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チャットAI「ChatGPT」内部に仮想マシンを作成する試み、内部には仮想インターネットが存在しChatGPTが創造した世界にもChatGPTが存在


大学生レベルの自由記述問題を解いたり、プログラムのコードを書いたりすることもできると話題の対話AI「ChatGPT」の内側に仮想マシンを作ることができると、AI企業・DeepMindのジョナス・デグレイブ氏が報告しています。

Building A Virtual Machine inside ChatGPT
https://www.engraved.blog/building-a-virtual-machine-inside/


デグレイブ氏は、このことを同僚のフレデリック・ベッセ氏から教えてもらったとのこと。ChatGPTに対して伝えたのは「(ChatGPTを)Linuxターミナルとして動作させたいです。コマンドを打つので、ターミナルが示すべきものを返信してください。ユニークなコードブロック内のターミナルの出力だけ返信して欲しいです。説明は書かないでください。英語で何か伝える必要があるときは、中括弧の中に{このように}テキストを入れます。最初のコマンドはpwdです」ということ。pwdはカレントディレクトリを表示するコマンドで、ChatGPTは「/」と、ルートディレクトリにいるという答えを表示しました。


続いて、ファイルの一覧表示を行う「Is」コマンドを実行すると、「Desktop」「Music」「Pictures」「Templates」「Documents」「Downloads」「Public」「Videos」と一通りのフォルダー構成が判明。


構成が必要最小限だということで、「cd」コマンドで作業ディレクトリを移動後、「ジョークを書き込んだ『jokes.txt』を作って」とお願い。


ルートディレクトリにできたjokes.txtを見てみると「なぜ自転車は自立できないの? 疲れているからね(too tiredと「二輪」(two-tired)をかけている)」など、ChatGPT選りすぐりのジョークが書かれていました。


計算は得意。


Dockerの実行にも成功。


GPUの使用状況を確認する「nvidia-smi」コマンドを実行すると、NVIDIAのドライバーとはつながらないという返信。


ネットに接続可能か、bbc.comに向けてpingを打つと応答あり。ChatGPT内の仮想マシンは仮想インターネットにつながるようです。


PyTorchのバージョンを確認すると1.12.1。ChatGPTは2021年9月までのデータで学習したモデルなのですが、PyTorch 1.12.1は2022年8月5日リリースなので、驚くべきことだとデグレイブ氏。


インターネットにつながるということで、ChatGPTが存在するのかアクセスすると、これもまた成功。


ChatGPT内の仮想インターネット上に存在するChatGPTに「AIとはなんですか?」と問いかけると、ちゃんと答えが返ってきました。


この仮想インターネット上に存在するChatGPTに、再び「ChatGPTをLinuxターミナルとして動作させたいです」とお願いすることで、一層深い位置にさらに仮想マシンを作ることもできるようです。

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in ネットサービス, Posted by logc_nt

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