「GIGAZINEマンガ大賞」2022年9月度募集開始&マンガ作者が連載するために必要なソフトや手順をまとめてみた
応募を考えている方や実際に連載を控えるマンガ作者から「連載のためにPCなどを買い替える必要はある?」「アシスタント代や有料のファイル共有ソフトなどの負担は必要?」など質問されることがあります。GIGAZINEマンガ大賞では、応募する際のQ&Aや、連載作業を行うに当たって不安な点などをまとめたフリーランスのためのガイドラインをまとめていますが、より具体的に「マンガ連載は実際にどのように行っているのか」をまとめてみました。GIGAZINEマンガ大賞はマンガや原作脚本といった作品、ポートフォリオによる作画・ネーム構成応募のほか、ヘルプとして参加する応募も大募集中ですので、それぞれ募集要項と合わせて連載の流れもチェックしてみてください。
◆「GIGAZINEマンガ大賞」募集要項はこちらから
募集要項は既に読んだのでとにかく応募!という人は応募フォームからお願いします。
◆ポートフォリオを送って作画担当・ネーム構成担当・作画ヘルプの応募
◆マンガ大賞応募のススメ「マンガ連載は実際にどのように行っているのか?」
マンガの連載に際して「連載のために必要なソフトや購入すべきアイテムはある?」など質問されることがあります。連載準備として複数のソフトを導入して必要な操作を覚えていただく必要はありますが、無料以外のソフトの料金や、色塗りや背景描画を手伝ってくれる「ヘルプ」の作業料など、マンガ作者に負担いただくことはなく、従来使用しているPCや作画用ソフトのみ用意いただければOKです。そこで、「実際にどのようなサービス・ソフトをどのように使って連載を進めているのか?」という流れをまとめてみました。
まず、進捗管理や作品の修正などを含む打ち合わせはタスク管理ソフトのTrelloで行っています。以下は「ご主人様にんにく臭いです!」の進捗管理ページ。ここでは、基本的に新しいネームが完成したらTrelloに「〇話ネーム」と新規タスク作成してマンガ作者から連絡し、そのタスクから原稿をチェックして修正点などを打ち合わせます。その他、キャラクターデザイン用のタスクがあったり、原作・作画が分かれている場合はそれぞれタスクが分かれていたりと、作品によって異なる対応となっています。
Trelloはブラウザで動作する無料サービスのため、連載準備としてはログイン用のIDとパスワードを確認してもらうのみでOK。また、スマートフォン版も利用する事で、通知を受け取って連絡しやすくなるため、アプリのインストールとログインまで行うと便利になっています。
次に、作業時間計測ソフトのTogglを用いて実際の作業時間を計測します。Togglを用いて作業時間を記録することで、「制作途中のどこかで極端に詰まっていないか?」ということをチェックできたり、キャラクターデザインなどの作業時間を記録して作業料を請求したりといったことが可能です。また、「ヘルプ」の作業状態もTrelloおよびTogglで管理し、Togglから請求書を送ることで、作者ではなくGIGAZINEがヘルプ代金を負担しています。
ファイルサイズが大きい原稿ファイルを共有する際には、SynologyのNASの機能を使った「SynologyDrive」で行っています。SynologyDriveはリアルタイムでデータを共有していくため、ファイルをダウンロードする手順が必要ありません。共有用に指定したフォルダに、共有したいファイルを移動すると……
同じフォルダを共有しているユーザーに、即座にファイルが共有されます。
また、「チェックのために原稿を受け取るがこちらから送る必要がない」という場合には、同期設定を「SynologyDriveからのみデータをダウンロード」とすると、「受け取った側で元の原稿を間違えて上書きしちゃった」というようなことが避けられます。
SynologyDriveを使用するためにマンガ作者が負担する費用はありませんが、ファイルを保存・共有するためには十分なハードディスクの容量が必要です。そのためのPCやHDDは用意いただく必要がありますが、SynologyDriveには容量を節約しながら使用する方法もあります。SynologyDriveは常に最新のファイルをダウンロードしますが、同期設定の「同期モード」から「オンデマンド同期を有効化してデスクスペースを節約します」にチェックを入れると……
共有したファイル名の横に、以下の画像のように「雲のマーク」が表示されます。これは、「ファイルが共有・更新されたけどダウンロードはしていない」という状態を示しています。ためしに雲マークが付いたファイルをクリック。
すると、クリックしたタイミングでファイルのダウンロードが行われて、ファイルを開くことができます。これを用いると、ダウンロードの手間と待ち時間が少し増えてしまいますが、必要なファイル以外はダウンロードしないことで、ハードディスクの容量が不安でも共有がしやすくなっています。
また、SynologyDriveでは、ファイル共有ソフトを使用する際に起こりがちな「ファイルを間違えて削除してしまった」「古いファイルで上書き保存してしまった」というようなミスもリカバリーできます。「Hyper Backup」という機能を用いると、毎日SynologyDriveフォルダ内全体をバックアップできます。
そのため、例えば「9月1日の作業で間違えて古いデータで最新のファイルを上書きしてしまった」という場合には、「8月28日のファイル」に時間を巻き戻して回収することで、最新のファイルを取り戻すことができます。これにより、9月1日の作業は失われてしまいますが、「ファイルがなくなってしまう」という事故を避けることができます。
その他、応募で気になることがありましたら、こちらをクリックしてお問い合わせしてみてください。それでは応募をお待ちしております。
◆「GIGAZINEマンガ大賞」募集要項
・GIGAZINEでマンガを連載すると……?
