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人工的に遅延を発生させpingを均等化するツールを「リーグ・オブ・レジェンド」のRiot Gamesが開発、eスポーツの公式大会にリモート参加しても遅延による不利が生じなくなる可能性


日本でも人気の高いチームベースのストラテジーゲームである「リーグ・オブ・レジェンド」の開発・運営元であるRiot Gamesが、プレイヤーごとに異なるラグ(遅延)こと「ping」を均等化するツールを開発したと発表しました。

Riot Games Tech Blog: Artificial Latency for Remote Competitors
https://lolesports.com/article/riot-games-tech-blog-artificial-latency-for-remote-competitors/blt44154a33b5d5a616

Riot Gamesはリーグ・オブ・レジェンドの公式トーナメントである2022ミッドシーズン・インビテーショナルを、2022年の5月10日から29日にかけて開催しています。このトーナメントには世界中からリーグ・オブ・レジェンドのゲーミングチームが現地へやってきたのですが、中国のプロゲーミングチームであるRNG(Royal Never Give up)はリモートで大会に参加することとなりました。Riot Gamesのeスポーツ関連テクノロジーを開発するチームは、リモートで大会に参加しているRNGと現地で大会に参加しているチームの間で不公平が生じないように、プレイヤーのpingを均等化するツールの開発を行いました。

Riot Gamesは「リーグ・オブ・レジェンドの競技シーンの場合、遅延の変動はプラスマイナス5ミリ秒(ms)程度であり、トップレベルの競技シーンで許容できるpingの上限が40msであるということを踏まえ、すべてのプレイヤーのpingが『35ms』に均等化されるよう計画した」としています。Riot Gamesはpingを均等化するために、人工的に遅延を生じさせるレイテンシーサービスを開発。開発チームの中にはこのレイテンシーサービスを「フェイクping」と呼ぶ人もいるそうです。このレイテンシーサービスはプレイヤーのpingを35msに統一するために、必要に応じてプレイヤーのクライアントとサーバーに遅延を生じさせるとのこと。


このレイテンシーサービスは元はeスポーツイベントで使用されていたツールだそうですが、完全にリモートで開催されるようなイベントでのみ使用されてきたツールであるため、現地開催のリアルイベントでこのようなレイテンシーサービスを導入するのはRiot Gamesにとっても初めての挑戦だったそうです。

Riot Gamesのレイテンシーサービスは、リーグ・オブ・レジェンドのネイティブクライアントとサーバーネットワークスタックに組み込まれており、プレイヤーとサーバーの間で生じるネットワーク遅延を継続的に測定し、目標の遅延(ping)になるよう任意の遅延を挿入します。このレイテンシーサービスはクライアントとサーバーソリューションの両方に組み込まれているため、ネットワークの両側で遅延を均等にしようとしてくれるそうです。

以下の図がレイテンシーサービスの動作を簡易的に記したもので、「Game Server」がゲームサーバー、「Player」がプレイヤーごとのゲームクライアントを表しており、サーバーとクライアントの両方にある「Delay(遅延)」がレイテンシーサービスが意図的に生成する遅延を表しています。赤色の矢印はサーバーとクライアントの間で実際に生じるpingで、黄色の矢印はレイテンシーサービスを適用したあとのpingです。


Riot Gamesは2022ミッドシーズン・インビテーショナルにおいて、このレイテンシーサービスを使ってすべてのプレイヤーのpingを35msに調整していました。しかし、実際に使ったところ会場でトーナメントに参加しているプレイヤーに過剰なpingが発生してしまうバグが発生していることが明らかになりました。

以下の図は会場からリーグ・オブ・レジェンドをプレイした際の遅延(左)と会場外(上海)からリーグ・オブ・レジェンドをプレイした際の遅延(右)をまとめたもの。横軸がゲームのプレイ時間、縦軸が発生している遅延を表しています。レイテンシーサービスを無効化している場合、上海からプレイしているプレイヤーにより遅延が発生していることがわかります。


以下はレイテンシーサービスを有効にして実施した場合の遅延をまとめたもの。遅延の差がかなり縮まっていることがわかりますが、微妙に遅延に差が生じていることもわかります。トーナメント初期に行われた試合では以下のグラフで生じているくらいの遅延の差が発生してしまっていたそうです。


このバグに対処するため、Riot Gamesは5月13日にレイテンシーサービスツールの構成を変更。さらに、それまでの試合でレイテンシーサービスツールの影響を受けたチームに再試合させるという決断に至っています。

A Message from Alex François, Global Head of Competitive Operations, Riot Gameshttps://t.co/YIe1r2vx0c pic.twitter.com/ynVyw0wuPn

— LoL Esports (@lolesports)


これにより、会場と会場外のプレイヤーの遅延差はほとんどゼロになりました。


また、5月13日に行われたレイテンシーサービスツールに加えた修正の弊害で、会場からトーナメントに参加したプレイヤーの画面に表示されるpingが実際の数値よりも低くなっていたことが明らかになっており、「2022ミッドシーズン・インビテーショナルの視聴者は会場から参加しているプレイヤーのpingが実際よりも低いものと信じ込んでしまった」とRiot Gamesは記しています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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