Amazonが「大量のカスタマーレビューをAIが要約してまとめる機能」を導入することを発表
大手通販サイトのAmazonが2023年6月頃からテストを行っていることが報じられていた「ユーザーが書いたレビューの文章をAIが要約してまとめる機能」が、2023年8月14日、アメリカの一部のユーザーを対象に正式サービスを開始しました。
Amazon improves the customer reviews experience with AI
https://www.aboutamazon.com/news/amazon-ai/amazon-improves-customer-reviews-with-generative-ai
Amazon adds AI-generated review summaries so you don’t have to read the comments - The Verge
https://www.theverge.com/2023/8/14/23831391/amazon-review-summaries-generative-ai
Amazon uses AI to generate product review summaries • The Register
https://www.theregister.com/2023/08/14/amazon_ai_product_reviews/
レビューのAI要約機能が有効になっている商品を選択すると、商品の詳細ページに要約が表示されるようになります。「AI-generated from the text of customer reviews(カスタマーレビューの文章からAIが生成しました)」という表記と共に、ユーザーがその商品について気に入った点と気に入らなかった点の概要が表示されます。
また、要約の下には「使いやすさ」や「性能」といった特定の商品属性を示すタブが並び、タブを選択すると、そのトピックに言及したユーザーによるカスタマーレビューを表示することが可能です。
Amazonのコミュニティショッピングディレクターを務めるヴォーン・シェルマーホルン氏は「ユーザーは特定の商品属性に言及しているカスタマーレビューをこれまでよりも簡単に表示することが可能です」と述べています。
Amazonによる「AIがカスタマーレビューを要約する機能」は2023年6月頃からテストが行われていたことが報じられていました。
今回導入された機能によって、ユーザーのカスタマーレビューを読む時間を短縮することが可能ですが、レビューに虚偽や誤解が多く含まれる場合、AIによって生成されたレビューの要約は信頼に値しない可能性があります。しかしシェルマーホルン氏は「Amazonはこの問題を把握しており、ユーザーを誤解させないように、偽のレビューを取り締まることを検討しています」と報告しています。
シェルマーホルン氏は「私たちは肯定的・否定的なレビューの両方を尊重しますが、その製品やサービスについて、意図していない情報を提供することで意図的にユーザーに誤解を招く偽のレビューの投稿を固く禁じています」と述べています。
実際、Amazonは偽のレビューを取り締まるため、これらを投稿するブローカーや個人を刑事告訴するための法的取り組みを行っています。
Amazonがニセのレビューを阻止する法的措置を世界的に拡大 - GIGAZINE
また、Amazonではレビューの真偽を判断するために、機械学習アルゴリズムを使用していることが報告されています。このアルゴリズムでは、何千ものデータポイントを分析しつつ、レビュー投稿者のアカウントやレビュー履歴、アクティビティを調査することで、レビューの信ぴょう性を評価するとのこと。
さらに、今回のレビューAI要約機能についてシェルマーホルン氏は「AIによるレビューの要約機能は、Amazonでその商品の購入が確認されたユーザーからのレビューに絞って要約が行われるので、ユーザーは信頼できるコミュニティからのレビューを一目で簡単に理解できます」と述べています。
2023年8月14日のサービス開始時点では、この機能はアメリカの一部のユーザーを対象に導入されました。しかしシェルマーホルン氏は「ユーザーの皆さまからのフィードバックに基づいて、今後数カ月でより多くの買い物客や製品カテゴリにこの機能を拡大する予定です」と報告しています。
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