犬のうんちをレーザーで示して拾いやすくする「スマートうんちガイドシステム」を開発した猛者が現れる
犬の飼育において「うんちの処理」は必ずつきまとう問題であり、「散歩の途中でうんちをさせている」という飼い主もいれば、中には「庭で自由にうんちをさせている」というケースもあります。庭でうんちをさせる場合は飼い主が後でうんちを拾わなければなりませんが、庭のどこにうんちがあるのか探すのが面倒だったり、最悪の場合はうっかりうんちを踏んでしまうこともあります。そんな問題を解決するため、犬のうんちがある場所をレーザーポインターで示して拾いやすくする「スマートうんちガイドシステム」をCaleb Olsonさんが開発し、その仕組みなどを解説する動画を投稿しました。
Smart Laser Helps Dog Owner Pick Up Forgotten Poop
https://gizmodo.com/dog-tech-smart-robot-laser-arm-poop-maker-security-came-1848974458
Olsonさんが投稿した動画は2本あり、そのうちの1本目は「犬がうんちをした場所をAIで検出できる」というシステムについてのものです。
Building an AI Dog Poop Detector for my Backyard - YouTube
Olsonさんが手に持っているのは、愛犬「トゥインキー」の似顔絵。
雪の中を駆けめぐるトゥインキー。
トゥインキーは自宅の庭でうんちをしているそうで……
Olsonさんは後でまとめてうんちを拾っているとのこと。しかし、トゥインキーは庭のあちこちにうんちをするため、仕事などで目を離していると庭のどこにうんちがあるのかわからなくなり、歩き回って探さざるを得ないそうです。
そこでOlsonさんは、庭に設置しているセキュリティカメラを利用して、「庭のどこにうんちがあるのかを自動検出するシステム」を作れないかと考え始めました。
インターネットで利用可能な画像認識ツールを探したOlsonさんは、動物の動画や画像から関節位置を推定・追跡するために開発された「DeepLabCut」というツールに目を付けました。
Olsonさんが考案したシステムは、うんちそのものの位置を見つけるのではなく、「トゥインキーがうんちをする姿勢」を検出することによってうんちの位置を特定するというもの。普段は庭を自由に歩き回っているトゥインキーですが……
うんちの時はしゃがみ込んで尻尾が立った特徴的な姿勢になった上で、しばらくその場で静止します。
そこでOlsonさんは、「トゥインキーがうんちをする姿勢」において特徴的な背骨や関節の位置をマッピングして、トゥインキーのみを識別できるようにAIを訓練しました。
AIはさまざまな条件に基づいて「うんちをした可能性」をスコア付けして、一定のスコアを上回ると「うんちをした」と判断します。
訓練とフィードバックを繰り返すことにより、AIは真夜中だろうと体の一部が画面外にはみ出ていようと、かなり正確にトゥインキーのうんちを検出できるようになったとのこと。
もちろん、トゥインキーに似た何者かが同じようなポーズを取ったとしてもAIはだまされません。
トゥインキーがうんちをした場所は画面上にマッピングされ……
Olsonさんはスマートフォンの画面からもうんちの位置を確認可能。
うんちを探して庭をうろつき回る必要もなく、スムーズにうんちを拾うことができました。
ところがOlsonさんは上記のシステムに満足せず、うんちのある場所をレーザーポインターで表示できるように改良を施した「スマートうんちガイドシステム」を開発し、2本目の動画でシステムについて解説しています。
Building a Robot Laser-Guided Poop Pickup System - YouTube
前回、トゥインキーがうんちをした場所を検出するシステムを作成したOlsonさんでしたが、このシステムには1つ大きな問題点がありました。
「スマートフォンの画面を見ながらうんちを拾うのはめんどくさすぎる」というものです。
そこで、海外掲示板のRedditにあった「レーザーポインターでうんちの場所を示してみては?」という意見を参考にして、Olsonさんはシステムの改良を行うことにしました。
安価でプログラム可能なロボットアームを購入し、その先端にレーザーポインターを設置。
プログラムに応じてポインターを動かせるようにしました。
Olsonさんが利用したのは、オープンソースのコンピュータービジョン向けライブラリであるOpenCV。
セキュリティカメラの映像からX軸とY軸を検出し、所定の場所にレーザーポインターを照射できるようにしました。
レーザーポインターの照射を始めるには……
セキュリティカメラに向かって「X」のポーズをするだけでOK。
すると、最も近い位置にあるうんちにレーザーポインターを照射してくれます。
Olsonさんがうんちを拾った姿勢を検出すると、次に近いうんちへレーザーポインターが照射されます。
これを繰り返すことにより、スムーズな「うんち拾いの旅」ができるというわけです。
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