培養肉の生産・販売をアメリカ農務省が許可、バイオリアクターで増殖させた肉が食肉として流通することに
「培養肉」メーカーのUPSIDE FoodsとGOOD Meatに対して、アメリカ農務省が生産・販売の許可を与えたことがわかりました。
UPSIDE Foods | UPSIDE is approved for sale in the US! Here’s what you need to know.
https://upsidefoods.com/blog/upside-is-approved-for-sale-in-the-us-heres-what-you-need-to-know
GOOD Meat | GOOD Meat Gets Full Approval in the U.S. for Cultivated Meat
https://www.goodmeat.co/all-news/good-meat-gets-full-approval-in-the-us-for-cultivated-meat
US approves chicken made from cultivated cells, the nation's first 'lab-grown' meat | AP News
https://apnews.com/article/cultivated-meat-lab-grown-cell-based-a88ab8e0241712b501aa191cdbf6b39a
USDA allows lab-grown meat to be sold to US consumers | US news | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2023/jun/21/us-lab-grown-meat-sold-public
「培養肉」とは、動物や受精卵、細胞バンクなどから取得した動物細胞を使用して、バイオリアクターで培養して作られた肉のこと。
すでにシンガポールではGOOD Meatの親会社にあたるEat Justが食品庁によって安全な食品であるという承認を受けていて、アメリカは世界で2番目に培養肉が流通する国となります。
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今回の農務省による承認を、UPSIDE Foodsは「歴史的なマイルストーン」と表現しました。
UPSIDE Foodsは、「培養肉」を「肉の代替品」ではなく「肉」そのものであり、唯一の違いは生産方法だけだと説明しています。培養のプロセスは、ビールの醸造のようなもので、「酵母や細菌を育てる代わりに動物細胞を育てている」とUPSIDE Foodsは述べました。
UPSIDE Foodsがサンフランシスコ郊外に保有するEPIC(Engineering, Production and Innovation Center:エンジニアリング・生産・イノベーションセンター)は、年間最大5万ポンド(約22.7トン)の培養肉が生産可能で、さらに最大40万ポンド(約181.4トン)まで拡張可能です。
今後、ミシュラン三つ星シェフのドミニク・クレン氏と組んで、サンフランシスコのバー・クレンで培養肉メニューを提供予定だとのことです。
一方のGOOD Meatsも承認を得るとただちにシェフのホセ・アンドレス氏が経営するレストラングループへ提供するための培養肉の生産を開始しています。
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