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「YouTubeショートのアルゴリズムが普通の動画のアルゴリズムとどう違うのか」「再生回数として何がカウントされるのか」など、ショート動画のクリエイターをガイドするための洞察をYouTube公式が公開


動画共有サイトのYouTubeでは、最長60秒の縦型の動画を投稿できる「YouTubeショート」機能が2021年頃から追加されています。そんなショート動画のアルゴリズムが普通の動画のアルゴリズムとどう異なるかなどについて、YouTubeショートのプロダクトリーダーを務めるトッド・シャーマン氏が解説しています。

YouTube Shorts Algorithm — Explained! - YouTube


Rene’s Top Five on YouTube: August 24, 2023 Edition
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シャーマン氏は「ショート動画と長い動画のアルゴリズムはそれぞれ異なります」と述べています。長い動画の場合、ユーザーはスマートフォンやウェブ上で動画を選択して再生を行い、その動画が選択された時点でエンゲージメントを獲得します。一方でショート動画の場合、自動的に再生されるショート動画に対してユーザーは次々とフィードをスワイプして好みの動画を見つけます。そのためショート動画と長い動画における再生数などは異なる方法で測定されているとのこと。

また、動画共有プラットフォームごとにカウントの方法は異なりますが、YouTubeでは、ユーザーがその動画を視聴する意図をくみ取って、視聴することを決めた何らかの意味のあるしきい値を測定しています。そのためフィード上でスワイプされたすべてのショート動画が視聴された動画としてカウントされているわけではありません。


シャーマン氏は「あるショート動画を明確に視聴するアクションを取った場合と、フィード上で見つけた場合とは測定方法が異なるだけでなく、どれだけの時間視聴されたかなどもインプレッションに影響します」と述べています。しかし、 「新しいインタラクションがあるたびに微調整する可能性があるため、ユーザーによって操作されたくない」 という理由で、YouTubeはショート動画におけるインプレッションの測定方法を公開していないそうです。

さらに、ショート動画で数多くのインプレッションを得るための最適な秒数がないことも語られています。

YouTubeショートに設けられている「最長60秒 」という制限について、シャーマン氏は「YouTubeには素晴らしい動画が無数にあることから、現段階では60秒を超えるショート動画を導入する予定はありません」と述べ、制限の撤廃を否定しました。またショート動画においてほとんどのサムネイルが表示されないことから「ショート動画におけるカスタムサムネイルの開放」についても導入予定がないことが報告されています。


加えてシャーマン氏は「ショート動画を投稿する時間帯でインプレッション数が変化するのか」について「投稿する時間帯よりもコンテンツに対するタイムリーさが重要です」と語り、投稿する時間帯で視聴される回数が変化することはないと明かしています。

YouTube上では注目を集めるために1日に10本以上のショート動画を投稿しなければならないと考えているユーザーもいるとのこと。一方で大量に動画を投稿しても何らかの秘密の機能が解放されるわけではありません。それよりも投稿する動画の数を絞り、クオリティの向上に努めるべきであることが推奨されています。


また、「投稿したショート動画の人気が出ない場合、削除して人気が出るまで再投稿し続ける」という手法については推奨されていません。その理由についてシャーマン氏は、削除や再投稿を続けるとYouTube上でスパムと判断される可能性があることを明かし、「もしも思い通りのインプレッション数などが得られなかった場合には、そこから学んでより良いバージョンの動画を作成すべきです」と述べています。

YouTubeショートと通常の動画間で共食いが発生しているのではないかという懸念について、YouTubeは「30秒のショート動画で見た方が楽しい動画もあれば、12分の動画で見た方が楽しい動画もあり、その点では両者は異なるニーズを満たしています」との見解を示しています。


シャーマン氏はYouTubeショートについて「YouTubeショートは最長60秒の制限があることから、新たなコンテンツクリエイターの参入障壁を低くしています」と報告。また、YouTubeショートへのAIの導入について「現段階でお話しすることはできませんが、さまざまなユースケースのクリエイターが自身の目標に向かって前進することをサポートするツールの開発を行うことは非常にエキサイティングです」と述べています。

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in ネットサービス,   動画, Posted by log1r_ut

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