ゲーム

任天堂の元従業員が「組合結成を邪魔され解雇までされた」と訴える


従業員が組合を組織し雇用主と団体交渉する権利などを保証する全国労働関係委員会(NLRB)に提出された最新の書類から、任天堂がアメリカの法律で保護された「組合結成に向けた権利を侵害した」として、元従業員から申し立てを受けたことが明らかになっています。

Nintendo hit with National Labor Relations Board complaint
https://www.axios.com/nintendo-nlrb-complaint-3bb227c7-40c3-40c5-9578-5190e595a00e.html

Former Nintendo employee says they were fired for union activity - The Verge
https://www.theverge.com/2022/4/20/23034323/nintendo-employee-fired-unionization-nlrb

ゲーム業界では長らくその劣悪な労働環境が問題視されており、2020年に発売され話題を呼んだ「サイバーパンク2077」の開発現場でも超過労働が強いられていたと報じられています。しかし、ゲーム開発者は労働環境を改善するために「開発者同士で団結すべき」と考えているものの、労働組合結成に希望を抱いていないことが調査により明らかになっていました。

ゲーム開発者の約半数が労働組合が必要と考えているものの、その実現には希望を抱いていないことが明らかに - GIGAZINE


しかし、近年は組合結成の動きが加速しており、Call of Dutyシリーズで知られるActivision Blizzardの一部の従業員が組合運動をスタートさせたと報じられています

そんなゲーム業界で組合結成に向けて活動を行ってきたという任天堂の元従業員が、2022年4月15日(金)、NLRBに申し立てを行いました。この申し立てによると、任天堂と同社が雇用に利用している世界的に有名な雇用会社のアストン・カーターは、従業員が法的に認められている組合結成権を侵害するような取り組みを行ってきたとのことです。

記事作成時点では申し立てには事態についての詳細が書かれていませんが、「従業員による組合活動の監視」「賃金やその他の雇用条件について話し合うなどの、法律で認められている活動に従事した従業員を解雇」「労働組合に参加あるいは支援した従業員を解雇」といったことが行われているとのこと。


Axiosは「任天堂は少なくとも公的には業界を揺るがすスキャンダルをほとんど回避してきました。しかし、NLRBに提出された申し立てはそれを覆す可能性があります」とも報じており、今回の申し立てが大きなスキャンダルになる可能性を示唆しています。カリフォルニア大学バークレー校の労働専門家であるハーレー・シャイケン教授も、「NLRBが今回の疑惑を挙げているとすれば、かなり深刻であり、彼らの行動力は非常に現実的です」と述べました。

なお、Axiosは任天堂とアストン・カーターの両方にコメントを求めていますが、記事作成時点では回答は得られていません。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
2020年のゲーム界隈にとって最大のガッカリとなった出来事まとめ - GIGAZINE

延期に次ぐ延期を繰り返した「サイバーパンク2077」の開発会社は自社の労働条件を偽ったという批判 - GIGAZINE

ゲーム開発者の約半数が労働組合が必要と考えているものの、その実現には希望を抱いていないことが明らかに - GIGAZINE

Apple Storeの従業員が労働組合結成に向け始動、さっそく「時給を最低3800円にするように」と要求 - GIGAZINE

Googleがコンサルタントを雇って反組合キャンペーンを計画していたことが判明 - GIGAZINE

Amazonは労働組合の設立を「非合法な方法で妨害している」との指摘 - GIGAZINE

in ゲーム, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.