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「Huawei機器が実はアメリカ国防総省の核兵器に関する通信を傍受することができた」とFBIが主張


国内の通信インフラの安全を脅かすとの懸念から、アメリカでは中国の通信事業者であるHuaweiの機器を通信インフラから排除することに力を入れており、すでに国内各地に配備されたHuawei製の機器に対しても厳しい調査のメスを入れています。そのような状況の中、とあるアメリカの民間企業が配置したHuawei製機器が「中国に情報を送信することが可能だった」とFBIが懸念していることが報じられています。

CNN Exclusive: FBI investigation determined Chinese-made Huawei equipment could disrupt US nuclear arsenal communications - CNNPolitics
https://edition.cnn.com/2022/07/23/politics/fbi-investigation-huawei-china-defense-department-communications-nuclear/

問題となった機器が配備されているのは、アメリカのワイオミング州・F.E.ウォーレン空軍基地の近くにある通信塔です。


この塔を使用するのはアメリカのインターネットサービスプロバイダーであるViaero。Viaeroは2014年頃から塔に高解像度の監視カメラ数十台を取り付け、天気や交通状況を24時間365日生配信し、地元の報道機関と共有するサービスを開始していました。この監視カメラの一部に、Huawei製のネットワークカメラが使用されていました。

しかし、このカメラは空軍基地の装備や人員の動きを偶然にも捉えてしまっており、カメラが捉える映像を中国政府が閲覧している可能性が高く、場合によってはネットワークに侵入し、カメラを制御することが可能であったとFBIは考えているとのこと。なお、FBIはHuawei製機器が軍の使用する高度に制限された電波を傍受し、重要な通信を妨害したり、中国政府にアメリカの核兵器に関する情報を送信したりしていたとも指摘しています。

FBIは「厳重に守られた軍事施設の活動パターンを追跡する能力を他国に与えてしまった」として調査を行っているとのことですが、実際に何らかのデータが傍受された形跡や、中国にデータが送信された形跡が見つかったのか否かは不明です。この問題に詳しい関係者によると、技術的な観点から、何らかの情報が盗まれて海外に送信されたことを証明するのは非常に難しいとのこと。


アメリカは2020年にHuaweiおよび中国通信事業者のZTEを「国家安全保障上の脅威」に指定し、実質的な国内からの排除を画策。2021年には「安全な機器に関する法律(Secure Equipment Act)」を制定し、政府組織のみならず民間企業からもHuawei・ZTE製機器を一掃することを目指しています。しかし、両社の機器を完全にアメリカのネットワークから排除するには56億ドル(約7600億円)もの費用がかかると見積もられており、実現には時間がかかっているのが現状。この費用は全額政府から拠出されるはずが、2022年7月時点で資金が30億ドル(約4100億円)以上不足しているため、政府は撤去費用の約40%を支給する方針に切り替え始めていると伝えられています。政府には2万件を超える撤去申請が送られているものの、実際にはまだ撤去されていないとのことです。

FBIが上記のような懸念からHuawei製機器を調査する一方で、Viaeroは中国がカメラを制御する可能性があったという主張に疑問を抱いています。Viaeroいわく、同社はカメラ設置の際に自社ネットワークのサポートとメンテナンスをHuaweiから引き継いでおり、不適切な行為が行われていないかを正確に把握しているとのこと。

また、Viaeroは「カメラが映す範囲に軍基地があることは把握していたものの、軍からカメラを外すよう要請されたことはない」と述べています。FBIが調査しているという今回の報道も、FBIからではなく新聞記事から初めて知ったとフランク・ディリコCEOは話しています。ディリコCEOは政府の「Huawei製機器を撤去せよ」という主張には理解を示す一方で、中国の諜報機関がHuawei製機器を悪用することができるという主張には同意しないと述べました。


Huaweiは今回の件に関し「アメリカに輸入される当社の製品はすべて、アメリカで展開する前に連邦通信委員会(FCC)によるテストと認証を受けています。当社の機器はFCCが商業用に割り当てている周波数帯でのみ動作し、国防総省に割り当てられている周波数帯にはアクセスできません。30年以上にわたってHuaweiはサイバーセキュリティで確固たる実績を維持しており、我々はいかなる悪意のあるサイバーセキュリティ事件にも関与したことはありません」という声明を発表しています。

FBIはHuawei製機器が軍の使用する高度に制限された電波を傍受する能力を持ち、重要な通信を妨害し、中国政府にアメリカの核兵器に関する情報を送信できるようにしていたのは間違いないと考えており、Viaeroの例だけでなく複数の企業を調査しているとのこと。一方で当局は「Huaweiの技術が国家安全保障に脅威を与えている」という主張を裏付ける証拠を提供することを拒否しているため、一部の評論家からは「外国人嫌いの行き過ぎた行為である」と非難されています。また決定的な証拠がないことから、アメリカ当局が「中国の合法的な投資」と「スパイ行為」を切り分けられるかどうかは不明という疑問も生じていると伝えられています。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1p_kr

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