テスラ車オーナーがプライバシー侵害でテスラを提訴、録画が共有されていたとの報道を受け

カリフォルニア州に住むテスラ車のオーナーが、「テスラが車載カメラの録画を社内で共有していた」という報道を受けて、プライバシー侵害を理由にテスラを訴えました。原告はテスラに対して詳しい説明を求めています。

Tesla hit with class action lawsuit over alleged privacy intrusion | Reuters
https://www.reuters.com/business/autos-transportation/tesla-hit-with-class-action-lawsuit-over-alleged-privacy-intrusion-2023-04-08/

Car owner sues Tesla over alleged intrusion of privacy | Privacy News | Al Jazeera
https://www.aljazeera.com/economy/2023/4/8/car-owner-sues-tesla-over-alleged-intrusion-of

2023年4月6日、テスラの社員が顧客のプライバシーを侵害しているとの報道がロイターによって行われました。ロイターによると、2019年から2022年の間に車載カメラで記録された映像が社員の間で広まり、子どもがはねられる映像や、全裸の男性が車に近づく映像などが、社内で共有されていたとのこと。こうした映像には内容を面白おかしく説明するコメントなどが付けられ、非公開のグループチャットで共有されたこともあったそうです。

テスラの従業員が顧客のプライベートな映像や画像を社内チャットで共有していたことが判明 - GIGAZINE

上記報道の翌日、サンフランシスコ在住のHenry Yeh氏が、テスラが顧客のプライバシーを侵害しているとして訴訟を提起しました。Yeh氏は、テスラの従業員が画像や動画にアクセスし、悪趣味で度を超えた楽しみを見いだし、人々を辱めていたと主張しています。

Yeh氏は、自分自身と、同じような立場にある人々、そして一般大衆を代表して訴状を提出しているため、この訴訟が集団訴訟として認められる可能性もあります。

自動運転などのサービス強化を図るため、テスラは外部カメラを使用して車線や道路標識、信号機の位置などの認識方法を学習しています。こうした映像は送信されることなく車内で直接処理されるようデフォルト設定されており、学習用に撮影されたデータをテスラと共有するには、顧客による同意が必要です。同意した場合でも、データは顧客や車両の情報とは結びつかないとされています。

プライバシーについて | テスラ ジャパン
https://www.tesla.com/ja_jp/legal/privacy#autopilot-data

しかし、テスラの社員がロイターに語ったところによると、テスラは映像が記録された場所を示すことができたため、所有者の住所を特定することも可能だったそうです。

Yeh氏の代理人であるJack Fitzgerald弁護士は「カリフォルニア憲法が細心の注意を払って保護している家族のプライバシー侵害にテスラのカメラが使われるかもしれないという報道に、Yeh氏は憤慨しています。テスラは、このような行為と、プライバシー規則について正しく伝えていなかったことについて、説明責任を負う必要があります」と述べました。