うんちの画像を募集して「うんち画像データベース」の構築を目指す企業が登場
by Alexas_Fotos
研究者は特定の対象を研究する際に、大量のデータを集めることがありますが、時に「ペニスの写真」など人々が予想も付かないものを広く募集することもあります。Seedという健康関連スタートアップは、10万枚もの「大便の画像」を人々から集めて大便画像データベースを作るプロジェクトを実施しています。
The world’s first poop database needs your help - The Verge
https://www.theverge.com/2019/10/29/20937108/poop-database-ai-training-photo-upload-first-mit
アメリカでは5人に1人が過敏性腸症候群などの慢性腸疾患に悩まされているそうで、Seedは大便画像データベースを構築することにより、こうした人々に役立つシステムを開発できるかもしれないと考えています。Seedの研究チームは、ユーザーが自身の健康を管理できるように大便の画像からユーザーの健康状態を診断できるツールを提供する予定です。
Seedの共同創設者兼CEOのAra Katz氏は、「私たちは普段から大便を情報源と見なしているわけではありませんが、大便は確かに腸の健康状態をダイレクトに出力します」とThe Vergeに語っています。
Seedの大便画像データベース構築に協力するには、スマホでSeedの「大便画像送信ページ」にアクセスします。
ページ下部にある「#GIVEaSHIT」というボタンをタップ。
すると送信フォームが開くので、メールアドレスと普段大便をする時間帯をフォームに入力します。その後、チェックボックスにチェックを入れてから「TAKE OR UPLOAD PHOTO」をタップし、すでに写真を撮影した場合はそのままアップロードを、まだ撮影していない場合は大便をしてから写真を撮ればOK。撮影された写真は、個人が特定できるメールアドレスおよび潜在的なメタデータを分離し、匿名の状態でSeedの研究チームに利用されます。
Seedの研究チームには、一般の人々から送られてきた大便画像を分析する専門の消化器科医が7人いるそうで、消化器科医は全ての大便画像を診断して分類していくとのこと。分類はブリストル・スツール・スケールという基準に沿って行われ、「ナッツのように固い」「ソーセージ型だがゴツゴツしている」といった固めのものから「形が不規則でどろどろしている」「完全に液状」といった緩いものまで、全部で7つのタイプに分類されます。
こうして医師によってタグ付けされた大便の画像は、人工知能モデルを訓練するために利用されます。自動運転車が路上の木や猫を識別するために行うものと同様のトレーニングシステムを使い、人工知能が医師と同じように大便の状態をチェックできるようにしていくそうです。
今回の大便データベース作成プロジェクトは、通常では手に入りにくい大量の大便画像をオープンソース化し、学術目的で役立てられるようにすることが最終的な目的です。データベース構築プロジェクトに協力するDavid Hachuel氏は、「慢性腸疾患を抱える人々は何を食べればいいのか、どれほど運動すればいいのかといった選択に悩んでいます。大便画像のデータベースを構築し、患者が自宅で状態をモニタリングできる監視ツールを開発することが重要です」と述べました。
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