・完全リモート&作業タイミングもお任せ
・連載マンガはGIGAZINEに掲載されるから、とにかくまず読んでもらえる
・厳密な締切はなくスケジューリングしやすい
・ジャンルやターゲットの制限なし、面白ければなんでもOK
・色塗りや背景を任せられるアシスタント完備(自費の必要はありません)
・まだ若いレーベルのため、ベンチャー企業のように意見や要望が通りやすい!
・「法律とか税金とか知識がないけど大丈夫?」や「編集との連載作業ってどうなの?」といった、フリーランスとしてやっていくことに対する不安がある人のために、経済産業省のガイドラインに合わせて「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を公開しています。疑問や不安になりやすい点をQ&Aでまとめているので確認してみてください。
などなど。ほかにも「これはどうなの?」ということがありましたらこちらをクリックしてなんでもお問い合わせしてください。
・基本条件:
・スマホでも読めるのが前提(見開きナシ、縦スクロール基準)
・フルカラー、フルデジタル(白黒の場合は「原作」として扱う場合がありますが、応募自体は大歓迎です)
・ジャンル自由で「第1話」の完成原稿とそのメイキング資料であること。メイキング資料はキャラクターデザインや設定のほか、ストーリー全体のあらすじを200~800文字程度の範囲でお送りください。応募内容に不足があると審査が進められない場合がありますので、予めご了承ください。
・原稿フォーマット:
縦横比率・ファイルサイズ・解像度は「姫とゲーマー」を参考にして下さい。
・原稿枚数:
自由。何ページでもOK。
・その他:
・既に自分で他メディアやプラットフォームにて発表済みの一次創作OK
・雑誌には掲載されたが単行本化されなかったor途中でやんごとなき事情で打ち切られてしまったという作品もOKです。あきらめないでください。
・締切日:
2022年9月30日金曜日、23時59分59秒
・審査プロセス:
編集部による1次選考後、以下のような審査プロセスを予定しています。審査のプロセスや段階については多少変更する場合がありますので、第1段階審査前に別途説明と確認をお送りします。
第1段階:GIGAZINEシークレットクラブメンバーだけが閲覧可能なクローズド環境による評価+編集部によるメイキング資料を含めた評価
↓
第2段階:より連載を意識した形式で、「第1話原稿」や「最終話までのプロット」など必要事項を追加作成いただいた上での審査。ここまで進出した段階で、ほぼ何かしらの形で連載を約束します。
↓
最終段階:連載形式の原稿にて、GIGAZINE編集長による審査+GIGAZINEシークレットクラブメンバーによる評価+GIGAZINEで連載中の作家などゲスト審査を行い総合的に大賞受賞者を決定します。また、最終段階に残った時点で連載は確約いたします。
・報奨:
1次審査を通過し第1段階に選ばれた全員:
賞金3万円
第2段階進出:
追加で賞金2万円+連載に向けて担当編集がつきます
最終段階進出者:
最終段階進出時点で追加賞金5万円(計10万円)+応募作品をブラッシュアップした上での連載確約
入賞以上:
追加賞金10万円~+連載確約
大賞:
賞金100万円+応募作品そのままで連載確約
・応募作品の選考結果
最初の第一段階審査に進んでいただく作品については、応募月の翌月末までに応募時のメールアドレスへ審査の詳細についてご連絡差し上げます。
それ以外の場合、審査結果の通達は基本的に行っておりませんのでご了承下さい。
・受賞後の流れ
GIGAZINEで連載形式で掲載を終えた後、電子書籍化しAmazonで販売します。それぞれ規定の原稿料・ロイヤリティをお支払いします。電子書籍の販売・宣伝もGIGAZINEが責任を持って行います。
・質問受付フォーム:
応募するにあたっての疑問点があればこちらをクリックしてお問い合わせしていただければ大丈夫です。同じような質問が続く場合はFAQとしてまとめますので、ご理解とご協力をお願いします。
・マンガ大賞応募フォーム:
こちらをクリック
◆作画担当・ネーム構成担当・作画ヘルプの応募
・「作画のみ」応募方法:
マンガ大賞応募フォームに、ポートフォリオのURLや作品集を見せていただければOK。「その他」の欄に「作画のみ応募」と記載してください。ポートフォリオ用のイラストやマンガについて枚数の制限はなく、何枚以上必要というラインもありませんが、多ければ多いほど評価を得やすいです。
・「ネーム構成担当」応募方法
テキストの原作脚本をネームに起こす「ネーム構成」も募集しています。作画のみと同じく、ポートフォリオや過去に制作した作品ネームやマンガ作品について、できる限り多く送信してください。
・「作画のみ」「ネーム構成」の審査フロー:
ポートフォリオを見ての第1段階審査通過分についてはフォームを送信いただいた翌月までにご連絡を差し上げるため、第2段階審査で実際にお試し原作で描いてもらい、通過後、最終段階の投票審査に回します。
