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年始は要注意!サーバーやHDDレコーダーの重度障害を復旧しまくるデータ復旧のプロによくある障害や業者の選び方について聞いてみた


年末年始の長期休暇に合わせて普段実行しない大規模なデータ移行を行ったり、久しぶりにサーバーの電源を落としたりすると、ストレージに不具合が発生してデータが失われてしまうことがあります。95.2%という業界屈指の復旧成功率と累計36万件の相談実績を持つデータ復旧のスペシャリスト集団「デジタルデータリカバリー」では、構成不明なサーバーを完全に元通りに復旧したり、泥まみれになったHDDレコーダーからデータを無事に取り出したりと、他の復旧業者では断られてしまうような高難度ケースでもデータを復旧してくれるとのこと。そんなデジタルデータリカバリーの中の人と話す機会を得られたので、データ復旧業者の選び方高難度ケースの復旧事例について詳しく聞いてみました。

データ復旧.com【デジタルデータリカバリー】|復旧率95.2%のデータ復旧・復元サービス
https://www.ino-inc.com/


今回は、デジタルデータリカバリーのトップエンジニア2名に話を聞くことができました。HDDレコーダーのデータ復旧システムをゼロから開発して数多くのHDDレコーダーのデータを復旧してきた新名晴貴さん(写真左)と、ファームウェアの修復や環境まるごと復旧といった高難度ケースに対応している金泰賢さん(写真右)です。


◆デジタルデータリカバリーの強み
GIGAZINE(以下、G):
デジタルデータリカバリーには、これまでにどれくらいの相談が寄せられているのでしょうか?

新名晴貴さん(以下、新名):
毎日全国からデータ復旧のご相談をいただいています。累計では、2022年8月時点で36万件に達しました。法人様のサーバーやPC、個人様のスマホ、USBメモリなど機器の種類も本当にさまざまです。他の復旧業者では復旧不可と診断された機器や、実際に復旧作業を行ったものの復旧不可として戻ってきてしまったような機器でも、弊社では復旧に成功した事例が多数あります。

G:
データ復旧の技術力というと、ぱっと見で違いが分かりにくいと思うのですが、デジタルデータリカバリーの技術力について教えてください。

金泰賢さん:(以下、金)
弊社では、復旧率の向上を目指して日々世界中の有識者から情報を集めたり、社内で研究開発を行ったりしています。社内には約40名のリカバリー専門エンジニアがいて、復旧率最高値は95.2%に達しています。データ復旧サービスは実態がなかなか伝わりにくいサービスなので、弊社ではこういった実績を積極的に公開するようにしています。

また、社内での研究開発が実り「スクラッチ障害」の復旧技術を向上させた点が評価されて、2021年の11月には東京都から経営革新優秀賞を頂きました。

G:
スクラッチ障害とは、HDDのプラッタに傷が付いてしまって、データを読み取れなくなる障害のことですね。

新名:
そうです。これまで業界内では「HDDのプラッタに傷が付いてしまったら復旧不可能」と言われていました。弊社ではスクラッチ障害について研究を続けていて、現在では、プラッタ上に傷のついたHDDからデータを取り出せるところまで技術が進歩しています。弊社は365日年中無休で診断や復旧、納品に対応しているので、連休中や年明けのお急ぎの依頼も安心して任せていただければと思います。


◆事例1:起動しなくったサーバーを環境ごと復旧
G:
デジタルデータリカバリーでは高い技術力によって高難度ケースにも対応可能とのことですが、具体的にどういったケースに対応してきたんですか?

