サイエンス

「藻」をPC用電源として使うことに成功


シアノバクテリア(藍藻:らんそう)が生成する電流だけを使用して、6カ月以上マイクロプロセッサを動作し続けることに成功したと研究者が発表しました。

Powering a microprocessor by photosynthesis - Energy & Environmental Science (RSC Publishing)
https://doi.org/10.1039/D2EE00233G


Algae-powered computing: scientists create reliable and renewable biological photovoltaic cell | University of Cambridge
https://www.cam.ac.uk/research/news/scientists-create-reliable-biological-photovoltaic-cell-using-algae

Scientists Have Powered a Basic Computer With Just Algae For Over 6 Months
https://www.sciencealert.com/a-common-algae-was-hooked-up-to-a-computer-last-year-here-s-what-we-ve-learned

ケンブリッジ大学のパブロ・ボンベリ氏らは「成長するモノのインターネット(IoT)はますます大量の電力を必要とするようになる」と考え、環境からエネルギーを吸収し、電力に変える方法を導き出そうとしました。そこで、環境中のメタンなどの物質をエネルギーに変換する「生きた」電源を作れば、より環境に優しくシンプルなものになるのではと考えたとのこと。

ボンベリ氏らが考案したシステムには、淡水環境に広く生息するシアノバクテリアの一種、シネコシスティスが使われました。シネコシスティスは1平方cm当たり4μW(マイクロワット)強の電力を発生させることができ、照明を消しても蓄えた食物を分解し続け、微量ながらマイクロプロセッサの動作に十分な量の電力を発生させたとのことです。


45分の動作と15分の停止を繰り返すように設計されたプロセッサは実験室の明るい光の中で6カ月以上動作し続けたため、ボンベリ氏らは「シアノバクテリアを使ったシンプルな電池でも、原始的なコンピューターを動かすのに十分な能力を持っている」と結論付けました。


ボンベリ氏は「数週間で止まると思っていましたが、長期間にわたって継続したことに驚きました」と述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
木材に圧力を加えて発電する技術は木材を腐らせるだけで効果が55倍になると判明 - GIGAZINE

人類の火星移住で酸素の供給源として活躍するかもしれないバクテリアが発見される - GIGAZINE

3Dプリンターで「発電するキノコ」を作り出すことに研究者が成功 - GIGAZINE

藻の一種が火星でも光合成を行えるかもしれないとの研究結果、テラフォーミングへの期待が高まる - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.