DropboxがAdvancedプランの「必要なだけのストレージを提供する」ポリシーを廃止して従量課金制に移行することを表明
オンラインストレージサービス・Dropboxの「Dropbox Advanced」プランには「チームに必要なだけのストレージを提供する」というポリシーがありますが、一部ユーザーがストレージを大量消費する事態が発生していることから、Dropboxが当該ポリシーを廃止し、従量課金制に移行することを表明しました。
Updates to our storage policy on Dropbox Advanced | Dropbox Blog
https://blog.dropbox.com/topics/product/updates-to-our-storage-policy-on-dropbox-advanced
Dropboxによると、「Dropbox Advanced」プランは企業向けのもので、チームが拡大したときでもストレージに関する懸念がないように「as much space as you need(必要なだけのスペースを)」というポリシーが設定されています。企業およびチームごとにストレージの需要は異なるため、使用量が均一にならないのは「そういうものである」という認識だったとのこと。
ところが、当初の想定とは異なり、仮想通貨やマイニングなどの用途で、企業ではないユーザーがストレージをプールする事例が登場してきて、中にはストレージの再販を行うようなユーザーすらいるそうです。こうしたユーザーは、本来の企業ユーザーに比べて圧倒的に多くのリソースを消費しており、クライアントに「信頼性の低いエクスペリエンス」を生み出す可能性すらあるとのこと。
これに対してDropboxは「Dropbox Advancedは正当なビジネスまたは組織の運営に必要なだけのストレージを提供するサービスであって、あらゆるユースケースに無制限のストレージを提供するものではない」という基本に立ち返り、許容できる利用方法と許容できない利用方法を切り分けてやっていくことは難しいことから、「as much space as you need」ポリシーを撤廃し、以後は従量課金制モデルに移行することを明らかにしました。
ポリシー改定は2023年11月1日に実施され、以後はDropbox Advancedプランには3つのライセンスと15TBの共有ストレージが提供され、ライセンス1つの追加ごとに5TBのストレージが割り当てられることになります。
Dropbox Advancedユーザーの99%にあたる、ライセンスごとに35TB未満のストレージを利用しているユーザーは、チームが使用しているストレージ総量に加え、共有ストレージ5TBのクレジットを追加料金なしで5年間利用することが可能です。
残り1%の、ライセンスごとに35TB以上のストレージを利用しているユーザーは、共有ストレージ5TBのクレジット(最大1000TB)を追加料金なしで1年間利用可能。また、必要なストレージを確保するための選択肢についての相談のため、数週間以内にDropbox側から連絡を取るとのこと。
追加ストレージについては、新規顧客は2023年9月28日から、既存顧客は2023年11月1日から、1TB追加ごとに月ごと契約で月額10ドル(約1460円)または年ごと契約で月額8ドル(約1170円)が必要になります。
本来の用途とは異なる使い方をするユーザーが直近で急増したことについて、Dropboxは「他の類似サービスが同様のポリシー変更を行った影響」とぼかした表現をしていますが、BloombergはGoogleの名前を出しています。
Dropbox Unlimited Storage Ends After Google Change - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-08-24/dropbox-unlimited-storage-ends-after-google-change
Bloombergによれば、2023年5月にGoogle Workspaceの最上位プランから「as much space as you need」の文字が消え、一部のユーザーが「ストレージの上限を超過したので追加容量分の支払いが必要」という連絡を受けたとソーシャル掲示板サイト・Redditに報告が上がっているとのことです。
Google Workspace unlimited storage: it's over.
by u/skylabspiral in DataHoarder
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