金:
まずサーバーに関してですね。年末年始のような休暇明けは「サーバーが起動しないトラブル」が増加する傾向にあります。サーバーは普段は24時間電源ONにしている場合が多いと思いますが、「年末年始のタイミングで久しぶりに電源を落とした後、休み明けに電源を入れたら故障してしまってデータにアクセスできない」といった相談をいただきます。他には「RAID構成のHDDが複数台同時に故障して、起動しなくなった」というのもあります。


私が担当したものだと、「OSが起動しなくなって、工場の稼働が止まってしまったデータベース用のサーバー」をOSも含めて元の環境ごとそのまま復旧しました。

G:
休み明けに出勤して、社内のサーバーが突然停止していたらかなり困りますよね。

金:
そうですね。このときは、約10年使用している工場のデータベース用仮想サーバーが復旧対象でした。PCを10台以上繋いでいたそうで、工場が動かせないのでお客様もかなり困っている状況でしたね。

HDDは6台搭載されていたものの、4台からエラーが出ておりOSが立ち上がらず管理画面に入れないという状況でした。

G:
どのように復旧したのでしょうか。

金:
サーバーの筐体(きょうたい)はDell製でしたが、お客様はOSやRAID構成を把握していないとのことだったので、復旧作業を進めつつツールを用いて各種構成を確認しました。

G:
今回の事例ですと、RAIDの構成が不明で、分かっていることは機器のメーカー名ぐらいだったということですね。

金:
はい、そうです。

G:
ということは、「データを復旧して欲しいけど、マシンの構成がまったく分からない!」という状況でも、対応可能ということですか?

金:
対応可能です。診断の時には構成がまだ分からなかったので、作業を進めながらRAID構成を突き止めて、そこからデータ抽出などの復旧作業を続けることができました。診断の結果、HDD6台のうち3台で論理的な障害、2台で論理的な障害と物理的故障の併発、1台で物理的な故障が発生していました。

G:
この時点でかなり複雑ですね…。

金:
そうですね。物理的に故障している(物理障害)と診断したHDDのうち1台は、分解した結果、スクラッチまではいかないものの、プラッタの状態が非常に悪化していることが分かりました。

物理破損したHDDは部品交換などの復旧作業を行いました。6台中4台のHDDをマシンに組み込んで確認してみたものの、RAID管理画面上では1台しか認識できず、正常に起動できませんでした。物理破損が発生していたHDDを交換しても正常に起動できなかったので、ヘッドの交換を実施し、ファームウェアの修復作業も進めました。その結果、RAID管理画面までは見られるようになりましたが、破損箇所が多く、RAID構成を復旧してもデータ状態が非常に悪いという状況でした。

G:
なるほど……。

金:
正直、通常の復旧と比べても段違いに試行錯誤が必要でした(苦笑)。それでも、HDDのイメージを抽出し、必要な(仮想サーバーを構成する)仮想マシンファイルの取り出しには成功しました。その後、新しい仮想マシンを再構成し、そこに取り出した仮想マシンファイルを入れ直して環境全体の復旧を進めました。最終的に全体の約7割のファイルを復旧することに成功し、お客様が希望されたサーバーファイルへのアクセスが正常に行えることを確認して納品することができました。


G:
RAID構成が不明の案件って結構あるんですか?

金:
結構多いですね。今回の事例は複雑でしたが、お客様の側でRAID構成が不明でも、すぐ直せる場合もあります。また、お客様はRAID1だと思っていたけど、診断の結果RAID0であったことが判明するケースも多くあります。他にも、「持ち込み時にはRAID構成と聞いていたものの、確認したら実際にはRAID構成になっていない」なんてこともあります。

G:
お客様の方でも情報が交錯してるわけですね。

金:
長期間使用していたサーバーでは、RAID構成や細かい設定が不明なケースが多いですね。「最初の管理者からちゃんと引き継がれなかった」とか「会社に分かる人がいない」とか……。

G:
なるほど。そういった構成不明の状況でも、デジタルデータリカバリーに問い合わせると解決してくれるわけですね。

金:
はい、そうです。


◆事例2:SCSIのHDDで構成された古めのサーバーをOSごと環境復旧
G:
ほかにもサーバーが突然故障するような事例はあるんですか?

金:
はい。直近だと、突然サーバーから警告音が鳴ってシステムが固まってしまい、強制シャットダウンしたら起動しなくなってしまったという事例もありました。SCSIのHDDを使ったRAID1構成のサーバーですね。11年~12年ほど利用しているものだと伺いました。

G:
かなり古いですね。ちなみに、サーバーの故障時などは保守会社などで対応できないものでしょうか?

