AIが生成した画像のもとになった画像の帰属を示すサービス「Stable Attribution」
画像生成AIは、無から画像を生み出しているわけではなく、膨大なデータセットで学習した内容から求められた画像を出力しています。そこで、出力された画像をもとにして、データセット内のどういった画像がもとになったのかわかるサービスが「Stable Attribution」です。
Stable Attribution
https://www.stableattribution.com/
サイトにアクセスすると、Stable Attribution制作の経緯が表示されます。スクロールすると話が続きますが、ただちにサービスを利用したい人は右下にある「skip story」をクリック。
すると画面が左右に分かれたような表示になります。これは、左がAIが画像生成にあたり用いたデータセットの画像、右が生成された画像を示します。
生成された画像の下の「SHARE ATTRIBUTION」をクリック。
すると、「これらの画像からAIが右側の画像を生成した」ということを端的に示す画像が生成されます。「DOWNLOAD」ボタンを押すと画像がダウンロードできます。「TWITTER」ではこの画像へアクセスするURLをツイート可能、「COPY LINK」ではこの画像への固定リンクを取得できます。
なお、生成元の画像は「この10枚をもとにして作られた」と絞り込める数ではないからか、再度サイトにアクセスし直して確認すると異なる画像の組み合わせになりました。
Stable Attributionの主目的は、この生成元画像はどんなアーティストによる作品なのかの帰属を示すこと。ただ、多くの画像は帰属が未入力となっており、最下部にどのアーティストのものかわかればリンクを入力するよう求めるテキストボックスが設けられていました。
なにか帰属表示のある画像はないかといろいろ探していると、見たことがあるアニメの画像が含まれているのを発見。
これは映画「泣きたい私は猫をかぶる」の1シーン。何のデータセットに含まれていたのかはわかりませんが、公式Twitterアカウントでツイートされたことがある画像なので、間違いありません。
*+:。 見つけた、
— 映画『泣きたい私は猫をかぶる』 (@nakineko_movie) May 23, 2020
君に会える魔法 。:+*゚
猫の姿になればこんなにそばにいられる。
でも、《私》に戻ることができなくなる・・・#キスの日 #泣きたい私は猫をかぶる #泣き猫 pic.twitter.com/Gpp7Pbh19j
これこそ帰属が表示されるべき画像なので、テキストボックスに当該ツイートのURLを入力して送信。
こんなメッセージが表示されて処理は終わり。
ただちに反映されるわけではないようですが、このように情報提供が増えれば、それぞれがどのアーティストのものなのか、どんな作品の画像なのかという帰属が示されるようになるはずです。
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