アクション映画に出てくる「自動車の座席をボタン1つで外に射出する装置」を作ってみた衝撃の動画が公開中
スパイ物のアクション映画などを見ていると、「ボタンを押して座席を車外に射出する装置」が登場することがあります。工作系YouTuberのタイラー・ベル氏が、実際にこの「緊急車外射出装置」を自作した動画を公開しました。
A real car Ejector Seat - YouTube
アクション映画などには、ボタンを押すと座席が車外に排出される装置が登場することがあります。
自分自身が脱出に使用することもあれば、車に乗り込んで来た敵を排除する反撃手段にも使われます。
ベル氏はこの座席射出装置を実際に作ることにチャレンジしました。
なんとベル氏は、ジェームズ・ボンド風の座席射出装置を作るため、わざわざイギリスの高級車を購入して改造することにしたそうです。
実際に座席を射出するにあたって問題となったのは、「車両のドアが斜めになっており、座席を真上に射出するとドアに当たってしまう」という点でした。
この問題を解決するため、ベル氏は座席を内側に寄せる改造をすることに。
内装も取り外します。
座席射出装置に必要な内部空間を確保するため、大きなガソリンタンクを取り外してより小さなものに取り替えました。
通常のサンルーフでは座席を射出するのに小さすぎるため、屋根もできるだけ広い範囲を切断します。
屋根に広い穴が空きました。
座席は内側に寄せる際に邪魔となる右下部分を削る形に。
射出装置には空気砲と空気タンクを使用しており、空気砲を射出したい座席の下に設置します。
トランクに格納した空気タンクをパイプで空気砲に接続し、圧縮空気を打ち出すことで座席を射出するという仕組みです。
まずは座席を金属のフレームに交換して、空気砲で射出できるのかどうかを実験してみます。
カウントダウンするベル氏。
空気が噴出する音と共に、座席のフレームが吹っ飛びました。
車内の映像を見ると、ものすごい勢いで座席が吹っ飛んでいるのがわかります。
飛ばされた座席は地面に埋まっていました。もし座席に座っていた敵が吹き飛ばされた場合、タダでは済まなさそうです。
続いて、重さ約12ポンド(約5.4kg)金属製のチューブを空気砲のパイプにかぶせて射出してみることに。
まるでペットボトルロケットのように吹き飛んでいくチューブ。かなり遠くのフェンスを越え、森まで飛んでいきました。
今回の射出装置では、この金属製チューブと座席を一体化させて射出します。
射出スイッチはジェームズ・ボンドらしくシフトレバーに仕込みました。
屋根をかぶせて元に戻すとこんな感じ。隙間から少し光が漏れていますが、小雨くらいならしのげそう。
射出用の座席を内側に寄せたため、運転席と助手席の間にあるコンソールに座席の右下部分がかぶさっています。
助手席のドアから見ると、座席の横に明らかに不審なスペースが空いていますが、気にしなければ問題ありません。
まずは空の座席を射出してみます。カウントダウンを始めるベル氏。
空気砲が発射されると共に、座席が空中へと吹っ飛びました。
ところが、空高く舞い上がった座席は先ほどまでベル氏が座っていたところに落下してきました。ベル氏は慌てて逃げて難を逃れましたが、危ないところでした。
問題点を探るため、撮影した動画をチェックするベル氏たち。
どうやら座席がやや前傾したまま射出され、ほぼ真上に飛んだまま回転していたことが原因の様子。
背面に取り付けられた金属製チューブの重さもあり、座席のバランスが崩れていたようです。
空気砲のパイプや椅子の角度を見直して再チャレンジ。
改善後のテストでは、座席がしっかり後方に飛んでいきました。
その後も入念なテストを繰り返すベル氏。
なお、繰り返し射出された座席はボロボロになってしまいましたが、しっかり座席を射出するためにはやむを得ない犠牲です。
そしてついに、重さ110ポンド(約50kg)のダミー人形をのせて射出実験を行います。
カウントダウンと同時に射出。
ところが、座席と合わせて150ポンド(約68kg)の物体を射出するには225PSIの空気砲では出力不足だったらしく、座席は車外まで射出されることなく引っかかってしまいました。
最終手段として、ダミー人形に羽を詰めて軽くすることに。
こうして座席射出装置が完成。ベル氏は単に射出するだけでなく、アクション映画っぽいストーリーの中で座席を射出することにしてみました。
ベル氏に銃口を向ける敵。
窮地に追い込まれながらも不敵に笑うベル氏。
銃口を突きつけられながら運転していましたが、隙を見て射出スイッチをオン。
助手席が屋根ごと吹っ飛んでいきました。
座席に乗せられたダミー人形は地面にたたきつけられてしまいました。
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