023年には172人が殺害されているそうです。ワシントンD.C.では暴力犯罪全体の発生率も増加しており、前年同期比で38％増となっています。