取材

世界トップクラスの技術を持つジーンズ界の知られざる聖地「岡山」で、どのようにジーンズが作られているのか見てきました【ジーンズ加工工場編】


国産ジーンズの聖地と言われる岡山県倉敷市児島で「ジーンズのシリコンバレー」とはどのようなものなのか見せてもらいましたが、見学させてもらったBetty Smithでジーンズのユーズド加工などを行っている工場を紹介してもらったので、そちらの方も見学させてもらいました。

ここではファッション業界が持つ華やかなイメージとは全く異なった、まさに業界の裏側というべきものを垣間見ることができました。

Betty Smithの大島社長に紹介してもらったのは、岡山市内にあるジーンズ加工工場「Wells」でした。Wellsは海外のスーパーブランドから一般的に知られていないような個人ブランドまで、あらゆるジーンズの加工業務を請け負っているそうです。

Wells Co.,Ltd
http://wellsnet.jp/

工場外観はこんな感じ。


では早速中を見せてもらうことに。


中はこんな感じ。ファッションという言葉から感じる華やかさとは違った世界。


これは大量の砂や細かいガラスビーズを吹きつけ表面の染料を落とすサンドブラスト加工。


かなりこまかい粒子が噴出されているため、何もつけずに近寄るとかなり危険。


加工待ちのジーンズが積まれている作業場。


砂を取り払うと、新品にも関わらずこのようにはきこんだような古びた質感になります。


ズボンのすそをヤスリで削ってわざとほつれさせることで、ダメージ感を出す作業。


脚のつけね部分に現れる独特のシワを再現するヒゲ加工の様子。


あらかじめヒゲの型を作り、その型を使ってヒゲを作っていきます。


これまで作った型の一部がずらり。


ペンキ加工。単にペンキを飛ばすだけならば機械にもできるのですが、あえて手作業で行うことで適度なバラツキが生まれます。もっともあまり大きな差があっても商品にならないので、狙いを定めて正確にペンキを飛ばす必要があり、単純に見えてかなりの熟練が必要な作業なのだそうです。


ペンキの色はその都度調合して作成。


これは石の摩擦でジーンズの色を落とすストーンウォッシュ加工を行う装置。


中はドラム式の洗濯機のような感じ。


装置の中に入れる石。様々な種類の石があるそうで、どのようなものなのかは企業秘密。石の組み合わせや量などによって仕上がり具合が変わり、独特の質感を出すことができるとのこと。


装置に石を入れるとこんな感じ。


ストーンウォッシュ加工のテストに用いる装置。ジーンズが1本しか入らないようなものから、2~3本程度入るものまでありました。


加工後にジーンズを洗う洗濯機。


これ以上は企業秘密ということで撮影終了。ジーンズ加工は数え切れないほどの技術があるものの、簡単にマネをすることができる部分が多いため、あまりオープンにはできないそうです。

これまでジーンズというと工場で一括して大量生産されるものというイメージがありましたが、実際は製造や加工といった各工程に専門化した企業たちが、それぞれの持てる技術を持ち寄っているというのが正しい姿であるようです。また、大量生産を行うために全工程を統合した方が効率が良いものの、国産ジーンズの人気の秘訣(ひけつ)である高い品質を維持し続けるためには、このように工程を専門化することが必要であるのが分かりました。

また、ジーンズを好きな人はこだわりのある人が多く、若者から年配の人まで幅広い年齢層によって着用されていることから、ほかのファッションアイテムよりも流行による浮き沈みが少ないというジーンズならではのおもしろい事情も分かりました。

最近、西友やドンキホーテなどの超安価なジーンズが話題となっている一方で、1つ1つのパーツにこだわった1本何十万円もするようなジーンズにも注目が集まるという、両極端な性格をもつファッションアイテムであるジーンズ。これからもファッション業界で確固たるポジションを維持し続けていくのではないでしょうか。

・関連記事
ジーンズはアメリカでもフランスでもなくイタリア発祥?17世紀の絵画からルーツが発見される - GIGAZINE

ジーンズが業界最安の690円、ドン・キホーテがプライベートブランド「情熱価格」を立ち上げ - GIGAZINE

ジーンズで作った不気味な深海生物の広告 - GIGAZINE

ジーンズファッション向けショーツ「美JEAN SHORTS」 - GIGAZINE

インドの大学、女子学生のジーンズ着用禁止に - GIGAZINE

in 取材, Posted by darkhorse_log