PlayStationの責任者がXboxについて「シューティング」と「マルチプレイヤー」のおかげでアメリカでより人気があると発言
MicrosoftによるActivision Blizzard買収を阻止するべく、連邦取引委員会(FTC)はMicrosoftを提訴しました。この訴訟に関する公聴会では、ゲーム業界のさまざまな企業から「MicrosoftによるActivision Blizzard買収」についての意見を求めており、Microsoftが提供するゲームブランド・XboxのライバルであるPlayStationを開発するソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のジム・ライアンCEOも、XboxがPlayStationよりも優れている点を力説しています。
PlayStation CEO: Xbox Games Do Better In US Due To Shooting
https://kotaku.com/playstation-sony-ftc-hearing-xbox-shooting-multiplayer-1850582483
MicrosoftによるActivision Blizzard買収を阻止するためにFTCが起こした訴訟に関する公聴会で、ライアンCEOは事前に録音された証言を提出しており、この証言の中でMicrosoftの最新ゲーム機であるXbox Series X/Sは「オンラインマルチプレイ」と「シューティング」という2つの要素により、アメリカで強い需要を生み出していると発言しています。
具体的に、ライアンCEOは「Microsoftの提供するゲームの大部分には『シューティング要素』や『オンラインマルチプレイ要素』が含まれています」「どちらも通常、アメリカ国外よりもアメリカ国内で人気がある要素です」と言及。
Jim Ryan says "demand for Xbox Series X/S is robust...in the U.S."
— AmericanTruckSongs9 (@ethangach) June 27, 2023
Says that's because the "majority of their games involve an element of shooting" and "elements of online multiplayer" both of which are "typically more popular inside of the U.S. than outside of the U.S."
一方、調査企業Circana(前NPD Group)でゲーム業界のアナリストを務めるMat Piscatella氏は、「2020年1月1日以降、Xboxでは2617個の異なるゲームがリリースされました。このうち146個がシューティングゲームで、365個がアクションゲーム、179個がRPGに分類できます。もちろんこれが『シューティング要素のあるゲーム』のすべてではないでしょうが」とツイート。
According to Circana's GamePulse, since Jan 1 2020 there have been 2,617 distinct game releases on Xbox.
— Mat Piscatella (@MatPiscatella) June 27, 2023
146 of these games are classified as Shooters, 365 Action, and 179 RPGs. These likely aren't all the games with shooting elements, of course. https://t.co/pPrjuoktg2
さらに、「多くのゲームはさまざまなプレイ要素を組み合わせているため分類はそれほど重要とは思えませんが、物語をメインとしたゲーム(355個)、パズルゲーム(215個)、レーシングゲーム(114個)も大きなカテゴリとなっています」とツイートし、ライアンCEOが挙げた「シューティング要素を含むゲーム」以外にもさまざまな種類のゲームがXboxでリリースされていると言及しています。
It's very squishy, obviously. And many games are just big amalgamations of various gameplay elements. Ultimately it really doesn't matter, but Narrative (355 games), Puzzle (215 games) and Racing/Driving (114 games) are also big segments. Shrug.
— Mat Piscatella (@MatPiscatella) June 27, 2023
Microsoft(の子会社)が開発した最新タイトルのひとつにオープンワールドゲームの「Redfall」がありますが、これはライアンCEOが指摘するように「シューティング要素」と「オンラインマルチプレイ要素」を含みます。しかし、同タイトルには低評価が集まっており、「今年最も評価の低かったゲーム」のひとつとなってしまいました。
Arkaneのマルチ対応ヴァンパイアシューティング「Redfall」はなぜ失敗してしまったのか? - GIGAZINE
一方で、SIEはスクウェア・エニックスと共同でFINAL FANTASY XVIをリリースしたばかり。同策は「シューティング要素」と「オンラインマルチプレイ要素」のどちらも有しておらず、記事作成時点では高評価を集めています。
「シューティング要素」と「オンラインマルチプレイ要素」が含まれるか否かでゲームの評価が変わっているかのようですが、両方を兼ね備えた評価の高いゲームも数多く存在するため、「結局はゲームのジャンルというよりも品質の問題が評価に直結しているようです」と海外ゲームメディアのKotakuは指摘しています。
なお、現地時間の6月22日に公聴会が始まって以来、MicrosoftとSIEは法廷で言い争いを続けており、Microsoftは家庭用ゲーム機における競争でPlayStationに完全に敗北しているとまで発言しています。
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