延期に次ぐ延期を繰り返した「サイバーパンク2077」の開発会社は自社の労働条件を偽ったという批判
「ウィッチャー」シリーズで知られるCD PROJEKT REDの最新作であり、キアヌ・リーヴスが出演することでも話題となった「サイバーパンク2077」は、当初2020年4月16日の発売を予定していましたが、3度も延期を重ねています。この度重なる発売延期について、ゲーム系ニュースサイトのPolygonがCD PROJEKT REDの管理体制や労働環境に問題があると、痛烈な批判を浴びせています。
Cyberpunk 2077 involved months of crunch at CD Projekt Red, despite promises - Polygon
https://www.polygon.com/2020/12/4/21575914/cyberpunk-2077-release-crunch-labor-delays-cd-projekt-red
架空の未来都市・ナイトシティを舞台に、大企業やギャングに使われる現代で言うところの傭兵のような存在である「サイバーパンク」となって、自分だけのスタイルで自分のだけの物語を体験していくというオープンワールドRPGが「サイバーパンク2077」です。2019年9月に開催された東京ゲームショウ2019ではサイバーパンク2077のデモプレイが披露されており、プレイヤーの選択により細かく分岐していくというストーリーの一端を垣間見ることができました。
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しかし、この「サイバーパンク2077」は都合3度の発売延期を重ねています。当初に予定されていた発売日は2020年4月16日でしたが、1度目は「そのスケールや複雑さゆえ、必要となるゲームテストやバグ修正、作り込みの量も膨大です。我々は『サイバーパンク2077』を現世代における、CD PROJEKT REDの最高傑作としたいと考えており、ゲームを完璧な状態で発売するには、あと数ケ月の時間が必要であると判断いたしました」という理由で、発売日が2020年9月17日に繰り越されました。
『サイバーパンク2077』 発売延期のお知らせ | 株式会社スパイク・チュンソフト
https://www.spike-chunsoft.co.jp/news/company/7643/
2度目はXbox Series Xやプレイステーション5などの複数のゲームハードごとの互換性を確保するために2020年9月17日から11月19日に再延期。
An important development update pic.twitter.com/uFGrt9Tqpi
— Cyberpunk 2077 (@CyberpunkGame) June 18, 2020
そして、「『サイバーパンク2077』が次世代機と同じタイミングで発売されるタイトルとなった結果、あらゆるプラットフォームでスムーズにプレイできるようにするための調整が必要になりました」として、発売日が2020年11月19日から12月10日に再々延期されました。
『サイバーパンク2077』発売日延期のお知らせ | 株式会社スパイク・チュンソフト
https://www.spike-chunsoft.co.jp/news/company/9535/
こうした度重なる延期に対してCD PROJEKT REDの開発チームは超過労働を余儀なくされており、2020年9月には「週6日労働」が義務づけられることになったとPolygonは指摘。さらに匿名の従業員の告白によると、一部の開発者は1年以上にわたって残業と休日労働を続けているとのこと。
プロジェクトが予定通りに進んでいない場合に発生する超過労働は「Crunch(クランチ)」と呼ばれており、ゲーム開発業界で広く続けられている悪弊です。このクランチに対してCD PROJEKT REDの共同創設者であるMarcin Iwiński氏は2019年5月に行われたインタビューの中で、自社は競合他社よりも開発者に対して人道的であり、やりたい人以外にクランチを課すつもりはないと明言し、自社の労働環境の良さを公言していました。
PolygonはIwiński氏の「我々はゲーマーに対して敬意を持って接していることで知られています。そして、開発者にも敬意を持って接していることで知られるようになりたいと思っています」という発言を取り上げて、「クランチは残酷であり、不十分な管理の結果であり、私たちの大好きなゲームを作り上げるために働いている人々を無視している証拠です」と真っ向から批判しています。
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in ゲーム, Posted by darkhorse_log