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映画「トップガン」のもとになったのは作家エフード・ヨネイのトップガン取材記事

by tormentor4555

トム・クルーズの代表作であり、30年以上を経て公開された続編「トップガン マーヴェリック」も大ヒットしている映画「トップガン」。脚本はジム・キャッシュ氏とジャック・エップス・ジュニア氏が手がけましたが、本作について、プロデューサーのドン・シンプソン氏とジェリー・ブラッカイマー氏は映画公開の3年前に雑誌に掲載された記事にインスピレーションを受けたことを明言しています。それが、イスラエル人作家エフード・ヨネイ氏が2人のパイロットを中心に、戦闘機搭乗員養成を行う「トップガン課程」のことを描写し、自らも戦闘機に搭乗してドッグファイト訓練に参加したというレポート「TOP GUNS」でした。

The story of the US Navy F-14 Tomcat aircrew that inspired the Legendary Top Gun Movie - The Aviation Geek Club
https://theaviationgeekclub.com/the-story-of-the-us-navy-f-14-tomcat-aircrew-that-inspired-the-legendary-top-gun-movie/


映画「トップガン」の中でトム・クルーズ演じるパイロット、ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル大尉と、アンソニー・エドワーズ演じるレーダー迎撃士官のニック・“グース”・ブラッドショー大尉はミラマー海軍航空基地にあるアメリカ海軍戦闘機兵器学校(NFWS:通称TOP GUN)で訓練を受けます。

ヨネイ氏は映画が公開されるより3年前の1983年5月、雑誌「California magazine」に「TOP GUNS」と題した記事を掲載しました。その内容は、第1戦闘飛行隊に所属するF-14パイロットのアレックス・“ヨギ”・ナーキス大尉とデイヴ・“ポッサム”・カリー大尉がミラマー基地でトップガン課程に参加するまでのあらましと、トップガン課程でどのようなことを行い課程を終えたかを記したレポートです。


自身も海軍パイロットで、のちに映画「トップガン」の空戦インストラクターを務めたデイヴ・“バイオ”・バラネック氏は、ヨネイ氏のレポートを「信じられないほど鮮やかな文章で、読者をコクピットに連れて行った」と表現しています。

ヨネイ氏によると、ヨギ大尉とポッサム大尉は最初こそ講義とブリーフィングを受けていたものの、すぐにインストラクターとの1対1の空戦練習、さらに2対2の空戦練習と実技に入っていき、開始から1カ月後には、モハーヴェ砂漠で敵のレーダーをかいくぐることを想定した高度500フィート(約150m)での飛行を行うようになりました。ヨギ大尉とポッサム大尉は約1年かけてコースを修了し、第1戦闘飛行隊に帰隊しました。

ヨネイ氏自身も実際にトップガン課程のドッグファイトに参加しています。F-14への民間人搭乗は認められていなかったため、搭乗したのはF-5で、相手はヨギ大尉とポッサム大尉のF-14でした。雨が降る中を離陸して、白い雲の中を飛んでいるときは「ほとんど、性的な喜びに近いものがあった」というヨネイ氏ですが、ドッグファイトが始まるとオブザーバーのような気持ちは吹っ飛び、息ができなくなり、まぶたすら重いというGを体感することに。およそ30分にわたって「古典的な空中技」を体感したヨネイ氏には、断片的な記憶と肉体的拷問を受けたような感覚だけが残り、一方で、逆さまに飛ぶような、一番難しいと思っていた技は拍子抜けするような印象だったとのこと。

このドッグファイトの中でヨネイ氏は、カメラを手元に取ることも、相手のF-14を目で追うこともできず、「人生でこれほどまでに役立たずだと感じたことはなかった」という感想を残しています。

フライトは全部で1時間ほどで、終わった後、ヨネイ氏はうずくまることもできないほど全身の筋肉が痛く、疲れ切っていて、また少しの吐き気もあり、ただただ眠りたかったとのことですが、「彼らによれば、最初が一番つらいそうだから、また行きたい」とやる気も見せています。

ヨネイ氏の記事は、バラネック氏のサイトで写真込みでほぼ全文を読むことができます。

TOPGUN DAYS - Top Guns, by Ehud Yonay
http://www.topgunbio.com/top-guns-by-ehud-yonay/

また、ヨネイ氏の取材対象だったヨギ大尉が、この「TOP GUNS」の背景を自ら語った手記が、同期の集まりのサイトで公開されています。ヨネイ氏は2012年に亡くなっており、ヨギ氏は「取材の手強さを笑い、記事のダイナミックさを称賛し、映画『トップガン』のもとになったことを祝う機会を失ったのが残念でなりません」とコメントしています。

THE STORY BEHIND “TOP GUNS,” EHUD YONAY’S ARTICLE THAT INSPIRED THE HIT MOVIE “TOP GUN”
https://www.usna1978.org/wp-content/uploads/2020/07/THE-STORY-BEHIND.pdf

なお、トップガン課程の実像についてはバラネック氏の著作「F-14 トップガンデイズ」でも語られています。

F-14トップガンデイズ | D.バラネック, 茂木 作太郎 |本 | 通販

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in メモ,   乗り物, Posted by logc_nt

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