日本のある半纏(はんてん)製造現場では40年前のPCが現役で使われている
古くから日本で着用されている上着「はんてん」を製造している宮田織物株式会社では、パンチカードを使用してデータを処理するPCが現役で使われています。そんな宮田織物のはんてん製造過程を、製品の製造過程を映像に収めるYouTubeチャンネル・プロセスXが紹介しています。
40年前のパソコンが現役!機械と手仕事で伝統を守りながらはんてんを作る日本の工場 - YouTube
宮田織物は1913年に福岡県筑後市で創業された企業です。デザイン、織り、裁断、縫製まですべて自社で行い、わた入れはんてんや婦人服、作務衣(さむえ)、甚平なども自社生産しています。
そんな宮田織物で、わた入れはんてんが製造される様子が紹介されていました。従業員の女性はmaxellのカセットテープを取り出して作業を行おうとしています。
カセットテープをデータレコーダーに挿入。
「AUTOMATIC PATTERN PUNCHING SYSTEM」なるシステムが立ち上がります。
ずらずらと表示されるパターン。ここで織組織の設計、つまりはんてんのデザインが行われます。
パンチマシンがカタカタと動作し、デザインを形にしたパンチカードを出力します。
せん孔されたパンチカードをはさみで切断。
織物の完成図をリアルにシミュレートしながらデザインを決めています。シミュレート時に使われるPCはWindows 10が搭載されているようです。
実際に織物を織る機械のひとつがこれ。経糸(縦の糸)を作る「整経」と呼ばれる工程が始まります。
経糸を「ビーム」と呼ばれる部品に巻き付け、織機に取りつけた後、緯糸(横の糸)を入れて生地を織り上げていきます。ここで使われるのがパンチカードです。
長く連なるパンチカード。
織物の柄によってパンチカードの長さが異なり、長いものになると約10mにもなるそうです。
色むらがないかなどを目視で確認する「検反」という作業。
これは服のパターン(型紙)をデザインする工程。
パターンに合わせて生地が裁断されます。
生地同士を縫い合わせる「縫製」は手作業で行われます。
わたを入れる作業もすべて手作業。2人の息の合った作業に美しさを感じます。
えりの部分はまち針で留められます。この際、厚みが均等になるようわたを足したり減らしたりするとのこと。
最後の仕上げは「手とじ」と呼ばれる工程で、ひと針ひと針手でとじ縫いが行われます。
目視による検品。わたが均等に入っているか、きちんと縫ってあるかなどが確かめられます。
商品に針や異物が混入していないかを、機械による検品で確かめます。
最後はこん包されて出荷されます。
宮田織物の製品は、機械による効率化と手作業の手間のかかる工程を融合させることで、「宮田織物でしか生み出せない特別なゆらぎのあるデザイン」に仕上がっているとのことです。
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