金:
最初はPCメンテナンス業者に出張で診断してもらったようですが、色々試しても状況が変わらず警告音が鳴り続けているということで、弊社にご相談をいただきました。そのサーバーには直近2年の販売管理データ等が保存されているとのことで、起動できないことで出荷等が手作業になってしまっていたようです。

G:
どのように復旧したのでしょうか?

金:
そもそもSCSIは既存設備に接続できずそのままでは診断もできないので、まず互換性のあるドナー用HDDを使ってオリジナルのHDDからクローンディスクを作成しました。ただ、ドナーHDDも古く、コピーを取っている間に状態が悪化し始めたため、慎重に確認しながらなんとかクローンを作成できました。

G:
古い型だと、それだけでも復旧作業が大変になるんですね。

金:
そうですね。その後作成したクローンディスクを筐体に組み込んで確認しましたが、RAID構成が立ち上がりませんでした。データを確認したところ、データの先頭部分に変異があって、RAID構成などのシステムの起動に関するデータが失われていることが分かりました。HDD2台のうち1台は正常な状態だったので、そのHDDのデータをもとにRAIDを再構成し、無事に環境を復旧できました。


G:
「SCSI接続のHDD」という古い製品が復旧対象となっているわけですが、デジタルデータリカバリーでは古い製品でも復旧用のストックを確保できているということですか?

金:
はい。ドナー用のHDDは常時約7300台保有しています。復旧スピードのためには必要な部品をすぐに使えることが大事なので、SCSIのHDDといった古い製品でもストックを確保しています。復旧作業に必要なストックが社内に無い場合は、国内外から製品を探し出して対応することもありますね。

G:
金さんが対応された中で最も古い機器は何年くらい前のものだったんですか?

金:
確か、35年前の機器ですかね。

G:
35年前……。復旧はできたんですか?

金:
この時も無事に部品を確保して復旧することができました。ドナー用の部品確保も復旧率に関係してくるということですね。ご依頼の約8割は48時間以内に復旧作業を完了できています。


◆事例3:他の復旧業者で「復旧不可」と診断されたレコーダーからのデータ復旧
新名:
PCだけではなく、テレビにつないで録画するレコーダー用HDDの復旧事例もあります。例えば、起動不可になったソニー製レコーダーを他の復旧業者に持ち込んだものの復旧不可と診断され、それを弊社にご依頼いただいて3日で復旧したケースです。

G:
Blu-rayレコーダーの復旧は、普通のHDDとは違いがあるのでしょうか。

新名:
レコーダーの内蔵HDDの場合はファイルシステム(データ管理の仕組み)が通常のHDDと異なるので、データを直接抜き出せなかったり、抜き出せたとしても暗号化がかかっていてレコーダーの筐体をうまく使わないと抽出できなかったり、といったケースが多々あります。


G:
では、HDDだけでなく筐体もセットで復旧するということですか。

新名:
そういうことです。レコーダーのデータを復旧する際はHDDを直すだけでは不十分ですね。

もう少し詳しく説明すると、この事例でデータを復旧したレコーダーは、2014年に発売されたソニー製のHDD搭載Blu-rayレコーダー「BDZ-EW520」です。症状としては、「フロントパネルのランプが点滅して、起動不可になってしまった」というオーソドックスなものでした。お客様はレコーダーに外付HDDを4台接続していたのですがレコーダー本体が壊れてしまったことで、外付けHDDの中身が閲覧不可になっていました。弊社に依頼される前に他の復旧業者に依頼したそうなのですが、その業者では内蔵HDDを開封した上で「基板やHDDは壊れておらず、HDD内部のシステムプログラムが壊れており、再起動不可能」という結論に達したそうです。


弊社で診断する前に、他の業者で内蔵HDDが一度開封されていましたので、磁気ヘッドの状態やプラッタの表面状態に異常が発生している可能性が懸念されました。そこで、まず磁気ヘッドを弊社のクリーンルーム内で交換した上で、正常なHDDにデータを複製いたしました。その結果、記録面の劣化によって複製できない領域がわずかに存在したものの、99.9%のコピー率でデータの複製が完了しました。このクローンディスクをレコーダーに組み込んで起動を確認したところ、他業者で報告されたのと同様に、「起動ランプが点灯しない」という症状を確認できました。

