ハードウェア

「2026年までに300TBのSSDを実現する」という野心的な目標をオールフラッシュ・ストレージを開発するPure Storageが掲げる


フラッシュメモリで構成されたオールフラッシュ・ストレージのメーカーであるPure Storageが、ストレージ関連のウェブメディア・Blocks and Filesのインタビューで、「2026年までに300TBのSSDを実現することが目標」と主張したことが報じられました。

Pure claims 300TB flash drives coming 2026 – Blocks and Files
https://blocksandfiles.com/2023/03/01/300tb-flash-drives-coming-from-pure-storage/


300TB SSDs Due in 2026, Supplier Claims | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/pure-storage-300-tb-flash-drives-in-2026

Pure Storage Teases Monstrous 300 TB Ultra-Large Capacity NVMe SSD With A Tentative 2026 Launch Date
https://wccftech.com/pure-storage-teases-monstrous-300-tb-ultra-large-capacity-nvme-ssd-with-a-tentative-2026-launch-date/

アメリカ・カリフォルニア州に本拠を置くPure Storageは、NVMe対応ストレージシステムのFlashArrayFlashBladeを展開しており、これらのストレージシステムに搭載可能な独自のSSDであるDirect Flash Module(DFM)も開発しています。

Pure StorageのCTOであるAlex McMullan氏はBlocks and Filesのインタビューで、「今後2~3年の計画では、ハードドライブの競争力をまったく新しい領域に引き上げる予定です。今日の私たちは24TBと48TBのドライブを出荷しています。2023年のAccelerateカンファレンスでは、さらに大きなサイズのドライブを中心にさまざまな発表が行われる予定であり、2026年までには300TBのドライブを実現することを目標としています」と発言したとのこと。

McMullan氏が示した以下のグラフは、HDD(青色)とDFM(オレンジ色)の容量ロードマップを比較したものであり、DFMは2023年以降急速に容量を拡張する計画であることが示されています。


Blocks and Filesは、東芝は2027年までに40TBを超えるHDDの生産を予定しているほか、Seagateも2026年に50TB超のHDDを生産することを計画しており、2026年までに300TBのSSDを実現するというPure Storageの目標は非常に野心的だと述べています。

さらにMcMullan氏は以下のグラフを提示し、HDD(青色)のTCO(総保有コスト)は2023年から2026年にかけて変わらない一方、DFM(オレンジ色)のTCOは着実に減少すると説明したとのこと。


FlashBladeのシャーシには最大40個のDFMを取り付けることが可能であり、DFMの容量が300TBまで増加すればFlashBradeの最大容量は12PBとなります。McMullan氏は、「顧客にとって、これはまったく新しい一連の機能を提供するものです。しかし、ハードドライブベンダーの忍耐は称賛できるものの、顧客がこれに対応した計画や戦略的目標を持っているとは現実的に考えられません」と述べ、需要があるかどうかは不透明だという見通しを示しています。

記事作成時点のPure Storageは112~160層の3D NANDフラッシュメモリを使用していますが、今後5年間で400~500層の3D NANDが登場するとみられており、これが300TBのDFMを開発するために役立つとのこと。なお、2022年7月には半導体製造大手のMicronが、232層の3D NANDフラッシュメモリの量産に成功したと発表しています。

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Blocks and Filesやテクノロジー系メディアのTom's Hardwareは、確かに今後数年で3D NANDの層数は増加する予定であるものの、400層を超えるのは2027年以降とみられており、2026年には300層程度にとどまるだろうと指摘。そのため、2026年までに300TBのDFMを実現するには、3D NANDの層数増加だけでなく、DFM自体のサイズを大きくしてより多くの3D NANDを搭載するなどのアプローチも必要だと主張しています。

Tom's Hardwareは、「DFMドライブの容量を3年間で6倍に増やすというPure Storageの計画は野心的に見えるかもしれません。一方、3D NANDフラッシュメモリだけでなくメモリのパッケージング技術も急速に発展しており、数年後にPure StorageのDFMベースのストレージシステムが、HAMR(熱補助型磁気記録)ハードドライブを使ったストレージシステムが提供するストレージ密度を超えても、不思議ではありません」と述べました。

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in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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