ゲーム

発売前の「マジック:ザ・ギャザリング」のカードを偶然入手したYouTuberの自宅に販売元のウィザーズ・オブ・ザ・コーストのエージェントが襲来


全世界で5000万人を超えるプレイヤーを持つ世界初のトレーディングカードゲームが「マジック:ザ・ギャザリング」です。このマジック:ザ・ギャザリングの発売前のカードを入手したYouTuberの元に、販売元のウィザーズ・オブ・ザ・コーストのエージェントがやってきてカードを回収するという事態が発生しました。なお、カードの回収を担当したのはアメリカの私立探偵社・警備会社のピンカートン探偵社です。

YouTuber’s House Raided By WotC Over Magic: The Gathering Cards
https://kotaku.com/mtg-aftermath-leaks-pinkertons-wotc-magic-the-gathering-1850368923


Magic publishers sent Pinkertons to YouTuber’s house over leaked cards - Polygon
https://www.polygon.com/23695923/mtg-aftermath-pinkerton-raid-leaked-cards

ピンカートン探偵社は私立探偵事務所として設立され、スト破りなどで利用されてきた歴史があります。アメリカのほとんどの都市に事務所を設けており、記事作成時点での形態は「探偵に留まらず多様化している」とのこと。ピンカートン探偵社は数々の映画やドラマにも登場しており、2018年に発売された「レッド・デッド・リデンプション 2」にも登場したことで知られています。そんなピンカートン探偵社の新しい業務として報告されたのが、「発売前のマジック:ザ・ギャザリングのカードの回収」です。

発売前のマジック:ザ・ギャザリングのカードを入手したのは、YouTuberのOldschoolmtgさん。同氏は2023年4月21日発売の「機械兵団の進軍」を22箱購入していたそうですが、手元に届いたのは5月13日発売予定のエピローグ・ブースターである「機械兵団の進軍:決戦の後に」の箱だったそうです。


Oldschoolmtgさんは自身が利用している知人のトレーディングカードディーラーが意図的に発売前のエピローグ・ブースターを送ったわけではないと考えており、「『機械兵団の進軍』と『機械兵団の進軍:決戦の後に』は名前があまりにも似ているので、誰かが間違ってカードを私の元に送ってしまったのだと思います」と語っています。

カードを受け取った翌日の4月22日、YouTube用の動画を撮影していたところ、自宅のチャイムが鳴り、妻が応対したそうです。そこに現れたのがピンカートン探偵社のエージェントで、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストから盗まれたカードを回収しに来た旨と、窃盗には懲役刑が科される可能性があることを玄関先で説明したそうです。この説明を受け、Oldschoolmtgさんの妻は恐怖で泣き出してしまったとのこと。

ピンカートン探偵社のエージェントはOldschoolmtgさんに対して「ウィザーズ・オブ・ザ・コーストに電話して問題を解決するように」と促してきたそうですが、エージェントの対応についてOldschoolmtgさんは「とても親切で朝一番に妻を驚かせて泣かせてしまったことを謝ってくれました」と説明しています。


Oldschoolmtgさんは「誰かがカードを盗んだのか、それとも単なる事故で私の手元に発売前のカードが届けられたのか、すべては謎のままです」と語り、結局なぜ自身の元に発売前のカードが届いたのかは不明であるとしています。しかし、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは問題を特定するためにカードを返してほしいと申し出てきたそうです。また、Oldschoolmtgさんが高いお金を支払ってカードを購入していたことを知り、他の製品を送ることで補償することを約束してくれたそうです。

Oldschoolmtgさんはピンカートン探偵社のエージェントが自宅にやってきた際の出来事を、以下の動画の中で語っています。

The Aftermath of The Aftermath … Everything Is Gone! … Magic The Gathering Discussion MTG MOM MAT - YouTube


Oldschoolmtgさんの投稿した動画のコメント欄では、「ウィザーズ・オブ・ザ・コーストはあなたの財産を盗み、家族を脅迫するために、悪名高い暴力的な民間企業のエージェントを送りつけてきたわけです。もし自分に同じ出来事が起きたなら、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストを訴えます」「これはほぼ間違いなく違法です。ピンカートン探偵社は警察ではありません。彼らは令状を持っていません。つまり、合法的にあなたの家に侵入したり、財産を押収したりすることはできません。できるだけ早く弁護士に連絡してください」といった、カードの回収にピンカートン探偵社を使用するウィザーズ・オブ・ザ・コーストに対する批判的なコメントが多数寄せられています。


海外ゲームメディアのKotakuがウィザーズ・オブ・ザ・コーストに確認したところ、同社の広報担当者から「調査の一環としてピンカートン探偵社のエージェントを派遣した」という返答が得られたそうです。

なお、Oldschoolmtgさんによるとウィザーズ・オブ・ザ・コーストはカードの回収にピンカートン探偵社のエージェントを使用したことを謝罪したそうです。また、Oldschoolmtgさんはこの出来事を動画化したことで、チャンネル登録者数が2倍に増加したことも明かしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
マジック:ザ・ギャザリングのカードをAIが自動で作ってくれる「Urza’s AI」 - GIGAZINE

「マジック:ザ・ギャザリングのカードを刷りすぎて価値が暴落する」と巨大銀行がオモチャ会社に警告 - GIGAZINE

世界初のトレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」で7枚の人種差別的カードが禁止される - GIGAZINE

1枚1800万円超の高値で「マジック:ザ・ギャザリング」の人気カードが落札される - GIGAZINE

世界一有名なTCG「マジック:ザ・ギャザリング」の生みの親がボードゲームを制作する理由とは? - GIGAZINE

in 動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.