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史上最悪の山火事から1年を迎えたカリフォルニア州で再発防止の計画停電が行われる

by Wikimedia Commons

2018年11月に、アメリカのカリフォルニア州で「1分間で東京ドーム2個分が焼失する」という大規模な山火事が発生しました。85人の死者を生んだこの山火事の火元は送電線だったと判明しており、2019年10月7日に電力会社は、山火事の再発を防ぐためにカリフォルニア州各地で計画停電を行う可能性があると発表しました。カリフォルニア州に住む約80万人がこの計画停電の影響を受けるとのことで、1週間以上続く可能性も示唆されています。

PG&E considers power outages in Northern California as fire danger rises - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/california/story/2019-10-08/california-utility-says-it-could-shutdown-power-to-nearly-30-counties-ahead-of-wildfire-friendly-weather

San Jose Mayor Warns Of 7 Days Without PG&E Power | KCBS 740AM | 106.9 FM
https://kcbsradio.radio.com/articles/san-jose-mayor-warns-7-days-without-pge-power


PG&E may cut power to 30 counties for 'severe wind event' - SFGate
https://www.sfgate.com/bayarea/article/PGE-may-cut-power-to-30-counties-wind-14498467.php


2018年12月に電力会社のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(PG&E)が報告したところによると、2018年11月に発生したカリフォルニア州史上最大規模の山火事は、送電線が原因だったとのこと。山岳部を走る高電圧の送電線を吊り下げるための鋼鉄製のフックが故障していて、そこから出た電気火花が火元だったことがわかりました。

Mandatory evacuations are underway in Northern California as the #CampFire continues to blaze through at least 18,000 acres.

The entire town of Paradise was under evacuation as several homes in the area became engulfed in flames, officials say. https://t.co/uKplwDSLjK pic.twitter.com/wf8k5NqvgM

— ABC News (@ABC)



PG&Eのインフラ整備不良が原因となって大事故になったのはこれが初めてではなく、2010年にはカリフォルニア州サンプルーノでガス管の溶接ミスによるガス漏れが発生し、8人の死者を出す大ガス爆発を起こしています。なお、PG&Eは2018年の大規模火災で巨額の賠償負担を求められて業績が悪化し、2019年1月に連邦破産法の適用を申請しています

アメリカ国立気象局(NWS)は、2019年10月8日(太平洋標準時)から10日にかけてカリフォルニア州で乾燥した突風が吹くと予想し、大規模な火災が発生する可能性が高いと警告しました。

PG&Eは、突風によって損傷した送電線が再び火災の原因となることを防ぐため、現地時間の2019年10月9日から10日まで、カリフォルニア州の34郡で計画停電を行うと発表。80万人の住民が停電の影響を受けることとなります。冷蔵庫や冷凍庫が機能しなくなるほか、ATMやガソリンスタンドも使うことができなくなるため、人々の生活に与える影響はかなり大きいといえます。

To reduce wildfire risk during the forecasted severe wind event, PG&E will implement a Public Safety Power Shutoff (#PSPS) in parts of northern, central and coastal counties. PG&E expects to begin turning off power later tonight, just after midnight. https://t.co/xIT52NtRGE pic.twitter.com/OJduogm3yZ

— PG&E (@PGE4Me)


カリフォルニア州サンノゼ市のサム・リカード市長は、PG&Eの計画停電によって、1週間にわたって住民が電気なしの生活を強いられてしまう可能性があると述べ、「7日間も電源が遮断されないことを願っていますが、住民の皆さんにはしっかりと準備をしてもらいたいと思っています」と語りました。

PG&Eの広報担当者であるアンドレア・メンニッティ氏は「お客様へのお願いに関して、大規模火災の恐れがあり、安全のために送電が遮断されます。そのため、PG&Eはお客様に損害を弁償しません」とコメント。「今回の計画停電は数日続く可能性があるので、お客様は前もって適宜計画することをオススメします」と述べています。また、PG&Eは一部の地域で電力供給用のバックアップ発電機を備えた復旧施設を開設すると発表しました。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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