G:
そこからどのように復旧したのでしょうか。

新名:
このソニー製レコーダーでは、データが暗号化された状態で保存されていて、レコーダーを起動しないと内蔵HDDだけでなく外付HDDのデータも閲覧できません。そこで、弊社の復旧事例に従って内蔵HDDのシステムプログラムを修復しました。その結果、レコーダーを正常起動することに成功。内蔵データを閲覧することに成功し、内蔵HDD内に外付けHDD4台の登録情報が残存していることも確認できました。その後、4台の外付けHDDをレコーダーに接続して動作確認した結果、ほぼすべてのデータが正常に再生可能であることを確認できました。データ復旧にかかった期間は3日間です。


G:
今回の事例ではソニー製レコーダーが復旧対象となっていますが、パナソニックとか東芝といった別メーカーのレコーダーでも暗号化されたHDDを解除する技術は確立しているんですか?

新名:
そうですね。シャープ、ソニー、東芝、パナソニック、これら主要4メーカーのHDD暗号化解除技術を確立しております。加えて、三菱やフナイなどその他のメーカーにも対応しています。

G:
HDDレコーダーを復旧させたとしても、きちんとHDDをマウントして暗号化を解除できない業者の場合、レコーダーの復旧は難しいんでしょうか。

新名:
そういった業者では復旧に失敗する場合が多いですね。一部、例えばビデオカメラの映像などが暗号化されないレコーダーというのは存在していまして、その場合はHDDからデータを抜き出すことはできます。ただし、そういった場合でも抜き出したデータが細切れ状態になっていたり、反対に複数のデータがひとまとめになってしまう場合が多く、あまり良好な結果は得られません。

G:
暗号化解除だけでなく、レコーダーに保存されたデータを細切れにせず元通りにできるのも、デジタルデータリカバリーの強みというわけですね。

新名:
はい。弊社では動画・映像データの復旧ノウハウも研究が進んでいます。

G:
なるほど。デジタルデータリカバリーが公開している新名さんのインタビュー記事を読んだところ、「データの復旧をしたい場合はメーカーに機器をいじってもらわないでほしい」と書いてあったのですが、メーカー修理を経由せずにデジタルデータリカバリーに依頼した方がいいのはなぜですか?

新名:
レコーダーのメーカーに修理を依頼した場合、中の部品が同じ型番のものと入れ替えられるケースがあります。また、他の復旧業者に依頼した結果、元の部品が処分されて暗号化解除に必要な情報が失われてしまったというケースもありました。

G:
ということは、レコーダーが壊れて「どこかにデータ復旧を依頼するぞ」という時も、下手に触ったり分解したりせずに、レコーダーごと復旧業者に送ってしまった方が良いということですね。

新名:
そうです。似たような事例で、レコーダーの筐体を捨てて、HDDだけになってしまったというケースもあります。そういった場合でも復旧できるものもあるのですが、復旧できないものもあるので、できるだけ触らず、元の状態、部品がそろった状態で弊社に渡していただけると復旧に成功する可能性が上がります。

金:
「できるだけ最初にお持ちいただきたい」というのは、レコーダーに限らずどの機器でも似たようなことが言えます。データ復旧作業は何かしらトラブルや故障が発生した状態の機器からデータを取り出す作業なので、多少荒技的なところがありまして、ノウハウが少ない復旧業者だと実際には必要ない作業を行ってしまうこともあります。そういった業者で復旧不可とされたものを弊社にお持ち込みいただく場合が多くあるのですが、故障やトラブルが発生した状態とは異なる状態のものを持ち込みいただくと、状態が悪化していたり、必要な部品が一部なくなっていたりといったこともあります。なので、レコーダーに限らず、機器全般のデータ復旧をご依頼いただく場合は、できるだけ最初に弊社のような技術力の高い復旧業者にお持ち込みいただきたいと考えています。

◆事例4:泥だらけになったレコーダーからのデータ抽出
新名:
他にもレコーダーの復旧事例として、「大雨で床上浸水の被害に遭ってレコーダーの内部まで泥水が浸入してしまったので、データを取り出して欲しい」という依頼がありました。

G:
以前取材させていただいた際にも、台風被害により泥まみれになったHDDからの復旧技術について話していただいたことがありましたが、今回はレコーダーの水没事例ですね。

新名:
はい。この事例で扱った機器は、パナソニック製のHDD搭載Blu-rayレコーダーです。


G:
このような状態からでも復旧可能なんですか?

