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清掃員が誤ってブレーカーを落とし大学の超低温冷凍庫が停止して25年の研究成果が失われる


ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学で、清掃員がアラームへの対処を誤りブレーカーを落としたことで超低温冷凍庫が停止し、25年にわたる研究成果が失われるという事故が起きていたことがわかりました。大学は少なくとも100万ドル(約1億4400万円)の損害を被ったとして、清掃員を雇った企業を訴えています。

RPI sues after cleaner's gaffe allegedly destroyed research
https://www.timesunion.com/news/article/rpi-sues-cleaner-s-gaff-allegedly-destroyed-18164979.php


Cleaner accidentally ruins decades of US college’s research by turning off freezer | New York | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2023/jun/27/cleaner-college-research-freezer-rensselaer-polytechnic-institute

この事故は2020年9月17日夕方に発生したもの。レンセラー工科大学の化学生物学研究センターの清掃を担当するダイグル・クリーニング・サービスの清掃員が、アラームが鳴り続けていたため、配電盤を操作。この操作でブレーカーが落ち、研究センターの超低温冷凍庫は停止しました。


翌日、スタッフが本来マイナス80度の冷凍庫の庫内温度がマイナス32度にまで上昇していることに気づき、資料保存のための対策を講じたものの、冷凍庫内の標本の大半は損傷・破壊され修復不可能になっていたとのこと。

この冷凍庫は研究センターのK・V・ラクシュミ教授による研究資料を保管するために運用されていて、庫内温度は通常時はマイナス80度に保たれています。温度が上下すると資料破損のおそれがあるため、マイナス78度への温度上昇時、およびマイナス82度への温度下落時にビープ音のアラームが鳴るよう設定されていました。

問題の事故が発生する3日前の9月14日、冷凍庫の庫内温度がマイナス78度に上昇したとしてアラームが鳴り、ラクシュミ教授は内部を確認して資料に問題が出ていないことを確認。温度上昇はセンサーの誤検知だと判断してメーカーに修理を依頼しましたが、パンデミックの最中だったため、作業は2020年9月21日以降に行われる予定となっていました。その間、アラームは鳴り続けていたとのこと。


このため、冷凍庫のドアには「修理中のためビープ音が鳴っています。移動したりプラグを抜いたりしないでください。このエリアの清掃は必要ありません。音をミュートしたい場合は『アラーム/テスト』ボタンを5~10秒押してください」という注意書きが貼られていました。

大学側の弁護士であるマイケル・ギンズバーグ氏は「彼らの行動と怠慢がこの出来事を引き起こしました。彼らは25年間の研究を消し去りました」と述べました。

大学の公安スタッフが当該清掃員に聞き取りを行ったところ、当人は「ブレーカーを上げた」と信じており、「自分が何か悪いことをしたとは思っておらず、ただ手助けしようとしただけだった」とのことです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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