ハードウェア

ピザ作りにAIとロボットの技術が導入されつつある


画像や文章の自動生成、画像や動画からの顔認識など、人工知能(AI)アルゴリズムは日進月歩で進化しています。AI技術はピザ作りにも応用され始めており、人間よりも素早く安価にピザを作るロボットが開発されています。そんなピザ作りに応用されるAIとロボットについて、ニュースメディアのAxiosが解説しています。

Attack of the pizza-making robots
https://www.axios.com/2022/10/04/robot-pizza

宇宙企業・SpaceXの元ロケット科学者が設立したStellar Pizzaは、ピザロボットを搭載したトラックを開発しています。


Stellar Pizzaのロボットがどんなものなのかは以下のムービーを見るとよくわかります。

Taste testing pizza made by a robot - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gkhH7A3lv7I

さらにアメリカのスタートアップであるPicnic Worksは、たった1人の人間によるチェックの下で1時間に最大100枚のピザを作る施設を計画しています。

Picnic Worksのクレイトン・ウッドCEOは「ロボットはレシピ通りに調理するので、人間よりもより良品質なピザを作ることができます」と述べています。特にピザに使われるチーズは調理材料の中でも最も高価かつ最も大量に使われるもので、人間が作る場合は1枚当たりのチーズの量がバラバラになったり無駄に使ってしまったりしがち。しかし、ロボットなら正確にチーズを使用するので、ロスも減らせるというわけです。


アメリカ・ニュージャージー州のPizzaHQではピザを自動で調理するロボットを設置した巨大店舗を展開する計画を立てているとのこと。実際に開発されたPizzaHQのロボットは以下のムービーで見ることができます。

The Future of Pizza is...Robots in New Jersey?! ???? - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=CvCZFsyFTV4

実際にPizzaHQはPicnic Worksからピザ製作ロボットをリースしており、直径16インチ(約40cm)のピザを1枚9.99ドル(約1475円)で販売しています。また、店頭で上映しているピザを製作する過程のライブ配信は、ピザを買いに来た客から好評だそうです。

しかし、ロボットを導入して必ずしも成功するとは限りません。「生地を伸ばしてトッピングを載せて釜で焼く」という一連のピザ調理をすべてAIで制御してロボットで行うのはかなり難度が高いそうで、Stellar Pizzaの共同設立者であるベンソン・ツァイCEOは、「私は元SpaceXのエンジニア30人のチームでピザ調理のロボットを開発しましたが、その設計は非常に困難でした」と述べています。


ソフトバンクから3億7500万ドル(約554億円)を調達したZume Pizzaはピザ製作ロボットを独自に開発しましたが、「チーズがいたるところに滴り落ち、生地にはソースがちょっとしか塗られていない」と苦情が殺到し、ピザ調理ロボットの開発を断念しました。

また、ピザに使われる具材はロボットが認識するため、大きさや形が制限されます。PizzaHQのジェイソン・ウドリヤCEOは「ピザのトッピングは8分の3インチ(約9.5mm)サイズの粒状かサイの目状にカットされている必要があります。しかし、ブロッコリーの加工は難しいですし、オリーブは水分含有量が高いので、機械でうまく扱うのは難しものがあります」と述べています。


ウドリヤCEOは「ロボットが作るピザに人々が慣れるまでが、一つの山場です。『ロボットが作るピザなんておいしいわけがない』と反発する人が多いのです。しかし20年後にはすべてのピザがロボットによって作られているでしょう」とコメントしました。

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in ハードウェア,   動画,   , Posted by log1i_yk

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