・報奨:
第1段階のポートフォリオ審査を通過し第2段階に参加:
賞金5万円
※ここでの審査は追加の原稿作業を要するため、第2段階に進出・参加いただいた全員に奨励金が発生します。
最終審査で入賞以上:
追加賞金10万円+連載確約
大賞:
追加賞金20万円+連載確約
※原作脚本の都合により、即座に連載に入ってもらえるとは限りませんが、優先的に提案するという形で連載を確約します。
・ヘルプ応募の手順:
フルカラーのマンガを制作するサポートをしてくれるヘルプも募集しています。キャラなどの下塗りやテキスト配置、背景ヘルプも歓迎。完全リモートで自宅にいながら可能なタイミングのみ参加いただくことができます。
・条件:
特に無し。「作業可能ならタスクリストから引き受けるものを選んで作業する」という流れになるため、忙しい時期は不参加ということも可能です。
また、ヘルプで参加しながらおこづかい稼ぎとスキルアップをしつつ、オリジナル作品を制作して編集に提案、ということもOKです。
・報酬:
「色塗りヘルプ」「背景ヘルプ」は作業管理ソフトで時給を計算します。時間給は初めはお試し期間として設定し、そこから作業練度や貢献できる数などによってアップさせていきます。
「ネーム構成」の場合は1ページ当たりの原稿料で計算します。
・応募方法:
GIGAZINEマンガ大賞応募フォームから、「作品ファイルダウンロード用のアドレス・URL」の代わりに「過去に作業したカラー原稿やポートフォリオ」を閲覧できるURLを貼り付けて下さい。また、最後の「その他こちらが知っておくべき必要な情報など」に「色塗りヘルプ」「背景ヘルプ」「ネーム構成」どれを希望するか該当するものを入力して下さい。
・マンガ大賞応募フォーム:
こちらをクリック
◆原作脚本募集要項
・第1話原稿に加えて、1話から最終話までのプロット(あらすじ)を合わせて用意してください。あらすじは作品全体の流れを詳細に、100字~800字でまとめて原稿の最初のページに記載をお願いします。
・1次審査では単純な話の面白さと1話の完成度を見ます。2次審査から最終審査に進んだ場合は、実際にマンガ原作を作成することを意識した「ト書きの脚本を最終話までコンスタントに作成できるか」を審査します。
・「原作のみ」で文字のみの応募の場合は、Googleドキュメントに本文を貼り付けた後、共有リンクのアドレスを応募フォームに記載してもらえれば大丈夫です。その場合、応募後にドキュメントの編集は行わないようにお願いします。
・Googleの共有設定が「リンクを知っている全員」になっていることを確認してください。「制限つき」のままだと応募された作品を読むことができません。詳しくはGoogleドキュメントヘルプの「ファイルを一般公開で共有する」をチェックしてください。
・報奨:
1次審査を通過し第1段階に選ばれた全員:
賞金3万円
第2段階進出:
追加で賞金2万円+連載に向けて担当編集がつきます
最終段階進出者:
最終段階進出時点で追加賞金5万円(計10万円)+応募作品をブラッシュアップした上での連載確約
入賞以上:
賞金10万円+連載確約
大賞:
賞金20万円+応募作品そのままで連載確約
※作画担当とのマッチングの関係上、即座に連載に入ってもらえるとは限りませんが、優先的に提案するという形で連載を確約します。
応募フォームはこちらをクリック
マンガ大賞の選考フローには「GIGAZINEシークレットクラブ(GSC)・クローズド審査」があります。GSCメンバーの人はもちろん、まだメンバーじゃないよという方も、ぜひこの機会にGSCの一員となって、未来の名作の誕生に立ち会ってください。GIGAZINEシークレットクラブへの登録はこちらから。
それでは、クリエイターの皆さまの応募を心よりお待ちしております。よろしくお願いします。
・関連記事
全11話フルカラー&描き下ろしマンガ&先行収録もあり&秘蔵のプロト版も読める「とにかくイジメたい朝日奈さん」単行本をリリースしました - GIGAZINE
「GIGAZINEマンガ大賞」応募要項詳細&GIGAZINEマンガ大賞を始めるにあたって - GIGAZINE
マンガ「あめあめふれふれうそやんで」単行本をリリースしました&表紙メイキングはこんな感じ - GIGAZINE
マンガ「魔道書交換日記」単行本をリリースしました&新作マンガ情報&Adobe Indesignの苦節メイキング - GIGAZINE
マンガ「魔道書交換日記スピン」単行本をリリースしました&単行本表紙イラストのメイキングはこんな感じ - GIGAZINE
マンガ「姫とゲーマー」の電子コミックスがリリース、本編や応援イラストに加えて設定資料も盛りだくさんのフルカラーコミック - GIGAZINE
2019年「GIGAZINEマンガ大賞」のイラストや秘蔵のメイキングをまるっとまとめたイラスト集で10年台最後の年を振り返る - GIGAZINE
・関連コンテンツ