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イーロン・マスクの脳インプラント企業「Neuralink」による臨床試験申請がついにFDAに承認される


イーロン・マスク氏が共同設立者として名を連ねる脳神経インプラント開発企業「Neuralink」が、人間での臨床試験の承認をアメリカ食品医薬品局(FDA)から受けたことを発表しました。

Elon Musk’s Neuralink reports FDA approval of an in-human clinical study - The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/25/23738123/neuralink-elon-musk-human-trial-fda-approval

Elon Musk's Neuralink gets FDA approval for in-human study
https://www.cnbc.com/2023/05/25/elon-musks-neuralink-gets-fda-approval-for-in-human-study.html

Neuralinkは脳とコンピューターの接続を目標に掲げており、脳内に埋め込む小型デバイスの開発を進めています。2020年には神経まひによる半身不随などを治療することを目指す脳神経インプラント「Link」や自動外科手術ロボット「V2」を発表しており、開発が着実に進んでいることが示されていました。

Neuralinkのイーロン・マスクCEOが脳とAIをつなぐ埋め込みチップ「Link」&自動手術ロボ「V2」を発表 - GIGAZINE


これまでNeuralinkはブタやサルを対象として脳インプラント試験を行ってきましたが、マスク氏は2022年12月に「2023年前半に人間への脳インプラント埋め込みに関する臨床試験を行いたい」との意向を示し、FDAに対して必要書類はほぼ提出済みで、6カ月以内に人間を対象とした最初の臨床試験が行われるだろうという見通しを示していました。

イーロン・マスクの脳インプラント企業「Neuralink」は2023年前半に人間の脳にチップを埋め込むことを望んでいる - GIGAZINE


一方でFDAは2023年3月にNeuralinkによる人間を対象とした臨床試験申請を却下しています。却下の理由としては、脳インプラントの駆動にリチウム電池が使用されていることに対する懸念や、インプラントを脳組織に損傷を与えることなく取り除けるかという懸念などが挙げられていました。

イーロン・マスクの脳インプラント会社「Neuralink」による臨床試験申請をFDAが却下、インプラントのリチウム電池使用や取り外し方法などに懸念あり - GIGAZINE


また、Neuralinkは違法な動物実験を繰り返していることや、脳から取り出したデバイスの管理が不適切などの観点から、アメリカ政府による調査を受けていることも報じられていました。

しかし現地時間2023年5月25日にNeuralinkは「私たちは、人間での臨床試験の承認をFDAから受けました」と発表。FDAからの承認についてNeuralinkは「FDAと緊密に連携したNeuralinkチームによる素晴らしい仕事の結果です。(FDAによる承認は)当社のテクノロジーが多くの人々を助けるための重要な第一歩です」と述べています。


なお、FDAによる承認の範囲や参加者の募集要項は記事作成時点では発表されておらず、Neuralinkは「詳細については近日中に発表します」と述べています。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1r_ut

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