セガ・オブ・アメリカの従業員が労働組合結成を支持、ゲーム業界最大の複数部門にわたる労働組合
SEGA of America(セガ・オブ・アメリカ)の従業員が労働組合結成の是非を問う選挙を行い、91票対26票の賛成多数で組合の結成を支持を表明しました。労働組合「AEGIS-CWA」には200人以上が参加することになり、製品開発や販売から翻訳、マーケティング、品質管理まで複数部門の従業員を含む「ゲーム業界全体でも最大の複数部門で組織化された労働組合」になるとのことです。
WE WON!
— AEGIS-CWA ???? #UnionizeSEGA (@takesAEGIS) July 10, 2023
We just won our union election 91-26.
Our 200+ member union is now the LARGEST multi-department union of organized workers in the ENTIRE gaming industry.
So excited to celebrate this win & head to the bargaining table w/ @SEGA to continue building this company we love! pic.twitter.com/2iy6loAruf
Sonic Maker Sega Is The Game Industry’s Next Union Battleground
https://kotaku.com/sega-unionize-sonic-angry-birds-yakuza-persona-nlrb-1850369510
Sega of America workers win union vote - Polygon
https://www.polygon.com/23789856/sega-of-america-workers-win-union-vote-nlrb
US Workers at Sega, Home of Sonic the Hedgehog Vote, to Join Union - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-07-10/sega-of-america-workers-win-union-vote-joining-cwa
セガ・オブ・アメリカの従業員、労組結成を支持-200人超規模 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-11/RXLVNYT1UM0W01
日本では「労働組合法」で労働組合を結成することが労働者の権利として認められています。しかし、アメリカの連邦法は企業が労働組合結成に反対できることを認めており、労働組合を作ることが難しくなっています。
セガ・オブ・アメリカの従業員ら144名は2023年4月、アメリカ通信労働組合(CWA)と組んで労働組合「AEGIS(Allied Employees Guild Improving Sega)」の結成を発表し、基本給引き上げや福利厚生の改善、キャリアアップの機会などを要求してきました。
Today we, a supermajority of workers at our @SEGA of America Irvine headquarters, are excited to announce that we are unionizing as the Allied Employees Guild Improving SEGA—AEGIS—in partnership with @code_cwa. #UnionizeSEGA pic.twitter.com/lzbwFUZOFH
— AEGIS-CWA ???? #UnionizeSEGA (@takesAEGIS) April 24, 2023
AEGISはセガに組合を自主的に承認するよう求めましたが、セガは拒否。
今回行われたのは、アーバインとバーバンクにあるセガのオフィスで働く200人以上の従業員による、組合結成の支持を問う投票。全米労働関係委員会の監督下で行われた投票は、有効票が117票で、うち賛成が91票、反対が26票となり、組合結成は支持されました。このほかに異議を唱える票が19票、無効票が3票あったとのこと。
アメリカのゲーム業界では労働組合結成の機運が高まっており、セガ・オブ・アメリカの労働組合結成はActivision傘下のRaven Software、元Activision傘下で2021年からBlizzard傘下のBlizzard Albany、Microsoft傘下のZeniMax、独立系のAR・VRゲーム開発会社Tender Clawsに続く5例目。
直近では、Activision傘下のゲームスタジオで「World of Warcraft」開発に加わっているProletariatが管理職以外のすべての従業員による労働組合結成を目指し、2022年12月に全米労働関係委員会に申請を行いましたが、2023年1月に取り下げた事例があります。
なお、前述のようにアメリカでは企業が労働組合結成に反対できる法律があります。Activision傘下のゲームスタジオによる労働組合結成が相次いでいるのは、MicsoroftがActivision買収にあたり、労働組合との間で「結成を邪魔しない」と取り決めを結んだ影響とみられます。
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