新名:
まず、内蔵HDDの状態を確認したところ、プラッタ異常や腐食は発生しておらず、外側のPCB基板が破損しているだけの比較的軽い障害でした。そこで、まずはPCB基板上に配置されたICチップを弊社のPCB基板ストックに移植して、その基板を経由してHDDのデータを抽出。さらに、抽出したデータを正常なHDDに複製いたしました。

データの複製自体は100%完了したのですが、HDDを元のレコーダーに組み込まずに映像データを取り出すと「データが細切れになる」「データの名前が消える」といった問題が発生してしまいます。このため、正常にデータを復旧するには元のレコーダーにHDDを組み込む必要がありました。

G:
でも、筐体の方はかなり泥まみれですよね。

新名:
はい。元のレコーダーは、写真を見ても分かるように泥だらけで使用不可な状態でした。そこで、同じ型番のレコーダーを調達しました。しかし、同じ型番のレコーダーであっても個体ごとに固有のIDなどがありまして、オリジナルと異なるレコーダーにHDDを組み込んでも「異常検出」といった警告が表示されて正常に起動できません。そこで、オリジナルのレコーダー内部から固有IDなどが記録されているICチップを取り出し、代わりのレコーダーに移植しました。その結果、正常に起動して保存された映像を確認できるようになったので、Blu-rayやDVDに映像データを移して復旧完了となりました。パッと見た感じでは泥だらけで復旧困難に見えますが、見た目でイメージするよりは難度の低い作業だったと思います。

G:
なるほど。こんなに泥だらけになってしまうと「もうデータは諦めるしかないな」と考えてしまいますけど、デジタルデータリカバリーに相談したら何とかしてもらえるかもしれないということですね。

新名:
もちろんです。先ほどの事例で説明したところと重複する部分もあるのですが、レコーダーのデータを復旧する際はHDDを直すだけでなく、レコーダー自体を直す作業も必要なんです。そこをクリアできないと「初期化を要求される」「エラーが発生する」「HDDを同モデルの別レコーダーに組み込んでも正常起動しない」といった問題が発生するわけです。

こういった問題は、レコーダーごとに固有のIDのようなものがあり、そのIDと内蔵HDDのモデル名やシリアル番号などが紐づけされていることで生じるものです。このため、レコーダーのデータ復旧を行う際は、オリジナルのレコーダーを修理したり、代わりのレコーダーにICチップを移植したりといった作業が必要になるのです。


G:
なるほど。レコーダーには基本的に暗号化がかかっているだけでなく、筐体とHDDの紐づけといった問題も存在するんですね。そうなると、ICチップ移植技術などを保有していない復旧業者に依頼しても、高確率で復旧に失敗してしまうわけですか?

新名:
その通りです。暗号化が施されていないレコーダーも一部存在しますが、少数派です。別の復旧業者で復旧を断られて弊社に持ち込まれるケースが結構多いですね。

◆確実な復旧作業のために自作ツールを開発
G:
デジタルデータリカバリーのスタッフは復旧作業のために自作ツールを開発しているとのことですが、この自作ツールというのは具体的にはどんなツールなのでしょうか?

新名:
例えば、ファイルシステムが破損するとデータが非表示になったり、HDDを認識しなくなったりします。こういった問題を解決するために、ファイルシステムを修復するツールなどを開発しています。基本的にHDDレコーダーでは、各メーカーが独自のファイルシステムを使っています。こういった独自ファイルシステムに対応する修復ツールは出回っていませんし、解析結果も出回っていません。このため、自分でツールを開発する必要があります。

G:
ファイルシステムは、何年か経過すると同じメーカーでも変わってしまうものなんですか?

