3基のAIで構成される決議システム「NAGIシステム」を使ってみた
「BERT」「GPT-2」「multilingual-T5(mT5)」の3つのAIを用いて、提起された議題の可否を決議する合議制システム「NAGIシステム」が公開されています。
NAGISystem - a Hugging Face Space by gojiteji
https://huggingface.co/spaces/gojiteji/NAGISystem
使い方は、まず上部のテキストボックスに決議内容を入力し、「提訴」をクリック。
審議中。
結果、承認1・否定2で、議題「新しいコートを買う」は否決されました。残念……。
ならば靴はどうかと改めて聞いてみると、承認2・否定1で可決されました。
この「NAGIシステム」は奈良先端科学技術大学院大学のKoki Tanaka(@gojiteji)さんが開発したもの。
3基のAIで構成される決議システムを開発しました!https://t.co/Ye5qpLcn3D pic.twitter.com/9bbfuuYVMS
— Koki Tanaka (@gojiteji) December 17, 2022
自らリプライで示しているように、「新世紀エヴァンゲリオン」に登場した「MAGIシステム」がモデル。
— Koki Tanaka (@gojiteji) December 17, 2022
システムの概要はブログで公開されています。MAGIシステムは、「新世紀エヴァンゲリオン」作中で開発者・赤木ナオコ博士の科学者としての思考パターンを移植したメルキオール、女としての思考パターンを移植したカスパー、母親としての思考パターンを移植したバルタザールという独立した3つのシステムで構成されていると説明されていました。NAGIシステムではBERTをメルキオール、GPT-2をカスパー、mt5をバルタザールに見立てていて、それぞれに事前学習で別個のタスクを解かせており、与えられた議題に対して「承認」か「否定」かを返します。なお、承認と否定が対になるように学習できているわけではないため、学習データに多く含まれる「否定」が返されることが多い状況になっているとのことです。
NAGIシステムの概要 · gojiteji's Blog
https://blog.gojiteji.com/2022/12/21/nagi-system/
ちなみに、NAGIシステムに「NERV本部の自爆」を提訴したところ、mT5が否定したものの、承認多数で可決されました。
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