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NVIDIAがGPUのLinux向けカーネルモジュールをオープンソース化、すでにダウンロード可能に

by Jonathan Cutrer

NVIDIAがGPUのLinux向けカーネルモジュールをオープンソース化しました。ソースコードはGPLライセンスMITライセンスのデュアルライセンスで公開されており、記事作成時点ですでにダウンロード可能となっています。

NVIDIA Releases Open-Source GPU Kernel Modules | NVIDIA Technical Blog
https://developer.nvidia.com/blog/nvidia-releases-open-source-gpu-kernel-modules/

これまで、NVIDIAがGPU関連ソフトウェアのオープンソース化に積極的でないことは広く知られており、2012年にはLinuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏がLinux対応を怠るNVIDIAに対して中指を突き立てる事件が発生していました。しかし、2018年にはNVIDIAが物理演算エンジン「PhysX」をオープンソース化し、NVIDIAがオープンソースコミュニティに参加する意志を示しているとささやかれていました。

そして2022年5月11日に、NVIDIAはLinux向けカーネルモジュールのオープンソース化を発表しました。オープンソース化されたカーネルモジュールは以下のGitHubリポジトリで公開されています。

GitHub - NVIDIA/open-gpu-kernel-modules: NVIDIA Linux open GPU kernel module source
https://github.com/NVIDIA/open-gpu-kernel-modules


NVIDIAはカーネルモジュールオープンソース化のメリットについて「開発者はカーネルイベントワークロードの相互作用を確認し、デバッグを高速化できます。さらに、エンタープライズ向けに独自の変更を加えたLinuxカーネルに対してドライバーをシームレスに統合できます」と述べています。

また、Linux関連ニュースサイトのPhoronixは、今回のオープンソース化がユーザー向けドライバーにまで及んでいないことに不満を示しつつ「LinuxでGeForce(NVIDIA製GPU)を用いているゲーマーにとっては、まだ長い道のりが残されています。しかし、今回のカーネルモジュールのオープンソース化は素晴らしい一歩であり、カーネル統合の改善やセットアップエクスペリエンスの改善、ドライバーのインストール管理の改善などに役立つでしょう」と述べ、NVIDIAがGPU関連ソフトウェアオープンソース化の一歩を踏み出したことを称賛しています。

なお、NVIDIAのライバルであるAMDはGPUドライバーや各種ツールをオープンソースで公開するプロジェクト「GPUOpen」を展開しており、オープンソースの3DCGソフト「Blender」でのパフォーマンスを改善するなど多くの成果をあげています。NVIDIAによるGPU関連ソフトウェアのオープンソース化が進めば、AMDと同様に各種ソフトウェアでの最適化が進む可能性があります。

オープンソース3DCGソフト「Blender」がバージョン3.0でAMD製GPUのサポートを強化 - GIGAZINE

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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