新名:
そうですね。変わっていくものもありますね。

G:
それに追従して、自作ツールもアップデートを続けているというわけですね。

新名:
そうですね。

◆データ復旧業者の選び方
G:
デジタルデータリカバリーの復旧技術の高さやエンジニアのこだわりが非常に良く伝わってきました。ありがとうございます。

これだけ復旧技術が違うと最初にも言われた通り技術力が大事になってくると思うのですが、データ復旧業者の技術力が高いかどうかわかるようなポイントはあるんでしょうか。

金:
仰る通り、データ復旧は基本的に一発勝負なので、技術力の高い業者を選ぶ必要があります。技術力の高い業者を見分けるには、3つのポイントに注目していただきたいです。まず1つ目のポイントが、「復旧実績を公開しているか」というところです。

G:
たしかに、復旧実績は一目瞭然ですね。

新名:
データ復旧業者は国内に100社以上存在していますが、業者によって技術力に大きな差があります。対応範囲もまちまちで、先ほどのレコーダーの事例のように1社目で復旧不可能と判断された場合も2社目で復旧ができるケースも多くあります。このため、実際の復旧実績や復旧成功率を公開しているかどうかは、データ復旧業者を選ぶ上で重要な指標となります。

2つ目のポイントは、「復旧設備の規模やエンジニアの様子を公開しているか」です。データ復旧業者の中には「自社内に設備がない」という業者も存在しています。弊社では復旧ラボの見学を受け付けているのですが、「ラボの見学が可能か」「ホームページで内部の様子を公開しているか」といったポイントも見ておくことをオススメしています。

G:
なるほど。先ほども設備やストックの規模が復旧率に関係するという話がありましたね。エンジニアの様子についてはどういった点が関係するのでしょうか?

金:
弊社には約40名の復旧エンジニアがいて、その中でも分野ごとに4つの専門チームに分かれています。業者によっては復旧エンジニアが1~2名しかいないという場合もあるので、対応できる機器や症状の幅が違うと思います。手前味噌ではありますが、こういった設備の充実度やエンジニアが社内にいるか否かは、技術力に直接関係しますね。


G:
最後のポイントは何でしょうか?

新名:
3つ目のポイントは、「セキュリティを重視しているか」です。データの復旧依頼をいただくストレージの中には、「法人の社外秘データ」や「個人のプライバシー関連データ」が保存されている場合が多いです。このため、データ復旧業者のセキュリティ対策については、しっかり確認しておくことをオススメします。

具体的には、プライバシーマーク(Pマーク)ISO27001などのセキュリティ規格に準拠しているかどうかを確認すると良いですね。


データ復旧業者を選ぶ際は、ぜひ「復旧実績を公開しているか」「復旧設備の規模やエンジニアの様子を公開しているか」「セキュリティを重視しているか」の3点を確認して、技術力を見極めていただけたらなと考えています。


G:
なるほど、その3つのポイントをすべて満たしているのが、デジタルデータリカバリーということですね。

新名:
そうですね(笑)。弊社ではこれらのポイントを重視しており、高い水準を保つために全社一丸となって取り組んでいます。

G:
なるほど。データ復旧業者を選ぶ3つのポイントをしっかり覚えておきたいと思います。最後になりますが、データを失わないために事前にしておけることは何かありますか?

金:
はい。弊社にご相談いただくお客様のほとんどは「突然機器が壊れてしまった」と仰います。そのため、当たり前ではありますが、「事前にバックアップをしっかり残しておく」ということが非常に大事です。

新名:
弊社では、データ復旧はもちろんのこと、データの消失トラブルを未然に防ぐためのサービスも提供しています。データが失われるトラブルを未然に防ぐための完全自動バックパップサービス「DDB PRO」や、月々の定額料金を支払えばデータ復旧の費用が無料になる「Digital Data Warranty」といった保証サービスも展開しているので、いざという時のために大切なデータを守っていただきたいと思います。

G:
バックアップの大切さ、肝に銘じておきます。本日はありがとうございました。

一同:
ありがとうございました。

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