Huaweiが経済制裁回避のため中国全土に半導体製造ネットワークを構築しているとの警告

米中経済摩擦のあおりを受けてアメリカ市場で厳しい制限を受けている中国の通信機器メーカー・Huaweiが、政府から大きな支援を受けつつ国内に半導体製造のためのネットワークを構築していることが指摘されています。

Huawei Building Secret Chip Plants in China to Bypass US Sanctions, Group Warns - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-08-23/huawei-building-secret-chip-plants-in-china-to-bypass-us-sanctions-group-warns

指摘を行ったのは半導体の業界団体、アメリカ半導体工業会(SIA)です。

SIAによると、Huaweiは中国政府や深圳市から300億ドル(約4兆3700億円)に上る支援を受けて2022年から半導体生産に乗り出していて、すでに3つの工場を買収し、2つの工場を新規建設予定だとのこと。

Huaweiは複数の関連企業とともにアメリカからの輸出禁止対象企業リストに入っており、アメリカ企業との協業はほぼ絶望的な状態です。しかし、他社名義を用いることで、禁止されている半導体製造装置などを間接的に購入できる可能性が指摘されています。

こうした懸念について、経済誌・Bloombergが商務省に問い合わせたところ、状況は監視していて、必要であれば行動を起こす用意があるとの反応があったとのこと。商務省産業安全保障局はHuawei以外の中国企業も数十社をブラックリストに入れており、その中にはHuaweiのネットワークの一部であると指摘されている企業も含まれていました。

なお、BloombergはSIAがこのタイミングで問題提起したことについて、SIAのメンバーにはASMLやアプライド・マテリアルズなど、アメリカの輸出規制が厳しくなるほど中国からの利益が失われる半導体製造装置メーカーも含まれていることから、Huaweiなどと隠れたつながりを持つ可能性のある企業との協力に慎重になるよう会員に呼びかける意図があるのかもしれないと予測しています。