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Twitter時代の逸話や社内秘話を「寝袋写真」で有名なエスター・クロフォードが語る


2023年2月にレイオフされるまでTwitter(現・X)の一員だったエスター・クロフォード氏が、Twitter社内はどういうものだったのか、Twitterを買収したイーロン・マスク氏はどのように見えたかなどを赤裸々に語っています。

Like seemingly everyone on this app I have plenty of opinions about Twitter > X and figure now is a good time to open up a bit about my experience at the company.

I tweeted for years into the void for the love of it like many of you, but after selling my startup to Twitter in… pic.twitter.com/bw7CHhk0Xg

— Esther Crawford ✨ (@esthercrawford)


クロフォード氏は2016年にビデオチャットツールを開発する「Squad」を創業。2020年にTwitterがSquadを買収したことで、Twitterの一員になりました。

無料かつ会員登録不要でムービーやブラウザの内容をシェアできるビデオチャット「Squad」 - GIGAZINE


「マニアックな危機感がある」というクロフォード氏にとって、中に入ったTwitterはしばしば息苦しく、官僚的だと感じることが多々あったとのこと。また、誰かのエゴのための愚かなパワープレイや組織再編、名称変更が相次ぎ、気が散ったそうです。

企業文化はクロフォード氏の好みと比べると柔らかすぎるもので、健全な議論や批判は「それはできません」「他の人が担当しているので触らないでください」の繰り返しに取って代わられ、何カ月もかけて構築した機能に土壇場でいざこざが発生してリスクを嫌って没になることもあったそうです。

Twitterが数々の問題を抱えることになった原因については、元CEOのジャック・ドーシー氏が「成長を急ぎすぎた」と謝罪しています。

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by Mark Warner

社内にいたクロフォード氏によると、個々人の能力は高かったものの、成績が悪い人を解雇することはほぼ不可能で、そういった人材を解雇するための方法やリソースを持ったマネージャーもいなかったとのこと。このため、ダメな人材は別のチームに回されていました。結果、どこもパフォーマンスを引き下げられてしまい圧迫される状態に陥っていたそうです。このころのことをクロフォード氏は「自らの可能性を無駄にし続けている場所」のように感じることが多く、もどかしかったと述べています。

当時、社内を鼓舞する存在だったのはケイボン・ベイクプール氏ですが、CEOではなかったため会社を回していくのに必要な権限は持たされていませんでした。

Twitterでは多くの場合、小規模な部門横断型チームが中核的な前提に対して異議を唱えることによって大きな影響を及ぼしており、特にイーロン・マスク氏による買収が完了する数カ月前あたりはひどい状態だったとクロフォード氏は振り返っています。

マスク氏について当時あまり知らなかったというクロフォード氏ですが、テスラやSpaceXのような企業を作り上げた人物だということで、マスク氏がTwitterを買収することは「会社に新しい命を吹き込むかもしれない」と前向きに捉えていて、実際、マスク氏による買収以降を「生きたニュアンスに満ちている」と表現しました。

しかし、マスク氏買収後の「Twitter 2.0」はいつでも理由なく解雇される可能性があり、実際に解雇される人が出てはチームの士気に悪影響を及ぼす事態が何度も発生したとのこと。

マスク氏個人について、クロフォード氏は「チャーミングで面白い人」と評しています。ただし性格には癖があり、どんな気分か読み取るのが難しく、興奮状態から怒り状態に急変することがあったとのこと。製品やビジネスの決定について、マスク氏は目の前で問題に取り組むことに全力を尽くす人たちよりも、無作為のフィードバックを信頼しているように見えることもあって、これについてはクロフォード氏は「今も困惑している」と述べています。

なお、クロフォード氏は2022年11月、マスク氏買収後のTwitter本社で「会社を正すまでここに寝泊まりして仕事をするつもりです」と寝袋に入りアイマスクを着用した写真を投稿したことで知られています。このことの真相について、クロフォード氏はプロダクトリーダーとして自分がやりたくないことは人に任せなかったため、複数のタイムゾーンにまたがったチームとともに24時間体制で仕事をすることでスケジュール通りに成果を上げていたと述べています。

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最終的にクロフォード氏は2023年2月にレイオフ対象となってTwitterを離れています。しかし、「難しい課題に挑戦するのが好き」というクロフォード氏は、マスク氏買収後のTwitterに居続けたことを「ハードモードのレベル10で人生をプレイしていた気分」と表現し、面白くてやりがいを感じたと述べています。

また、レイオフ自体についても、所属していたプロダクトマネジメントチームが解体されたことについて恨みはなく、残ったプロダクトマネージャーが全員解雇されていたため、自分が退職することになるのも「理にかなっていた」と振り返りました。

最後に、クロフォード氏はTwitter改めXについて「大成功を収めるかもしれないし、根本的に失敗するかもしれません。いずれにしても、今後も非常に面白いイベントが続くことを期待しています」と締めくくっています。

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in ネットサービス, Posted by logc_nt

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