PCIe 5.0対応のSSDが販売開始、バカデカヒートシンクが話題に
最大読み取り・書き込み速度が高速になっているだけでなく、完全な後方互換性も実現した次世代規格である「PCIe 5.0」に対応したSSDの販売が始まっています。PCIe 5.0対応SSDは販売が始まったばかりであるためかなり高価になっており、さらに巨大なヒートシンクの存在も話題です。
First wave of PCIe 5.0 SSDs arrives with high prices and ridiculous heatsinks | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/03/first-wave-of-pcie-5-0-ssds-arrives-with-high-prices-and-ridiculous-heatsinks/
AMDのRyzen 7000シリーズチップを中心としたすべてのPCと、Intelの第12世代または第13世代CPUを搭載する一部のPCは、PCIe 4.0よりも最大2倍高速なPCIe 5.0対応のSSDをサポートしています。PCIe 5.0対応SSDは販売され始めたばかりであるため、他の多くのアーリーアダプタ―製品と同様に非常に高価になっているとテクノロジーメディアのArs Technicaは指摘。
PCIe 5.0対応SSDとしては、GIGABYTEのAORUS Gen5 10000 SSD(容量:2TB、シーケンシャル読み出し速度最大10GB/s、シーケンシャル書き込み速度最大9.5GB/s)やMicro CenterのInland TD510(容量:2TB、シーケンシャル読み出し速度最大10GB/s、シーケンシャル書き込み速度最大9.5GB/s)などがあり、どちらもSamsungのPCIe 4.0対応SSDである990 PRO(シーケンシャル読み出し速度最大7.45GB/s、シーケンシャル書き込み速度最大6.9GB/s)よりもデータ転送速度が高速です。
しかし、互換性のあるPCが手元にあるとしてもこれらのSSDを使用できるとは限らないとArs Technicaが指摘しています。その理由のひとつが、PCIe 5.0対応SSDの販売価格が優れたPCIe 4.0対応SSDの2倍以上の価格であるためです。AORUS Gen5 10000 SSDは340ドル(約4万6000円)、Inland TD510は349.99ドル(約4万8000円)で販売されています。
また、PCIe 5.0対応SSDは「ヒートシンクがばかげている」とArs Technica。AORUS Gen5 10000 SSDは、2本のヒートパイプと先進の熱技術ナノカーボン加工を施したスタックフィンで構成された専用ヒートシンクのM.2 Thermal Guard XTREMEを搭載しています。以下の画像の上部にあるのがM.2 Thermal Guard XTREMEで、SSD本体(下部)よりもはるかに巨大。そのため、「環境によっては互換性があってもAORUS Gen5 10000 SSDを取り付けることができない」とArs Technicaは指摘しています。
Inland TD510の見た目は以下の通りで、前述のAORUS Gen5 10000 SSDほどヒートシンクが巨大というわけではありませんが、電源ケーブルに接続された小さなファンを搭載しているため、使用時に騒音を発する可能性があります。また、これにはファンの回転速度をコントロールするためのコントローラーが搭載されていないため、ドライブに負荷がかかっているか否かにかかわらず常にファンが一定の速度で回転することとなります。
一方で、PCIe 4.0対応のSSDはPS5の増設用SSDにも対応できるようにスリムなヒートシンクを採用したものが多いとArs Technicaは指摘しています。ファン非搭載なため騒音を発することもなく、ヒートシンクもスリムなためほとんどのPCに問題なく搭載することが可能。ミッドエンドからハイエンドのマザーボードでは、1つまたは複数のSSDヒートシンクが含まれているため、ここに既存のPCIe 5.0対応SSDを取り付けるには標準搭載のヒートシンクを取り外す、あるいは標準のヒートシンクを使ってSSDが熱暴走しないように使用する必要があります。
PCIe 5.0対応SSDは対応製品が増えるにつれ販売価格が下がる可能性があり、高度な製造プロセスを備えたNANDチップの登場により、動作温度が低下することも期待できます。そのため、Ars Technicaは「PCIe 5.0対応SSDの初期製品は、値段とデザインの面から手を出さずに後続製品の登場を待つのが良さそうです」と記しました。
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