動画

自動で歯を磨いてくれるマイクロロボットが開発される


口内を健康に保つには毎日のケアが重要で、特に歯磨きは欠かさず行う必要があります。ペンシルバニア大学の研究チームが、歯磨きや歯間掃除を自動化するためのマイクロロボットを開発したと発表しました。

Surface Topography-Adaptive Robotic Superstructures for Biofilm Removal and Pathogen Detection on Human Teeth | ACS Nano
https://doi.org/10.1021/acsnano.2c01950

Shapeshifting microrobots can brush and floss teeth | Penn Today
https://penntoday.upenn.edu/news/penn-dental-engineering-shapeshifting-microrobots-can-brush-and-floss-teeth

マイクロロボットは触媒作用と磁力を持つ酸化鉄のナノ粒子で、磁場を利用して動きや形状を制御し、ブラシ状に変化します。そして、歯と歯茎の間、あるいは歯と歯の間から汚れをかきだしてくれるとのこと。また、触媒作用によって過酸化水素を活性化することで虫歯の原因となる菌を殺菌したり、歯垢を分解したりすることもできるそうです。


研究チームは歯科医院で3Dスキャンした人間の模擬歯や本物の歯を対象に、マイクロロボットの概念実証実験を行いました。その結果、マイクロロボットがさまざまな形状に変化し、虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムを除去することに成功したそうです。

実際にマイクロロボットによって3Dプリントされた模擬歯の間を掃除する様子を、以下の画像をクリックすると再生されるムービー(約10MB)で見ることができます。


このマイクロロボットのメリットは一連の歯磨きのプロセスを自動化するだけではなく、人によって大きく異なる歯や歯間、歯肉の形状に細かく対応できるという点もあります。酸化鉄ナノ粒子はすでにアメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を受けており、歯茎など口腔内に害を与えないことが実験でも示されました。


ペンシルバニア大学歯学部矯正歯科学科・地域口腔保健学科・小児歯科学科のヒュン・ミシェル・クー教授は「歯を磨き、歯間掃除をし、口をすすぐというのは手作業による多段階プロセスです。日常の口腔ケアは面倒であり、多くの人々、特に歯磨きを困難とする人々にデメリットをもたらします。このマイクロロボットシステムは、ハンズフリーかつ自動化された口腔ケアプロセスであり、歯磨き・歯間掃除・すすぎをすべて行うことができます」と述べました。

また、クー教授は「私はこの技術を、老人の方や障害をお持ちの方にぜひ使っていただきたいと思っています。このマイクロロボットは従来の歯磨きのあり方を破壊し、口腔医療を大きく前進させるものだと信じています」とコメントしました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
こまめな歯磨きが糖尿病のリスクを軽減する可能性があるとの研究結果 - GIGAZINE

一般人よりも健康に気を遣うアスリート選手に虫歯が多い理由とは? - GIGAZINE

アルツハイマー病の原因候補に「歯周病菌」が浮上、歯磨きがアルツハイマー病予防に役立つかも - GIGAZINE

オレンジジュースは歯磨き直後に飲むとマズく感じる - GIGAZINE

なぜ白い歯が黄色に変色してしまうのか? - GIGAZINE

「歯磨き粉で歯を磨く」という習慣はいつから私たちの生活の一部になったのか? - GIGAZINE

in サイエンス,   動画, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.