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Facebookによる世界最大級のプライバシー漏えい事件「ケンブリッジ・アナリティカ問題」についてマーク・ザッカーバーグは事前に把握していたものの公にすることを取りやめていたことが明らかに


2018年、Facebookが5000万人分の個人データを流出させたケンブリッジ・アナリティカ問題が明らかになりました。この問題を受け、Facebookおよびマーク・ザッカーバーグCEOは政府からの調査を受けることとなり、最終的に5400億円もの制裁金を支払う羽目になったのですが、アメリカ証券取引委員会(SEC)が公開した文書からザッカーバーグCEOはケンブリッジ・アリティカの存在を問題発覚前から把握していたことが明らかになっています。

22-00038-REMD-Releasable-transcript-copy.pdf
(PDFファイル)https://the-citizens.com/wp-content/uploads/2022/12/22-00038-REMD-Releasable-transcript-copy.pdf

SEC deposition shows Zuckerberg misled Congress about Cambridge Analytica timeline | Engadget
https://www.engadget.com/mark-zuckerberg-misled-congress-sec-docs-183809371.html

Zuckerberg weighed naming Cambridge Analytica as a concern in 2017, months before data leak was revealed | CNN Business
https://edition.cnn.com/2022/12/20/tech/zuckerberg-cambridge-analytica/

Facebook held back on naming Cambridge Analytica in 2017 -deposition | Reuters
https://www.reuters.com/technology/facebook-held-back-naming-cambridge-analytica-2017-deposition-2022-12-20/

Zuckerberg Knew of Cambridge Analytica Earlier
https://gizmodo.com/mark-zuckerberg-facebook-meta-cambridge-analytica-1849916617

公的文書の開示要求を行うReal Facebook Oversight Boardが、2019年2月19日にSECが行った証言録取の写しを取得し、2022年12月20日に公開しました。


この文書の中で、ザッカーバーグCEOが「少なくとも2017年にはケンブリッジ・アナリティカの存在を知っていた」と語っていたことが明らかになりました。2017年初頭、ザッカーバーグCEOはFacebookの従業員宛に、Motherboardがケンブリッジ・アナリティカの存在を指摘する記事を送信し、事実確認を行ったと語っています。Motherboardの記事は、ケンブリッジ・アナリティカが個人情報を用いて2016年アメリカ合衆国大統領選挙の投票行動をコントロールしたことを指摘する初期の記事のひとつでした。

なお、ケンブリッジ・アナリティカによるネット戦略の全貌は以下の記事にまとめられています。

SNS情報から個人の趣向を丸裸にし投票行動を自在に操作する影のネット戦略がトランプ大統領を誕生させた - GIGAZINE


SECはザッカーバーグCEOに対して「ケンブリッジ・アナリティカの存在を知ったのはこのタイミングが初めてか」と尋ねたところ、同氏は「恐らく正しいと思います。私の推測では、ケンブリッジ・アナリティカの存在をそれ以前に聞いたことがあったかもしれませんが、彼らが何をしているのかについて知ったのはこのタイミングが初めてだったと思います。問題を認識したので、私は信頼できる人にケンブリッジ・アナリティカの評価を尋ねることにしたのです」と回答し、ケンブリッジ・アナリティカが個人情報を不正利用している可能性を知ったのはこのタイミングが初めてだったと述べています。

また、ザッカーバーグCEOは2017年秋にFacebookがロシアによるアメリカ選挙への介入について非難する声明を出した際、ケンブリッジ・アナリティカを明示的に非難することも検討していたと明かしました。しかし、この声明を出した当日、ザッカーバーグCEOは「キャンペーンのような組織が我々のツールをどのように使用したかについての理解を深めるために調査している」とだけ語り、ケンブリッジ・アナリティカの存在を明らかにすることはありませんでした。


ザッカーバーグCEOがSECに語ったケンブリッジ・アナリティカ問題をどのタイミングで把握したのかに関する言及は、同氏が2019年10月23日に下院の金融サービス委員会で語った宣誓証言の内容と矛盾すると海外メディアのEngadgetを含む複数の有識者が指摘しています。

ザッカーバーグCEOは金融サービス委員会の中では、「(私がケンブリッジ・アナリティカに関する問題を把握した)正確な時期は分かりませんが、恐らく問題が明らかになった頃だったと思います。2018年3月頃だったと思います。間違っているかもしれませんが」と語っていました。


なお、ザッカーバーグCEOの発言内容が食い違っている点について、EngadgetはMetaに問い合わせを行っていますが、Metaは2019年に連邦取引委員会と和解したことを挙げるのみだったそうです。

Facebookが5400億円の制裁金支払いで連邦取引委員会と和解協定、プライバシー関連では過去最高額 - GIGAZINE

by mkhmarketing

ザッカーバーグCEOの発言内容が食い違っている点については、2019年の下院・金融サービス委員会での発言が偽証罪に当たる可能性があるという声もあります。


なお、Real Facebook Oversight Boardが取得したSECの証言録取では、「2018年以前にユーザーデータが開発者から別の当事者に販売あるいは転送されたことがあったと思いますか?」という問いに対し、ザッカーバーグCEOが「覚えていません」と回答したことなども明らかになっています。

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