乗り物

船舶の燃料消費を最大20%削減する「帆」を開発するスタートアップ「OutSail Shipping」


エンジンで動く現代の船からは取っ払われてしまった「帆」を最大限活用し、エンジン付きの船にも取り付けられ、燃料の消費を最大で20%削減するという新しい帆「Mirage」が開発されています。

OutSail Shipping
https://www.outsailshipping.com/

Launch HN: OutSail (YC W23) – Wingsails to reduce cargo ship fuel consumption | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=35426482

アルパン・ラウCEOとジョセフ・オーレビークCTOが率いるスタートアップのOutSail Shippingは、ボーイング747と同じ大きさの帆を大型のコンテナ船に取りつける方法を模索しています。オーレビーク氏らが開発した帆「Mirage」が紹介された動画を見ると、その大きさがよく分かります。

OutSail Overview - YouTube


「Mirage」は「巻き取り可能」なのが大きな特徴で、小さく丸めればコンテナの中に収容することができます。


船に設置した後も巻き取りが可能で、使わないときはたたみつつ、風が吹いたときにだけ伸ばすことができます。小さくすれば約3メートル、大きくすれば最大60メートルにまでなるとのこと。


橋桁があっても回避できます。


どのように巻き取るのかについては、オーレビーク氏が直々に解説しています。

OutSail - Hacker News Demo - YouTube


Mirageは基本的には巻き尺と同じ仕組みで小さく収納されており、必要に応じて大きく広げることができます。


ペラペラな見た目ですが、実際に製造する際はシート状の金属で補強するとのこと。


Mirageの基本的な使われ方はセーリングと同じで、やや傾いて設置された帆が周囲からの風を受け、それを推力として進むというものです。


オーレビーク氏によると、国際海事機関が炭素強度(CII)という指標を使って船舶を格付けする新しい規制を導入したため、等級が低い船は速度を落としたり、別のクリーンな燃料を使用したりしなければいけなくなってしまったとのこと。

そこで、Mirageが役に立つとオーレビーク氏はアピール。Mirageは燃料消費を最大20%削減できるうえ、簡単に取り外して収納できることから、貨物の積み下ろし作業にも干渉することはないと話しています。

なお、デザインは未完成であり、オーレビーク氏はフィードバックを求めています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
世界初となる「半島を貫通する船のためのトンネル」の建設許可が下りる - GIGAZINE

IBMのAI技術などを結集した完全自律運航船「メイフラワー自律船」とは? - GIGAZINE

廃船で消えた船員の行方を推理するNintendo Switchのミステリー「Return of the Obra Dinn」プレイレビュー - GIGAZINE

3Dプリンターを使って安価に自動航行可能な船をMITが開発、大量生産も可能に - GIGAZINE

in 乗り物, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.